カウンセラーのコラム

山梨県甲府市でカウンセリングルームを開業している心理カウンセラーの雑文です。

単行本 『友田不二男研究』 について

2009年09月03日 | 日記 ・ 雑文
第1回目の打ち合わせが友田先生が亡くなられた同じ年(平成17年)の秋だったので、もうかれこれ4年近くが経過しているプロジェクトである『友田不二男研究 ~日本人の日本人による日本人のためのカウンセリング~』の発行が、ようやくこの秋に実現できる見通しがついた。
私は執筆者の一人として、また実際の編集業務を遂行する編集者として、この仕事に長期間携わってきたのだが、つい先日、ようやく原稿を印刷所に入稿することができたのである。正直に今の心境を表現すれば、「予想していたよりもはるかに激務だった」と言わざるを得ない。ま、それだけに「完成したときの喜びもひとしおだろうなあ」とは思っているが……。

この出版物のコンセプトは、「日本にロジャーズ流カウンセリングを導入し、かつ広めていった友田不二男の業績と人物像を明らかにする」というものである。
現在の日本のカウンセリング界においては、「友田不二男の名と存在は、すっかり忘れ去られてしまっている」かのように私には思えてならない。同氏は生前述べていた。「現在の日本のカウンセリングのレベルは、50年前のロジャーズのレベルにすらぜんぜん到達していない。はるかに稚拙なレベルである」と。
この一書によって、読者はこの言葉の“意味するところ”を実感し、その実感に基づいて“カウンセリングというもの”によりいっそう真摯な態度で取り組むようになってくれるのではないか? と、執筆&編集担当者である私は密かに期待している。と同時にこの一書を通じて、“カウンセリングというもの”をより深く探求し、研究し、実践していこうとする同好同志の方々との交流も深めていけたら……と願っている。
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【告知】 単行本 『友田不二男研究』 発刊予定のお知らせ

2009年09月03日 | 告知 ・ 案内
財団法人日本カウンセリング・センター設立50周年記念行事・シンポジウム会場にて、『友田不二男研究』と題した単行本を販売いたします。購入希望者は、下記ホームページの「参加申し込みフォーム」に購入予約する旨を明記の上、メールを送信してください。
日本カウンセリング・センター ホームページはこちら≫

タイトル:友田不二男研究 ~日本人の日本人による日本人のためのカウンセリング~
単行本(ハードカバー):371ページ
発売日:11月中旬予定
定価:3,600円[税込]

【CONTENTS】
第一部 カウンセリング活動編
 第1章 カウンセリングとの出会い --------------山本伊知郎
 第2章 “道”を求めて ~“天地イコール自己”へのアプローチ~---工藤和仁
      【資料】「M・Iさんとのカウンセリング」の逐語記録検討会
      講座「カウンセリング演習」(第5回目)の記録
      講座「カウンセリング演習」(第6回目)の記録
 第3章 友田不二男の言葉の力 ---------------平河内健治
 第4章 友田不二男氏の仕事についての国際的な理解と評価----末武康弘
      【資料】ブライアンの真空--------------友田不二男訳
 第5章 掌風俳諧と私 --------------------藤野和子
 第6章 易経とカウンセリング -----------------大塚俊博
第二部 社会的活動編
 第7章 掌風会の活動とその精神 --------------山本伊知郎
      【再録】儲けることと豊かになることと----------友田不二男
 第8章 エコマネーと友田不二男----------------中本貴之
第三部 資料編
 第9章 人物史年表
 第10章 著作一覧表
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【告知】 シンポジウム 「カウンセリングの学び直し」 開催のお知らせ

