人口減加速、対策急ぐ…戸別訪問で孤立防ぐ

2015-04-11 07:56:09 | 宮城県

震災時のテレビでは映されなかった光景を見た人は中々立ち直れないだろう

人口減加速、対策急ぐ…戸別訪問で孤立防ぐ 一般社団法人「震災こころのケア・ネットワークみやぎ」

宮城・女川

 3県では、いまだに約8万人が仮設住宅で暮らす。看護師や保健師らが戸別訪問し、心身のケアを続けている。

 「元気? また集会所にございん(いらっしゃい)」

 宮城県女川町の仮設住宅団地で、保健師の菅野テル子さん(71)が入居者を見つけては声をかける。一時はほぼ埋まっていた150戸の団地も、昨春以降、3分の1が復興住宅に移った。残った住民の大半は高齢者。独居のほか、認知症やアルコール依存症の人もいて、菅野さんら3人が手分けして見回る。

 3年半が過ぎても心を開かない年配の女性がいた。お茶のみ友達もなく、行事にも参加しない。根気よく訪問するうちに少しずつ会話するようになった。「私、津波で流されていく人を2人見たんだ」。ある時ぽつりと打ち明けられ、心の傷の深さを初めて知った。

 心配されるのは、仮設住民の気力低下だ。宮城県が入居者に行った調査(2012~14年度)では、不眠に悩む人や相談相手のない人の割合は増加傾向にあり、50~60歳代男性の約2割が多量の飲酒をしていた。

 精神科医らで作る一般社団法人「震災こころのケア・ネットワークみやぎ」は毎月、石巻市で単身の中高年を集めたサロンを開く。参加する男性(76)は震災後に妻を亡くし、酒量が増えた。胃を壊して入院後、訪れるようになった。「みんなと過ごすとストレス発散になる」と笑う。

 代表理事で精神科医の原敬造さんは「サロンは居場所。ここに来る意欲が節酒や断酒につながる」と話している。
 

(2015年3月18日 読売新聞)


福岡県福智町「土壁」提案事務所に決定 福智町の図書館 「一級建築士事務所大西麻貴+百田有希/o+h」

2015-04-05 08:23:33 | 報道

福岡県福智町「土壁」提案事務所に決定 福智町の図書館設計業者

福智町は23日、全国公募していた町立図書館・歴史資料館の設計業者が、東京都の「一級建築士事務所大西麻貴+百田有希/o+h」に決まったと発表した。地元の伝統工芸、上野焼にちなんで図書館の外壁に土を塗るなどとした斬新なアイデアが評価された。

選定された事務所は、基本コンセプトを「智と地をつなぐところ」と定め、施設愛称を「ふくちのち」とすることを提案。土壁づくりは住民が施工業者と一緒に作業し、建築段階から関わることで館への愛着を高める狙いという。子ども専用スペースの近くに親が相談し合える空間を設けるなど、子育て世代に優しい設計も評価された。

福岡市などの設計業者5社による公開審査を経て、建築家や住民でつくる審査委員会が選んだ。

事務所は町と3月中に契約を結び、4月から設計を始める。今回の提案を基本とし、開催予定の住民ワークショップで出た意見も反映させる。開館は2016年度中になる見通しだ。


埼玉県三芳町 学校の屋根貸し出し 太陽光発電事業者と協定

2015-04-05 08:20:34 | 自然エネルギー

  埼玉県三芳町 学校の屋根貸し出し 太陽光発電事業者と協定

 埼玉県三芳町は、東上ガス(志木市)など太陽光発電事業者2社と、太陽光発電用に三芳小学校、藤久保中学校など7施設の屋根を貸し出すことで合意し、協定書を交換した。

 貸し出すのは、町内6小中学校と竹間沢地域拠点施設で、貸し出す屋根は延べ約3千平方メートル。発電量は年間約19万キロワット時で一般家庭50~60世帯分の年間の電力使用量に相当するという。

 協定期間は20年間で、3月末から順次発電を開始。町は2社から使用料と固定資産税を合わせ、20年間で約1千万円の収入を見込んでいる。

 町によると、協定では災害などで町が契約している東京電力の電気が遮断されて停電になった場合、太陽光発電の電気は各施設で使えるようになる。各施設は、災害時の拠点施設として町の避難所にも指定されており、万一の際に電力確保の役割を担うことができる。


中国人花見客が“爆宿”の影響でビジネスホテルが1泊3万円

2015-04-03 13:58:57 | 経済

上野公園に行ってみたけど中国人だらけだった 東京は中国領土になったんじゃないか

中国人花見客が“爆宿” 特需のビジネスホテル「1泊3万円」も…会社員とばっちり

 各地でサクラが見ごろを迎える中、海外、とりわけ中国からの花見目的の観光客が急増し、首都圏を中心にホテルなどの宿泊先が不足している。中国人客は2月の「春節(旧正月)」の際に大挙して訪日し、高額・大量消費する「爆買い」が話題となったが、今回の花見シーズンも昨年同期比で2倍以上が入国するとみられる。

