轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

スバル R1

2005-01-05 18:47:00 | SUBARU
助手 「所長、新しい研究員からレポートが届きました。」

所長 「そうか。」

助手 「そうか、って嬉しくないんですか。」

所長 「別に嬉しくなんかないわ。ヒトに褒めて欲しいからやってる訳じゃないんじゃ。」

助手 「そんなことを言ってると誰にも相手されなくなりますよ。」

所長 「で、なんと言っておるんじゃ。」

助手 「あ、やっぱり気になるんですね。」

所長 「うるさいわ。もったいぶらんと早く言え。」

助手 「はい、はい。えーと、ミラジーノが気に入ったそうです。実は先代のミラジーノを購入対象に考えていて、迷った末にプレオにしたそうです。奥様が乗られるクルマだそうですけど。」

所長 「・・・ミラジーノがいいって言ってるのか。全然ワシの話しを聞いていないようじゃな。」

助手 「いや、所長の話しを聞いてミラジーノに興味を持ったそうですよ。」

所長 「だから、ワシの話しを全然わかってない、と言っとるんじゃ。ちゃんと聞いておったらミラジーノがいいと思うはずがないじゃろ。」

助手 「でも、所長はああいうクルマもあり、だって言ってたじゃないですか。」

所長 「それは売る側から見ての話しじゃ。買う側が、ああいうクルマをいいというから、メーカーも図に乗ってしまうんじゃ。お前も買わなきゃつくらんようになると言っておったじゃろ。」

助手 「それはそうですが。でも、そういうニーズがあるってことが分かりましたから。」

所長 「ダメじゃ、ダメじゃ。そんなことだから日本はいつまでたってもクルマ文化が育たないんじゃ。」

助手 「所長、この間はそれも含めて日本の文化だと言ってたじゃないですか。全然言ってることが違いますよ。」

所長 「うるさいわ。とにかくあれはダメじゃ。あれを買うぐらいならスバルのR1を買え、と言っとけ。」

助手 「スバルのR1ですか、でもあれって狭いですよね。後ろのシートなんか座れたもんじゃないですよ。」

所長 「それでいいんじゃ。だいたい軽自動車の後ろの席ってどれだけ座ることがあるんじゃ。ちゃんと座れる席が欲しいんじゃったら、軽自動車なんか買わなくっていいんじゃ。他にいくらでもあるじゃろ。」

助手 「まあ、確かにそうですね。」

所長 「ミニバンだってそうじゃ。3列も使わんくせに、やれ3列目が狭いとか、乗り降りがしにくいとか、そんなことばっかり気にしおって、肝心なことを見てないんじゃ。」

助手 「確かにそういうところはありますね。ところで肝心なことってなんですか。やっぱり走行性能ですか。」

所長 「馬鹿モン!だからお前は雑誌の受け売りばかりじゃと言っとるんじゃ。いいか肝心なことはじゃな、自分に何が必要かということじゃ。3列シートも使わんかったら重くて燃費を悪くするだけじゃし、走行性能にしても普通に街中を走るだけならスポーツカーのような足回りなんて乗り心地が悪いだけじゃ、高出力のエンジンもお巡りさんを儲けさすだけじゃ。」

助手 「・・・はい。」

所長 「だから使いこなせもせん高性能じゃったら、きっちり使えるもんだけのシンプルなもんの方が100倍いいといってるんじゃ。」

助手 「・・・はい。」

所長 「そういうことを考えながらスバルのR1に乗ってみろ、軽自動車だったらあれで十分じゃと思えるじゃろ。」

助手 「まあ、確かに平均乗車人数は2人以下ですから、後部座席ってなくてもいいですよね。」

所長 「それも違うんじゃ。なかったらないで困るときがあるんじゃ。狭かってもあるということが重要なんじゃ。そこがスマートやツインとの差じゃ。考えてみろ、あれだけ広いダイハツのタントでもスバルのR1でも乗車定員は同じ4人なんじゃ。一家に一台ならきちんと乗れる広さのクルマが必要なんじゃが、セカンドカーや独り身ならR1で十分じゃろ。」

助手 「そうですね。考えてみると今のクルマってみんな余裕を持ち過ぎって言うか、買うヒトが少しでもたくさんのヒトやモノが乗せられないといけないような強迫観念に囚われているような気がしますよね。」

所長 「そういうことじゃ。特に軽自動車なんてどんどん大きく広くなっておるじゃろ、本末転倒もいいとこじゃ。」

助手 「でも限られた寸法で最大のスペースを得るってコンパクトカーの基本ですよね。」

所長 「そうなんじゃが、限られた寸法ってなんじゃ。単に軽自動車の優遇を受けられるための規格に過ぎんじゃろ。ボディサイズはじゃな、作り手側の考えと買う側のニーズによって決められるべきなんじゃ。規格いっぱいにしようとするから、どいつもこいつもおんなじサイズのクルマばっかりになるんじゃ。ワシの考える軽自動車の基本はそうじゃないんじゃ。」

助手 「え、どういうことですか。」

所長 「軽自動車の本質は小さいことじゃろ。じゃからモデルチェンジの際に同じサイズで室内を広くするんじゃなくって、同じ広さでサイズを小さくするのが正常進化じゃと思うんじゃ。」

助手 「それは確かにそうですけど、でもライバル車から見劣りしませんか。」

所長 「そこなんじゃ。メーカーもお客も間違った方向を向いてるんじゃ。これでは昔のパワー競争とおんなじことをしているだけなんじゃ。」

助手 「昔っていうと、アルトワークスとミラターボの頃ですか。」

所長 「そうじゃ、64PSの規制が設けられて、ライバル車に対して優位が保てなくなったら、今度は室内スペースで差別化じゃ。そんな数値じゃなくってクルマの魅力で勝負しろって言ってやりたいわ。」

助手 「確かにそうですね。」

所長 「もちろん、規格のサイズの中でスペースを広げとるエンジニアの努力は賞賛すべきことなんじゃが。」

助手 「はい。」

所長 「98年に新軽規格になったときも、安全確保のためのサイズアップじゃったはずじゃが、実際にはサイズアップのほとんどが室内空間に使われておったじゃろ。」

助手 「・・・。」

所長 「その気になれば、従来のサイズで安全基準をクリアすることも出来たはずじゃわい。それこそが軽自動車の正しい進化じゃと思うんじゃが。」

助手 「そうですね。」

所長 「そこでスバルのR1が規格サイズより小さいクルマとして登場したわけじゃ。」

助手 「そうだったんですか。じゃあ、期待出来ますね。」

所長 「じゃが、現在の価値観の中じゃ、クルマ好きの玩具か、お洒落アイテムにしかならんじゃろ。」

助手 「そうなんですか。残念ですね。」

所長 「じゃが、今の軽自動車の考え方に対する布石にはなるじゃろうから、売れれば他社も出してくるじゃろ。そうなったら面白くなるんじゃが。」

助手 「それは楽しみですね。」

所長 「まあ、何にしろR1が売れんことには、どうにもならんということじゃ。」

助手 「そうですね。」

所長 「じゃから********さんもミラジーノとか言ってないで、スバルのR1を検討するように。」

助手 「所長、どうして名前を知ってるんですか。ははー、さては読んでたんですね。」

所長 「う、うるさいわ。」

助手 「本当は嬉しかったくせに。」

所長 「・・・。」


参考資料
スバル R1(富士重工業株式会社)
ダイハツ・ミラジーノ(轟クルマ文化研究所)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所


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