轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

日産 GT-R 後編

2007-11-23 23:10:33 | NISSAN
助手 「で、どうなんですか。」

所長 「何がじゃ。お前の話はいつもよぉわからんわ。」

助手 「何がって、この前GT-Rの話をしたとき、所長が性能や価格の話をしたがってたんじゃないんですか。」

所長 「おーっ、そう言えばそんなこと言うとったな。」

助手 「もー、頼みますよ。」

所長 「すまん、すまん。で、どんな話じゃったかのぉ。・・・おっそうじゃ、価格が高いっていう話じゃったな。」

助手 「いや、そんなこと誰も言ってませんよ。」

所長 「じゃあ、言え。」

助手 「なんなんですか、それ。ヒトの台詞を勝手に決めないで下さいよ。」

所長 「お前ならそう思っとるはずじゃ。何しろR34までのスカイラインは400万台じゃったのに、いきなり800万円近い価格になったんじゃからな。」

助手 「はい、はい。わかりましたよ。で、所長はどう思うんですか。」

所長 「そんなモン、これまでのスカイラインとは違うクルマなんじゃから別にどおってことないじゃろ。クラスが違うだけの話じゃ。何しろスーパーカーじゃからな。」

助手 「でもこれだけ高いとさすがに買えないんじゃないですか。」

所長 「正直言って日産がこのクルマを積極的に売ろうとしとるとは思えないんじゃ。むしろ買いにくくしとるように思えるんじゃ。」

助手 「どういうことですか。売らないんだったら出すことないじゃないですか。」

所長 「売らないとは言っとらんじゃろ。買いにくくしとると言っとるんじゃ。つまりこれまでのGT-Rのように好きなモンが他を犠牲にして買うっていうクルマじゃないんじゃ。」

助手 「ということは金持ちしか買えないクルマにしたということですか。」

所長 「ま、簡単に言えばそうじゃ。その証拠に買えたとしても維持するのが大変という話を先に持ってきとるじゃろ。」

助手 「らしいですね。タイヤだけでも専用のものを1万キロごとに1回変えないといけないそうですね。それが確か50万ぐらい掛かるとか。」

所長 「保険代も年間50万近いそうじゃしな。あと修理も専用のとこでしか出来んらしいし、改造すれば保証が効かなくなるという徹底ぶりじゃ。」

助手 「確かに無理して買っても、とても維持出来そうにないですよね。」

所長 「そうやってお客を減らしとるんじゃ。」

助手 「どうして減らさないといけないんですか。」

所長 「そりゃ、スーパーカーがそこらじゅうに走っとったら、スーパーカーじゃなくなるじゃろうが。」

助手 「そ、そんな単純な理由なんですか。」

所長 「つまり日産という大衆車メーカーが特別なクルマをつくろうとすると、それなりの価値観をつくらんといかんのじゃ。それが普通のヒトでは手が出ん価格だったり、希少価値だったりする訳じゃ。」

助手 「それはあるかもしれませんね。でもそれで商売になるんですかね。」

所長 「金を持っとる連中も今の時代いっぱいおるし、海外まで手を広げたら居すぎるぐらいじゃろ。それにこのクルマをたくさん売って利益を得ようとは、端っから思っとらんじゃろ。それよりもこういうクルマを出すことによって得られるメーカー・イメージの向上の方が大事なんじゃろ。」

助手 「そういうことですか。」

所長 「もちろんただ単に価格を高くするんじゃなくって、価格以上の性能がなければダメなんじゃけどな。そういう意味でもGT-Rは今の日産の技術を惜しげもなく投入しとるじゃろう。」

助手 「それは言えてますよね。でもこないだランエボの話をしたとき、所長は機械任せにするのはダメだって言ってませんでしたか。」

所長 「全然違うジャンルのクルマじゃろが。ランエボやインプレッサはあくまでも自分で所有して山道なんかを飛ばして楽しむためのクルマじゃし、GT-Rは見て憧れるためのクルマなんじゃ。」

助手 「それはわかりやすい例えですね。」

所長 「じゃからGT-Rには、世界のスーパーカー達に負けない性能が絶対条件なんじゃ。でないと誰も憧れてくれんじゃろ。」

助手 「ですよね。確かにGT-Rの性能はポルシェターボに匹敵するそうですし、世界のどこに出しても恥ずかしくない内容ですからね。」

所長 「もっと言うと80年代後半のフェラーリのF40やポルシェ959なんかのモンスター達とほぼおんなじ性能なんじゃ。」

助手 「そうなんですか。」

所長 「当時の価格で5000万円クラスの世界最高峰のスーパーカーの性能が800万ぐらいで手に入るんじゃから20年間の技術の進歩は相当なモンじゃろ。足りないのはブランドバリューだけなんじゃ。」

助手 「そう考えると凄いですね。バブルの頃は1億とか2億とか言われてましたからね。それが快適装備や安全装備満載で買い物にも使えるんですから、まったく凄いクルマですよね。」

所長 「ま、日産としては買い物なんかに使って欲しくはないじゃろうけどな。」

助手 「そうですね、スーパーの駐車場に停まってたら本当にスーパーカーになってしまいますからね。」

所長 「下らんダジャレなんて聞きとぉないわ。ワシが言いたいのはそんじょそこいらに走っとったら、憧れる対象にはならんと言うとるんじゃ。」

助手 「わかってますよ。見掛けた日には、友達に自慢できるぐらいになって欲しいということですよね。なんか昔のスーパーカーブームの頃を思い出しますよね。小学生のときカウンタックを初めて見たときは、それはもう大変でしたよ。次の日学校で友達に言いまくりましたからね。」

所長 「そういう子供が出てきてくれたら、GT-Rも大成功なんじゃろうけどな。」

助手 「うーん、難しそうですね。」


参考資料
日産 GT-R(日産自動車株式会社)
日産 GT-R 前編(轟クルマ文化研究所)
ポルシェ 911ターボ(ポルシェ ジャパン株式会社)
フェラーリ F40(『GAZOO.com』トヨタ自動車株式会社)
ポルシェ 959(『GAZOO.com』トヨタ自動車株式会社)

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