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ユーさんのつぶやき

徒然なるままに日暮らしパソコンに向かひて心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き綴るブログ

自分探しの夢

2005-06-23 | 真夜中の夢
 窓のない薄暗い部屋で会議が行われていた。会議室には数名の男が居た。同年代、同じ服を着て、同じメガネをかけていた。自分は議長をしている。顔がよく見えないので、一番端に座っている男に発言を促した。「すみません、初対面かもしれませんので、自己紹介してください」。男は答えた。「はい、ユーさんです」。自分はぎょっとした。自分と同名であった。順に名前を聞くと、全員が「ユーさんです」と答えた。「ばかな!」と思ったが、ありえないことでもないと思い、議事を進行させた。 「本日の議題は自分とは何か?です。皆さんの意見を言ってください」。 最初に発言した男は、「私の考えでは、自分なんてこの世には存在しませんよ。そこには宇宙があるだけだ。自分は宇宙の一部なんだ」と言った。初っぱなから、非常に哲学的な話であった。この発言があまりにも世離れしているので気楽になったのか、出席者は思い思いに発言を始めた。 「自分は周りの期待を想像して、その通り振舞っているだけです。まあ、言ってみれば役者ですよね」。「私も他人に良い格好をするため頑張っているだけだ。そこには本当の自分は何もないね」。「考えて見れば、私も普段から上司や家族の言うとおり動いているだけで、自分の考えたとおりにやったことなんて何もないなあ」。「本当の自分はもっと別のところに居るような気がして仕方ないんだ」「自分は自分だとは思うが、どうも最近の自分は本当の自分ではないみたいだ」「他人と違うことをするのが恐くてね」「一番分らんのは自分のことなんだ」などと、自己の存在や個性を実感できない発言ばかり、ポンポンと飛び出してきた。 「こいつら、本当の自分とは何か、何も分っとらんね」と、議長はがっかりした。しかし、果たして、誰が「理想の自分」と「目標の自分」と「現実の自分」との区別がつけられるのか? そう言う議長ですら、「本当の自分」とは、「理想の自分」のことか「現実の自分」のことか、その区別を意識して考えたこともない。議長は、一寸、赤面気味に、「ハイ、次ぎ?」と辺りを見回すと、一同は忽然と姿を消していた。 夢であった。目が覚めて暫く考えた。会議室には初めから自分しか居なかったのかもしれない。発言は全部、自問自答であったかもしれない。本当の自分とは何か? このツカミ所のない命題と、自分のことについて本当に何も分っていない自分の現実とに、暫し、憮然とした思いが残った。


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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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本当の自分 (クラウンジュエリー)
2005-06-28 14:40:34
 一般に、人は「本当の自分」とは「現実の自分」とは違うものであると思い込んでいる。「本当の自分」とは、ミスをしない、いつもしっかりと物事をやり遂げる「理想の自分」のことと思い込んでいる。ところが、「本当の自分」とは、「現実の自分」の方に近い可能性が高い。従って「現実の自分」に大きな不満を感じている人ほど「本当の自分」を発見できないジレンマに陥る。



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Unknown (コータロー)
2005-06-28 15:03:17
 誰かを見返してやりたいから、今に見てオレという気持ちを映して、現実を改善するべく「理想の自分」を作る。他からの強制ではなくて、奥深い、内部から沸き起こる純粋の気持ちを映すならば、それが「本当の自分」かもしれない。しかし、現実の悔しい気持ちは、他から与えられたものかもしれないし、自分の内部から発する純粋なものかもしれず、両者を区別することは出来ない。要するに、自分の気持ちに素直だと言えば、すべて「本当の自分」ということになるが、素直になったと言う言葉で美化しているだけのことで、現実は同じことだ。



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反省されたし (クラウンジュエリー)
2005-06-28 15:20:30
 まだまだ定義されていない自分がある。「純粋の自分」と「偽りの自分」の二つだ。「純粋の自分」が「本当の自分」のことと思われるが、勝手な思いで「偽りの自分」を「本当の自分」と思い込むと、苦しい人生の穴ぼこに落ち込む可能性がある。見栄や欺瞞で枝葉ばかりの「偽りの自分」を構築しては居ないか、特に、ユーさんは十分に反省する必要がある。



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本当の自分 (コータロー)
2005-06-29 09:20:51
 一晩考えたが、結局、「純粋の自分」も「偽りの自分」も自分の想像物であり、実体ではない。実体でないものが「本当の自分」であるはずがない。対立した二つの存在を認めると、分裂が加速する。見る角度によって見え方が違うだけで、実体は一つ。しかし永久に知ることが出来ないもの、それが「本当の自分」だと言う結論に至った。



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