2009年09月02日 | 告知 ・ 案内
告知してありましたシンポジウム「カウンセリングの学び直し」の当日プログラムが決まりましたので、あらためてお知らせいたします。
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財団法人日本カウンセリング・センターは今年、設立から50周年の節目を迎えることとなりまし
た。つきましては下記日程にて、記念行事・シンポジウムを開催いたします。
我が国におけるカウンセリングの“これまで”を振り返ると同時に、“これから”に向けてのさらな
る深化・発展をめざし、“カウンセリングということ”に関心を寄せる全国の方々とともに学べる喜
びを分かち合えるようなイベントを企画しました。
当法人とともに長い道のりを歩んでこられた皆々様、そしてこれからカウンセリングに志そうとす
る皆々様、多数の方々の参加をお待ちしております。
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           【第一部:シンポジウム】
    テーマ:カウンセリングの学び直し ~これからの半世紀に向けて~
シンポジスト:末武 康弘先生(当法人理事・法政大学教授)
         「友田不二男氏の仕事についての国際的な理解と評価」
         工藤 和仁先生(当法人評議員)
         「“道”を求めて ~“天地イコール自己”へのアプローチ~」
 司会・進行:平河内健治先生(当法人理事長・東北学院理事長)
             【第二部:祝賀会】
 法人設立50周年記念 『友田不二男研究』 出版記念パーティー
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日  時:平成21年11月22日(日) 第一部:シンポジウム 13:30~16:30
                        第二部:祝賀会     17:00~19:30
会  場:アルカディア市ヶ谷 私学会館 (JR市ヶ谷駅徒歩約2分) ホームページはこちら≫
      東京都千代田区九段北4-2-25 TEL:03-3261-9921 FAX:03-3261-9931
      ※宿泊も可能ですので、遠方よりお越しのお客様はご自分で宿泊予約してください。
参加費 :第一部…3,000円 第二部…4,000円 第一部・二部通し…6,500円
定  員:200名 (先着順。定員になり次第締め切らせていただきます)
申込締切:平成21年10月31日
申込先 :日本カウンセリング・センター ホームページはこちら≫
      参加申し込み・問い合わせは、上記ホームページの「参加申し込みフォーム」に
      必要事項を明記の上、メールを送信してください。
主催:日本カウンセリング・センター
協賛:掌風会 山径会 BCAクラブ 株式会社レスポンス
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             【当日のプログラム】
第一部 シンポジウム ---------------------- 13:30~16:30 会場:阿蘇 - 6階
    テーマ:カウンセリングの学び直し ~これからの半世紀に向けて~
 司会・進行:平河内健治先生(当法人理事長・東北学院理事長)
シンポジスト:末武 康弘先生(当法人理事・法政大学教授)
         「友田不二男氏の仕事についての国際的な理解と評価」
         工藤 和仁先生(当法人評議員)
         「“道”を求めて ~“天地イコール自己”へのアプローチ~」
 パネリスト:大沢  博先生(当法人評議員・岩手大学名誉教授)
 (五十音順) 「“食”とカウンセリング」
         金子 鮎子先生(当法人評議員・(株)ストローク代表取締役社長)
         「障がいのある人と一緒に働いて20年」
         ~勝手にカウンセリングから学んだことをベースに~
         佐世 省吾先生(当法人評議員・大分県カウンセリング研究協会)
         「地域での実践活動 ~大分県カウンセリング研究協会~」
         竹田 雅子先生(当法人世話人・I&Iカウンセリング代表)
         「ニート・引きこもりに対する就労支援の現場から」
         鳴海 明敏先生(当法人世話人・青森カウンセリング研究会会長)
         「地域での実践活動 ~青森カウンセリング研究会~」
         早野 久子先生(山径会世話人)
         「友田不二男氏の実践 ~易経とカウンセリング~」
         藤野 和子先生(当法人評議員・山径会会長)
         「友田不二男氏の実践 ~俳諧とカウンセリング~」
         八代 泰光先生(当法人評議員・八戸カウンセリング・センター理事長)
         「地域での実践活動 ~八戸カウンセリング・センター~」
第二部 法人設立50周年記念式典 --------- 17:00~19:30 会場:穂高 - 5階
      +出版記念パーティー
 ・開 会
 ・乾 杯
 ・立食パーティーによる懇親会
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上記シンポジウム 「カウンセリングの学び直し」 について

