くまさんは頭を抱えていました

キツネ君がやってきて
「おいおい、どうしたんだい?」
と、聞きました。
聞くと親友のアナグマちゃんが
一緒に森のはずれの野いちごを取りに行こうと言ったのだそうです
くまさんは楽しみで楽しみで仕方なかったようです
でも
約束の日が近づくにつれて
くまさんは悩むようになりました
「アナグマちゃんは僕と一緒に行って本当に嬉しいのかな?気を使っているのかな?僕と一緒で本当にいいのかなぁ?」
そんなことを考えているうちに
くまさんは眠れなくなってしまい
浮かない顔をしていたのでありました
キツネくんは
笑って
「大きい身体をして、そんなことで悩んで眠れなかったのかい?」
くまさんはうなずきました
キツネくんはくまさんの顔をのぞき込んで言いました
「楽しく行って、野いちごたくさん摘んでお腹いっぱい食べてくればいいのさ。何にも考えないことだよ。きっと楽しくなるなあって、それを想像してたらいいんだよ。それだけさ」
くまさんはキツネくんの顔を見ました。
「大丈夫なのかなあ」
「人の心を一生懸命推し量っているよりも、自分の心をみてごらんよ。楽しみたいって言ってるんじゃないの?」
くまさんは自分の胸にそっと手を押し当てました
ドキンドキンと音がしていました
きっとアナグマちゃんは楽しみにしてくれてる
きっとアナグマちゃんは楽しみにしてくれてる
そうつぶやくと
キツネくんの顔を見てちょっと笑いました。
「安心して眠ればいいよ。きっと明日はいい天気さ」
約束の朝
くまさんが起きると
戸口の切り株の上に
小さなかごと大きなかごを2つ持ったアナグマちゃんが座っていました。
くまさんは嬉しくなって用意をして戸口に出ました
アナグマちゃんは言いました
「指折り数えてたのよ。一緒に行ける日をね。今日は野いちごたくさん食べて、かごに摘んだら、帰ったら私のおウチで一緒にジャムも作りましょ。」
くまさんは大きくうなずきました。
そして言葉はうまく出なかったけど
満面の笑顔になりました。
きっと野いちご美味しいよ。♥️🍀♥️
