再生可能エネルギー特別措置法 成立

2011-09-05 11:08:47 | 政治
地震多発地帯の日本で原発は無理だ。今回の震災で動かないとおもわてていた断層が動いた。
日本で原発をやりたいなら東京の都心に地下原発を造れ。

 太陽光発電や風力発電といった自然に由来する再生可能エネルギーの拡大に向けて、追い風が強さを増し始めている。
 福島第1原発事故に伴う「脱原発依存」の高まりを受けて先月下旬、「再生可能エネルギー特別措置法」が成立した。
 目指す方向を明確にした意義は大きく、導入の弾みになるに違いない。ただ、再生可能エネルギー普及に向けた方針の「枠組み」を示したにすぎない。推進を阻害しかねない規定が盛り込まれ、成果を担保する詳細な設計も未完の状況にある。地域活性化の有力な手段でもあり、将来の電力の主力に育てることを第一に、使い勝手のいい制度に仕上げてほしい。
 再生エネ法は太陽光や風力、小規模水力、地熱、バイオマスなどによって生み出される電力の全量固定買い取りを、電力会社に義務付けるルールを定めた。一定期間、一定価格での引き取りを保証し、事業者らの参入を促すのが狙いで、費用は「賦課金」として電力料金に上乗せされる仕組みだ。
 施行は来年7月。東日本大震災の被災地は2013年3月まで価格の上乗せを見送る。
 買い取り価格の設定が正否を左右する。高ければ企業や家庭の負担が重くなり、抑えれば新規事業者は参入に二の足を踏み、普及は進まない。
 第三者委員会がエネルギー源や規模に応じて価格や期間の妥当性を吟味する。利用者の理解を前提に、初めは幾分高めに設定し、採算性の向上を見極めつつ引き下げていくなど、法の趣旨を生かす丁寧な組み立てが求められる。
 経済、雇用に大きな影響が出ている被災地限定で、割増価格を採用。進出を誘導して復興につなげるといった方策も検討してみてはどうだろう。この場合、利用者への転嫁を最小限に抑える工夫も要る。
 安定供給に支障が出た場合、全量買い取りを免除する規定を設けた。だが、電力会社は例外と心得て、送電基盤の強化などの対応を急ぐべきだ。
 国が次世代送電網(スマートグリッド)の整備や蓄電システムの開発促進など、企業の支援強化に努めるのは当然だ。新エネルギー産業に技術革新を促し、経済成長けん引の一翼を担ってもらうには、参入意欲を刺激する環境整備が重要になる。
 地熱の適地は開発の制限される国立公園内に広がり、耕作放棄地の活用には農地法の制約がある。洋上風力発電は多くの場合、漁業との調整を伴う。規制と折り合う知恵が問われる。風力発電施設建設に対する補助金の復活、拡充も望まれよう。
 温室効果ガスの削減という環境対策に加えて、エネルギー自給率の向上や経済、雇用面での貢献を期待し、米国、ドイツ、中国をはじめ各国が太陽光や風力発電の設備増強を競っている。勢いを増す潮流に乗り遅れたままでいいはずはない。
 法律や制度は、理念に基づく魂の入った運用があってこそ、目的が達成される。政策の総動員で条件を整え、再生可能エネルギーを大きく伸ばそう。



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