2009年09月02日 | 告知 ・ 案内
私が事務局長を務めている財団法人 日本カウンセリング・センターは今年、設立から50周年の節目を迎えることになった。それを記念する行事としてシンポジウムを開催することになったのだが、そのイベント準備のため非常に忙しい日々を過ごしている。
いや、ひょっとすると今の忙しさなんてまだマシなほうで、開催日が近づくにつれ忙しさと重圧が倍増していくに違いない。それを想うと「給料が安すぎるのではないか?」と抗議したい気持ちにもなるが、まあ今の段階で愚痴をこぼすのはこれくらいにしておこう。

今回のシンポジウムのテーマは「カウンセリングの学び直し ~これからの半世紀に向けて~」という設定になった。シンポジストに末武康弘先生(法政大学教授)と工藤和仁先生(日本カウンセリング・センター評議員)のお二人を迎え、これに司会・進行役の平河内健治先生(日本カウンセリング・センター理事長・東北学院理事長)が絡みながら進行してゆく……という構成だ。
末武先生には「友田不二男氏の仕事についての国際的な理解と評価」という演題で、工藤先生には「“道”を求めて ~“天地イコール自己”へのアプローチ~」という演題で講演をそれぞれ依頼した。
どんな内容の話が聞けるかは“当日のお楽しみ”であるが、いずれにせよ、友田不二男先生(ロジャーズ博士からカウンセリングを学び、日本で最初にロジャーズ流アプローチを実践すると同時に広めていった、我が国におけるカウンセリングの創始者・開拓者である)が示した“カウンセリングの真髄”に触れるような、貴重な講演がいただけるのは間違いないだろう。乞うご期待! である。

「カウンセリングの学び直し」というテーマについてだが、個人的には極めて大切なことだと思っている。友田先生は生前、「現在の日本のカウンセリングは、50年前のロジャーズのレベルにぜんぜん到達していない。はるかに稚拙なレベルである」と明言していたし、「どんなに優秀な人物でも、カウンセリングを身につけたうえで効果的なカウンセリングを実践できるようになるまでには、最低10年はかかる」とも述べていた。
これらの言葉が“意味しているところ”を、最近の私は痛感している。本当にその通りだろうと思う。講座に1~2年通っただけ、資格試験をパスしただけの“カウンセラー資格保有者”が大量生産されている現実を目にすると、カウンセリング業界の将来に対して、もっと言えば日本の将来に対して、なんとも言えない暗い気持ちになってしまう。
そして誰よりもこの事実――資格を持っているだけでは実際にクライエントに直面したときまったく歯が立たない、という紛れもない事実――を実感し痛感しているのは、その“カウンセラー自身”ではなかろうか? ……というようなアレコレを思うと、「カウンセリングを学び直すって、本当に重要なことだよなあ……」と、しみじみ思えてくるのである。

シンポジウム当日は、現在発刊の準備を進めている単行本『友田不二男研究(仮題) ~日本人の日本人による日本人のためのカウンセリング~』を会場で直接販売する計画だ。この出版物には私が執筆した論文が複数収録されているし、編集&入稿作業に関しては私が全面的に責任を負って行なっているところだ。
私にとってこの出版物は、文字通りの“血と汗と涙の結晶”なので、日本全国に存在するたくさんの“カウンセリングということ”に関心を寄せている同好・同志の方々に読んでもらいたい……というのが偽りない気持ちである。

私たちは今回のシンポジウムで「(良質な)カウンセリングの普及と発展をめざす」という旗印を掲げることにした。“学び直し”はそのために必要な具体的行為である。その旗印の下にいったいどれくらいの人たちが集まってくれるのだろうか? 期待と不安とを交錯させながら、引き続きこのイベントを成功させるために尽力してゆきたい。
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