トオマス・マンの「ヴェニスに死す」を読んだ
僅か150ページほどの短い小説だった
この小説でマンは一体何を言いたかったのか?
短いが非常に難解だ
小説家は若くして強い意志を維持し
芸術と生活のバランスを保ち名声を確立した
突然激しい旅心にそそられてヴェニスへの旅に出た
既に世間的な名声を確保していた男がふと息抜きをする気になったのだ
しかし 男が現在の栄誉と精進と静けさに満ちた生活を見捨てた瞬間
バランスは崩れた
バランスの崩れとは気の緩みであったのか?
男は旅先で端麗無比な美少年に魅入られた
半ば意識的に伝染病から逃れることすら放棄した
空想の中で少年と一体となることを夢見ながら
そして少年を遠目に観察しながら
意識を少年に投げかけたまま死んで行った
物語はそれだけのことだ
短いが何と難解な物語であることか
その意味が容易に理解できないのだ
若くして猛烈に仕事をし続けた男は孤独であった
初老になって孤独な男は旅に癒しを求めた
そして見知らぬ少年を愛するに至った
しかしその愛は妄想に過ぎなかった
妄想は死の数分前まで明晰であった
そして誰にも気付かれぬ孤独死を迎えた
死を迎える心の準備もせぬまま
死につつあることの自覚もないまま
死んでいることを誰にも知られないまま
男は旅先で一人で死んだ
男は生の緊張を解き放つと
坂道を下るように転げ落ちていった
転げ落ちる先が不意の死であることなど
想像だにしていなかった
この男にとって仕事とは何であったのか?
この男にとって人生とは何であったのか?
「日光見ずして結構言うな」とは日本のコトワザだが
「ナポリを見て死ね」と英語では言うそうだ
この男はナポリではなかった
ヴェニスで死んだ
ナポリを見てからと思っていたとしたら
この男も多くの仕事をやり残して死んだかも知れぬ
人はいつ死ぬか?
それは誰にも分からぬことだから
何とも致し方ない話だ
人の行為や努力では律しきれぬ話だ
この小説は書いてあることよりも
書いてないことを多く考えさせる小説であった
僅か150ページほどの短い小説だった
この小説でマンは一体何を言いたかったのか?
短いが非常に難解だ
小説家は若くして強い意志を維持し
芸術と生活のバランスを保ち名声を確立した
突然激しい旅心にそそられてヴェニスへの旅に出た
既に世間的な名声を確保していた男がふと息抜きをする気になったのだ
しかし 男が現在の栄誉と精進と静けさに満ちた生活を見捨てた瞬間
バランスは崩れた
バランスの崩れとは気の緩みであったのか?
男は旅先で端麗無比な美少年に魅入られた
半ば意識的に伝染病から逃れることすら放棄した
空想の中で少年と一体となることを夢見ながら
そして少年を遠目に観察しながら
意識を少年に投げかけたまま死んで行った
物語はそれだけのことだ
短いが何と難解な物語であることか
その意味が容易に理解できないのだ
若くして猛烈に仕事をし続けた男は孤独であった
初老になって孤独な男は旅に癒しを求めた
そして見知らぬ少年を愛するに至った
しかしその愛は妄想に過ぎなかった
妄想は死の数分前まで明晰であった
そして誰にも気付かれぬ孤独死を迎えた
死を迎える心の準備もせぬまま
死につつあることの自覚もないまま
死んでいることを誰にも知られないまま
男は旅先で一人で死んだ
男は生の緊張を解き放つと
坂道を下るように転げ落ちていった
転げ落ちる先が不意の死であることなど
想像だにしていなかった
この男にとって仕事とは何であったのか?
この男にとって人生とは何であったのか?
「日光見ずして結構言うな」とは日本のコトワザだが
「ナポリを見て死ね」と英語では言うそうだ
この男はナポリではなかった
ヴェニスで死んだ
ナポリを見てからと思っていたとしたら
この男も多くの仕事をやり残して死んだかも知れぬ
人はいつ死ぬか?
それは誰にも分からぬことだから
何とも致し方ない話だ
人の行為や努力では律しきれぬ話だ
この小説は書いてあることよりも
書いてないことを多く考えさせる小説であった



みるともなしに視てしまいましたが、映像的受け取りと文章からの受け取りとは違うと思い、その感想を述べることはできません。
しかし映画だとどうしても作品に登場してくる場所に目がいき、その主人公における心情にはいきとどかなかった面が多々ありました。
また主人公になっていた俳優が私の知らない人であったのでその点での感情への入り込みは割りとスムーズに出来ました。
しかしユーさんは今も結構忙しいのに、いつそうした本を読むのですか、不思議です。
私は朝夕せいぜい、1時間ほどPCや散歩の合間に読む程度です。
整理を必要とする本箱には連続朝ドラ「芋蛸なんきん」の聖子さんが仕事をしている部屋に出てくる、同じ全集が眠っています。
時々読もうかなと思い引っ張り出すことはありますが、またもとの位置です。
ユーさんにあやかって少し挑戦をしようかなと刺激されました。ありがとうございました。