今川憲英東京電機大学教授らの研究グループは、酸化硅砂を主成分とした新しい構造素材を開発し、公開実験を21日に都内の同大神田キャンパスで行った。コンクリートと同程度の圧縮・曲げ強度を短時間で出せるのが特徴で、酸化硅砂に二酸化炭素(CO2)を注入した上で、ウレタン薬液にひたしたところ、5時間半程度でコンクリートと同等の強度が出ることを実証した。
今川教授らはこの構造素材を使ったドーム状の建築物を今秋に都内で行われる世界建築会議(UIA2011東京大会)の会場に展示する計画だ。
構造素材は「(仮称)CO2エコストラクチャー」という名称で、酸化硅砂にCO2を注入すると炭化硅砂となって固化する原理を応用したもの。実験では、直径5センチ、高さ10センチの酸化硅砂にCO2を注入。さらに引っ張りや圧縮などに対する強度を高めるためにウレタン薬液に20秒ひたしたところ、圧縮強度約27ニュートン(N)、曲げ強度約16Nという一般コンクリートでは4週間ほど必要な強度を5時間半で出せることを確認している。
今川教授は、構造素材に関し、「コストは一般コンクリートの約3倍」と見積もっているものの、生コン工場のような大がかりな製造設備が不要なほか、固化する際の化学反応の結果として、CO2を取り込む一方で、酸素を排出するため、「建設に伴うCO2の排出削減に大きな効果がある」とみている。
酸化硅砂は入手に地域的な制約が少なく、実用化できれば、外部での部材製作が必要な仮設住宅などを災害の被災地で迅速に設置することが可能。低層住宅や医療分野などでの利用も見込めるという。今川教授らは、実用化に向けて耐火などの各種試験をさらに進める計画。薬液の浸透時間なども見極めていく。建築基準法などの関係法令の基準を満たすための課題を洗い出し、解決策も講じる方針だ。今のところ試験にはLIXILグループが協力している。
今川教授らはこの構造素材を使ったドーム状の建築物を今秋に都内で行われる世界建築会議(UIA2011東京大会)の会場に展示する計画だ。
構造素材は「(仮称)CO2エコストラクチャー」という名称で、酸化硅砂にCO2を注入すると炭化硅砂となって固化する原理を応用したもの。実験では、直径5センチ、高さ10センチの酸化硅砂にCO2を注入。さらに引っ張りや圧縮などに対する強度を高めるためにウレタン薬液に20秒ひたしたところ、圧縮強度約27ニュートン(N)、曲げ強度約16Nという一般コンクリートでは4週間ほど必要な強度を5時間半で出せることを確認している。
今川教授は、構造素材に関し、「コストは一般コンクリートの約3倍」と見積もっているものの、生コン工場のような大がかりな製造設備が不要なほか、固化する際の化学反応の結果として、CO2を取り込む一方で、酸素を排出するため、「建設に伴うCO2の排出削減に大きな効果がある」とみている。
酸化硅砂は入手に地域的な制約が少なく、実用化できれば、外部での部材製作が必要な仮設住宅などを災害の被災地で迅速に設置することが可能。低層住宅や医療分野などでの利用も見込めるという。今川教授らは、実用化に向けて耐火などの各種試験をさらに進める計画。薬液の浸透時間なども見極めていく。建築基準法などの関係法令の基準を満たすための課題を洗い出し、解決策も講じる方針だ。今のところ試験にはLIXILグループが協力している。
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