  「今年は花見客の半分以上が中国などの外国人だ」

  こう話すのは上野観光連盟(東京都台東区)の担当者。上野公園には毎年200万人以上の花見客が訪れるが、昨年は4割程度だった外国人比率は5割以上になったとみられ、公園内の人混みの中では中国語が飛び交う。

  中国人を中心とする観光客の大量流入で、首都圏では4月上旬のホテル不足が深刻化している。上野地区では「ビジネスホテルを中心に周辺の宿泊施設の稼働率は軒並み90%以上。飛び込みの予約はまず取れない」(同連盟)という。

  藤田観光が展開するビジネスホテル「ワシントンホテル」では、首都圏にあるホテルの稼働率が90%後半で推移しており、「花見需要も重なり、最近はほぼ満室状態」という。

  共立メンテナンスが展開する「ドーミーイン」も、首都圏の5ホテルで昨年同期比で訪日客数が4%増え、連日ほぼ満室となっている。こうした動きは高級ホテルにも波及しており、プリンスホテルも「7日ごろまで、かなりの高稼働率が続く」としている。

  観光庁によると、東京や神奈川、大阪、京都の2014年の客室稼働率はビジネスホテル、シティーホテルともに80~90%で推移し、客室不足が顕在化している。もともと4月は就職・進学による宿泊需要も高く、そこに中国人観光客らの需要が重なった。

  需給が逼迫(ひっぱく)する中、ホテル業界は強気だ。ある会社は都心のビジネスホテルに閑散期の3倍以上となる「1泊3万円」の価格を設定したが、それでも訪日客からの予約が入るという。デフレ脱却の動きもあって客室単価は全体的に上昇しており、従来の主要顧客であるビジネスマンが割りを食う構図だ。

  1月の中国人に対するビザ(査証)発給要件の緩和も手伝って、上海の日本総領事館の3月のビザ発給件数は、前年同月の約2倍で、単月として過去最高の14万6000件に上った。

  「中国人の日本に対するイメージは『サクラ、ラーメン、温泉』が占めている」(旅行業界関係者)。円安傾向やクルーズ船寄港の増加も続いており、中国人観光客の訪日熱は当面続きそうだ。


ベネチア・ビエンナーレに自閉症男性、滋賀の澤田真一さん陶芸を出展

2015-04-01 10:20:33 | 芸術

ベネチア・ビエンナーレに自閉症男性、滋賀の澤田真一さん陶芸を出展 

イタリア・ベネチアで6月開幕する世界最大の国際美術展「第55回ベネチア・ビエンナーレ」に、滋賀県草津市在住の澤田真一さん(31)が陶芸作品を出品する。100年以上の歴史を誇り、世界的に注目される展覧会で、出展作家に選ばれただけでも一流のアーティストと評価された証しだ。澤田さんは自閉症と知的障害を抱え、ほとんど言葉を話さない。家族は「障害に関係なく、真ちゃんが評価されたことがうれしい」と喜ぶ。

動物や仮面、トーテムポールのような形をした作品は全て、細かいトゲのような突起に覆われているのが特徴。フランス語で「生(き)のままの芸術」を意味する「アール・ブリュット」に分類される。既存の文化や美術教育に影響されていない芸術のことで、評価や利益を求めず、内面をただ表現しているのが特徴とされる。

同県栗東市の山間の窯に隣接した小屋で1人、無言で作陶に打ち込む。粘土を成形する、少女のように細い指先は一切迷いがない。テンポ良く、素早く、小さなトゲを整然と並べる。制作時間は、大きさによって1〜2日。午前10時〜午後4時の作業時間ぴったりで仕上げる。出来上がると小さくほほ笑む。次の瞬間には帰宅の準備を始め、二度と関心を示さない。窯焼きは、陶芸を指導する池谷正晴さん(80)の作業だ。

澤田さんが陶芸に出会ったのは2001年。通所する栗東市の「栗東なかよし作業所」の運営団体が、窯と作業小屋を建てたことがきっかけ。制作を始めると、力強く独創的な作品が関係者の目に留まり、08年にはスイスでの展覧会で高い評価を得た。10年にパリで開かれた「アール・ブリュット・ジャポネ展」にも出展。今回のベネチア・ビエンナーレでは、「国際企画展」部門の総合ディレクターに認められ、37カ国150人以上のアーティストの一人として参加が決まった。

澤田さんの作品について、日本自閉症協会の石井哲夫顧問は「障害という特性がもたらした芸術ととらえるべきだ」とし、父正己さん(64)は「正直、私には何を訴えているかは分からない。ただ、だからこそ見た人がひかれるのかもしれない」と話す。

池谷さんは「一流の職人の『仕事』のようだ。頭の中にある独自の法則に従って制作している。その法則は西洋の建築様式に似ていて、緻密で複雑。だから海外で評価されたのでは」と語る。