高効率ペロブスカイト型太陽電池の製造コストが大幅低減

2016-01-21 02:15:32 | 自然エネルギー

 スイスの大学 Ecole Polytechnique Federale de Lausanne(EPFL)の研究者は、変換効率20.2%と高いペロブスカイト太陽電池をこれまでより大幅に低い製造コストで作製する技術を開発したと発表。論文も学術誌「Nature Energy」に掲載された。

ペロブスカイト型太陽電池は、最近変換効率が目覚ましく向上しているタイプの太陽電池である。最近では、21.0%という変換効率の報告もある。

ベースとなったのは、酸化チタンと色素などから成る従来の色素増感型太陽電池だ。ぺロブスカイト型では、“色素”の代わりにペロブスカイト材料を用い、正孔(ホール)輸送(HTL)材料としてのヨウ素溶液の代わりに、Spiro-OMeTADなどの特殊材料を用いたものが多い。

実はこのHTL材料が大きな課題だった。ここで利用するぺロブスカイト材料は鉛(Pb)と有機材料から成り安価だった一方で、HTL材料は1gでおよそ300ユーロ(4万円弱)するなど非常に高価だった。

今回、EPFLは既存のペロブスカイト型太陽電池用HTL材料の1/5と比較的安価な材料「FDT」を用いて、変換効率20.2%を実現した。「FDTは、従来のHTL材料に比べて合成も楽で、純度も高めやすい」(EPFLのMohammad Nazeeruddin氏)という。


ハウステンボスと九電工太陽光と風力によるマイクログリッド構築

2016-01-21 02:14:47 | 自然エネルギー

ハウステンボスと九電工太陽光と風力によるマイクログリッド構築

ハウステンボス・技術センター(長崎県佐世保市)と九電工は、共同でハウステンボス別荘地の共有施設において、「再生可能エネルギーを用いたハイブリット発電システムの活用実験」を開始したと発表した。太陽光パネル(出力30kW)と小型風力発電設備(10kW)と蓄電池(120kWh)を組み合わせ、別荘地の管理センターの電力需要を賄う。

ハウステンボス(長崎県佐世保市)は、テーマパークに隣接して、「ワッセナー」と名付けた別荘用の分譲地(戸建て130戸、マンション120戸)を開発し、グループ会社のハウステンボス・技術センターが共有施設を管理している。今回のハイブリッド発電システムは、同分譲地の管理センター内の空調、照明、汚水ポンプ、揚水ポンプに加え、EV(電気自動車)用充電設備に電力を供給する。

これまでは九州電力から電力供給を受けていたが、今回の実験開始を機に商用系統との連系を止めてオフグリッドとし、独立したマイクログリッドとして運用する。太陽光パネルはシャープ製の10kWシステムを3セット、小型風力発電設備はビルメン鹿児島(鹿児島市)製の5kW機を2基を導入した。2つの発電設備と鉛蓄電池(20kWh・6セット)をハイブリッド制御装置で制御する。システムとしての供給最大電力は20kWになる。

実験期間は、2015年7月27日から5年間で、電力会社の送電系統と繋がっていないオフグリッドの状態で、太陽光と風力、蓄電池によって電力需給を制御できるか、検証する。実験を通じて、太陽光と風力のマイクログリッドに関する施工、需給制御、メンテナンスなどのノウハウを蓄積し、さらなる応用研究を検討するという。