下町風力発電 清水式風力発電機

2016-01-24 09:14:16 | 自然エネルギー

下町風力発電 清水式風力発電機

東日本大震災とそれに伴う原発事故発生を目の当たりにした、一人の若きエンジニアが、代替エネルギーに革命をもたらす事業を展開している。

東京・下町の町工場から
世界初「台風発電」への挑戦
その人物こそが、「株式会社チャレナジー」の代表・清水敦史氏だ。東京都墨田区に拠点を置く、研究開発型のものづくりスタートアップ企業は、世界初となるプロペラのない次世代型の「風力発電機」の実用化に向けて、町工場(株式会社浜野製作所)と共同で試作機開発や実験を行っている。地熱や太陽光が生み出すエネルギー資源量と比較しても、圧倒的な量を誇るのが風力発電だ。

赤は地熱発電、黄色は太陽光発電を示している。陸上風力だけでも太陽光の約2倍、洋上ならば約10倍近いエネルギー資源を得ることが、理論上は可能な計算になる。

大型の台風のエネルギーは、日本の総発電量の約50年分に相当する(国土交通省中部地方整備局調べ)というのに、エネルギー源となる台風がどれだけやって来ても、そのパワーを得ることができなかった。

「原因はあの大きなプロペラにある」

清水氏は、そこにイノベーションの必要性を感じた。そして、プロペラではなく、円筒を気流の中で自転させた時に発生する「マグナス効果」に着目した。

この、マグナス効果を応用して、世界初の実用化を目指しているのが「垂直型マグナス風力発電機」。舌を噛みそうな名まえだけど、次世代風力発電のカギを握る装置だ。清水氏によれば、プロペラ式と比較しても、安全性の向上、低コスト化、静音化が期待できる。そして、理論上は大型台風等の強風下でも、発電可能だ。

試作機での屋内テストを繰り返し、いよいよ2016年夏、沖縄県南城市でフィールドテストを実施予定。試作品はおよそ直径3メートル四方。台風を受け、発電量などのデータを得ることで、さらに大型の量産機の開発を目指す。

クラウドファンディングサイト「Makuake」にはこんなメッセージがある。

「脱原発を模索し次の世代に持続可能な社会への道筋を示すことは、私たちの世代の責務です」。

「目標金額に達しない場合でも、台風発電の実証実験は実施します」。

下町から世界へ、町工場の挑戦はまだ始まったばかりだ。

http://getnews.jp/archives/1358577


高効率ペロブスカイト型太陽電池の製造コストが大幅低減

2016-01-21 02:15:32 | 自然エネルギー

 スイスの大学 Ecole Polytechnique Federale de Lausanne(EPFL)の研究者は、変換効率20.2%と高いペロブスカイト太陽電池をこれまでより大幅に低い製造コストで作製する技術を開発したと発表。論文も学術誌「Nature Energy」に掲載された。

ペロブスカイト型太陽電池は、最近変換効率が目覚ましく向上しているタイプの太陽電池である。最近では、21.0%という変換効率の報告もある。

ベースとなったのは、酸化チタンと色素などから成る従来の色素増感型太陽電池だ。ぺロブスカイト型では、“色素”の代わりにペロブスカイト材料を用い、正孔(ホール)輸送(HTL)材料としてのヨウ素溶液の代わりに、Spiro-OMeTADなどの特殊材料を用いたものが多い。

実はこのHTL材料が大きな課題だった。ここで利用するぺロブスカイト材料は鉛(Pb)と有機材料から成り安価だった一方で、HTL材料は1gでおよそ300ユーロ(4万円弱)するなど非常に高価だった。

今回、EPFLは既存のペロブスカイト型太陽電池用HTL材料の1/5と比較的安価な材料「FDT」を用いて、変換効率20.2%を実現した。「FDTは、従来のHTL材料に比べて合成も楽で、純度も高めやすい」(EPFLのMohammad Nazeeruddin氏)という。


ハウステンボスと九電工太陽光と風力によるマイクログリッド構築

2016-01-21 02:14:47 | 自然エネルギー

ハウステンボスと九電工太陽光と風力によるマイクログリッド構築

ハウステンボス・技術センター(長崎県佐世保市)と九電工は、共同でハウステンボス別荘地の共有施設において、「再生可能エネルギーを用いたハイブリット発電システムの活用実験」を開始したと発表した。太陽光パネル(出力30kW)と小型風力発電設備(10kW)と蓄電池(120kWh)を組み合わせ、別荘地の管理センターの電力需要を賄う。

ハウステンボス(長崎県佐世保市)は、テーマパークに隣接して、「ワッセナー」と名付けた別荘用の分譲地(戸建て130戸、マンション120戸)を開発し、グループ会社のハウステンボス・技術センターが共有施設を管理している。今回のハイブリッド発電システムは、同分譲地の管理センター内の空調、照明、汚水ポンプ、揚水ポンプに加え、EV(電気自動車)用充電設備に電力を供給する。

これまでは九州電力から電力供給を受けていたが、今回の実験開始を機に商用系統との連系を止めてオフグリッドとし、独立したマイクログリッドとして運用する。太陽光パネルはシャープ製の10kWシステムを3セット、小型風力発電設備はビルメン鹿児島(鹿児島市)製の5kW機を2基を導入した。2つの発電設備と鉛蓄電池(20kWh・6セット)をハイブリッド制御装置で制御する。システムとしての供給最大電力は20kWになる。

実験期間は、2015年7月27日から5年間で、電力会社の送電系統と繋がっていないオフグリッドの状態で、太陽光と風力、蓄電池によって電力需給を制御できるか、検証する。実験を通じて、太陽光と風力のマイクログリッドに関する施工、需給制御、メンテナンスなどのノウハウを蓄積し、さらなる応用研究を検討するという。


北陸新幹線開業で客減少 全日空が減便

2016-01-20 23:51:43 | 報道

北陸新幹線開業で客減少 全日空が減便

全日空は、3月末から羽田-富山線、羽田-小松線をそれぞれ1日6往復から4往復に減便することを発表した。

北陸新幹線開業後の去年3月末から先月までで、ビジネス客を中心に、利用者が約4割減少したという。

また北陸新幹線に対抗する形で割引運賃を設定したこともあり、収入が前年の同じ時期に比べ、富山で6割、小松で5割以上減少し、減便を決めたという。


アナモックス菌で排水の窒素を高速除去 7割コスト減

2016-01-18 09:27:20 | 自然エネルギー

日立製作所は、先進の工場廃水処理システムとして、同社が開発したアナモックス菌という微生物を用いた高速窒素除去システムの初号機が、国内大手化学メーカーの工場において稼働を開始したと発表した。

本システムは、従来方式を用いたシステムと同等の窒素除去性能を有するとともに、約70%のランニングコスト低減と約60%の省スペース化を実現する。今後、主に化学工業、半導体工業などのアンモニアを使用する各種工場廃水処理向けに積極的な拡販を図っていく考えだ。

今回稼働を開始した廃水処理システムは、富栄養化の原因物質として規制の対象となっている廃水中の窒素成分を、アナモックス菌を用いることにより、高速かつ効率的に処理するもの。世界でも納入例は少ないシステムとなっている。

また、今回納入したシステムのアナモックス反応槽の容量は約100立方メートルで、アナモックス菌を用いたシステムとしては国内最大級。日立の開発したシステムの高い窒素除去性能と安定性に加え、システムの維持管理が容易な点などが高く評価され、今回の納入・稼働に至った。同社100%子会社の日立プラントサービスが同工場に納入した。

アナモックス菌は嫌気性アンモニア酸化細菌。薬品を使わずに、アンモニアと亜硝酸から直接窒素ガスの生成が可能で、処理速度が速いという特長を有する。

日立は、アナモックス菌を用いた高速窒素除去システムの研究を、2005年11月から3年間にわたり、日本下水道事業団と共同で実施し、下水汚泥の脱水ろ液を対象とした基本的な窒素処理システムを確立した。さらに、2009年7月からNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「省水型・環境調和型水循環プロジェクト」に参画し、新機能微生物利用技術の開発としてアナモックス菌を用いた高速窒素除去システムの産業廃水への適用に取り組んでおり、このプロジェクトで得た各種化学物質がアナモックス菌に及ぼす影響などの成果を活用することで本システムの実用化を実現した。

日立の「アナモックス菌」、工場排水の窒素を高速除去 従来より7割コスト減

アナモックス菌を用いた高速窒素除去システムの概要
従来、廃水中の窒素の処理方法としては、アンモニアを硝化菌により硝酸へと酸化させる硝化工程と、その硝酸を窒素ガスに変換する脱窒工程を経る「生物学的硝化・脱窒法」が一般的に用いられてきた。今回日立が開発した、高速窒素除去システムでは、アナモックス菌の特性により、以下の3点を実現する。

硝化工程では、アンモニアの約半量を亜硝酸に酸化するのみでよく、従来方式に比べて酸化用の酸素供給に要する動力コストを約50%低減できる。
脱窒工程では、従来方法では必要な薬品(メタノールなど)を使用せずに窒素ガスに変換することができるため、従来方式に比べて薬品添加量を約80%削減できる。
アナモックス菌による窒素処理が、従来比で約2倍の速度で行えるため、従来方式と比べて大幅な省スペース化を実現できる。
なお、硝化菌に比べて増殖速度が極めて遅いというアナモックス菌の課題を解決するために、日立では、下水処理・産業廃水処理向けの高度処理システムで培ってきた包括固定化技術を応用し、アナモックス菌を高分子ポリマーで成形した約3mm角のゲル(固定化ゲル)の中に閉じ込めることで、アナモックス菌を高濃度に保持する独自の方式を採用している。

http://www.kankyo-business.jp/news/006943.php