轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

日産 ノート

2017-06-16 18:22:47 | NISSAN
助手 「日産のノートが凄いコトになってますね。」

所長 「ああ、e-POWERとか言ったかのぉ。」

助手 「昨年11月のマイナーチェンジで設定したところ、いきなりランキングの首位に躍り出て、その後も月1万台ペースで売れ続け、7か月で10万台突破だそうですよ。」

所長 「販売台数のトップはサニー以来、29年ぶりとかニュースで言っとったのぉ。」

助手 「しかも新型車じゃなくって、マイナーチェンジでトップ獲得ってあんまり記憶にないですね。e-POWER様々ってトコでしょうね。」

所長 「言えとるの。」

助手 「しかし上手いコトやりましたね。」

所長 「ん、何がじゃ。」

助手 「いや、だってシリーズ・ハイブリッドをあたかもEVの新種みたいに言ってるじゃないですか。」

所長 「ああ、確かにそうじゃな。」

助手 「多分、ノート・ハイブリッドとして販売しててもこれだけの成果は出なかったでしょうね。」

所長 「じゃろうな。」

助手 「だいたい、シリーズ・ハイブリッドってそんなにたいしたシステムじゃないでしょ。プリウスのスプリット式やフィットのパラレル式と比べても一番単純ですしね。」

所長 「かもしれんの。エンジンは発電のみで、走行はすべてモーターで賄うワケじゃし、複雑な制御なんかは必要ないじゃろうし。」

助手 「システム的には昔からあるモノですし、高速走行なんかの一定速度で走るような場合なんかはエンジンで走らせる方が効率もいいでしょうしね。」

所長 「そういう考えから走行状況によって効率のいいように使い分ける、スプリット式やパラレル式が採用されて来たんじゃろうな。」

助手 「ですよね。それをe-POWERって名前を付けた途端、バカ売れですからね。わからないモンですよね。」

所長 「ただ日産の言っとる『電気自動車のまったく新しいカタチ』と言う見方は面白いと思うんじゃ。これまでのEVの弱点をほぼすべて克服しとるしの。」

助手 「確かにエンジンを発電機として搭載すれば、航続距離の問題は解決しますよね。」

所長 「他にも電気を蓄えておく高価なバッテリーも少なくて済むから、価格も下げられるし、重量も軽くなるわな。おまけに外部から充電するワケじゃないから自宅に充電設備を整える必要もないしの。」

助手 「それはわかるんですけど、それってe-POWERじゃなくっても、ハイブリッドやガソリンエンジンなら当たり前のコトばかりですよね。」

所長 「そうじゃ。じゃがその当たり前のコトがEVでは高いハードルになっとったのも事実じゃろ。それを取っ払うのが、従来からあるシリーズ・ハイブリッドじゃったとはまさに目からウロコじゃ。」

助手 「なんかキツネにつままれたような気分ですね。でも結局、エンジンを積んでるワケですし、ノートはEVじゃなくってハイブリッドでしょ。」

所長 「そうじゃ。じゃが日産の上手いトコは乗り味をEVそのモノにしたトコじゃろうな。つまり発進からモーターならではの強力でスムーズな加速を味わえるようにしたトコとか、アクセルオフの減速を大きくしてワンペダルドライブを可能にしたりと、今までのエンジンやハイブリッドでは到底味わえんモンじゃろ。」

助手 「ワンペダルドライブは面白そうですよね。何でもブレーキを踏む回数が7割も減ったとか。それによって運転の疲労の軽減が大きいみたいですね。」

所長 「慣れは必要じゃろうけど、一旦慣れてしまえば、普通の2ペダルが煩わしく感じるんじゃろうな。」

助手 「e-POWER以外のクルマを運転したときに、怖い思いをしそうな気もしますけどね。」

所長 「将来的にはそういう問題も出てくるかもしれんの。ま、そんな風に新しい魅力をこしらえたコトが日産の功績じゃろうな。これが従来の価値観のままじゃったら、もっと小さいモーターにすれば、電気も少なくて済むし、エンジンももっと小さいのでよかったってなるじゃろ。」

助手 「ですよね。その方が燃費も良くなりそうですし、エンジンももっと黒子に徹するコトが出来ますよね。」

所長 「じゃろ。でもそれじゃったらEVっぽさも弱くなってしまうんじゃ。e-POWERの売りは燃費のいいエコカーじゃなくって、あくまでもEVの疑似体験じゃろうしな。」

助手 「疑似体験ですか。」

所長 「そうじゃ。EVの運転の面白さを現実的な価格のクルマで味わえるトコに尽きるじゃろ。ハイブリッドってどっちかって言うと燃費を良くするために、我慢を強いられるってトコがあるじゃろ。」

助手 「まぁ、ハイブリッドにもいろいろありますし、ハイパワー自慢のクルマもありますけど、一般的にはガソリンを出来るだけ使わないようにして、燃費を良くするコトに喜びを見い出すクルマってイメージがありますよね。」

所長 「ノートのe-POWERってもっと純粋に運転が楽しめそうな気がするじゃろ。それにはハイブリッドっていう従来の価値観を抱かせる名前は邪魔にしかならんからの。」

助手 「かもしれませんね。しかしホントに面白そうなクルマになりましたよね。ここんトコの日産って海外向けのクルマを並べて、国内市場を蔑ろにしてるって言われてましたからね。」

所長 「グローバル企業と言えば聞こえはいいんじゃが、日産の場合、それがあんまりいいように見ては貰えんかったからの。」

助手 「惜しいのはe-POWERの設定が新規車種じゃなくって、ノートってトコですかね。」

所長 「そうかぁ。これだけ売れてくれれば結果オーライじゃろ。」

助手 「それもそうですね。」

所長 「プロパイロットの設定したセレナもよぉ売れとるようじゃし、エクストレイルにも載ったそうじゃな。セレナにe-POWERを設定するって話もあるんじゃろ。日産が元気じゃと市場も活気が出ていいんじゃないかのぉ。」

助手 「ですね。日産の巻き返しに期待したいですね。ただ、今言った3車以外に売れそうなクルマが見当たらないのが気になりますけど。」


参考資料
日産ノート(日産自動車株式会社)
日産ノート(轟クルマ文化研究所)
日産セレナ(轟クルマ文化研究所)

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2 コメント

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デザイン (ミスター某)
2017-06-17 09:06:05
こんにちは。

ノートe-power絶好調ですね。
トヨタの一人勝ちを阻止する様は痛快ではありますが、個人的にはデザインがどうにも好きになれません。

唯一、リア回り、テールゲート~テールランプ回りの処理はコジャレた感じで割りと好きなんですが、フロント~サイドの野暮ったさはどうにも…

それでも、先程MCしたヴィッツよりはずいぶんマシですが。
ヴィッツの前後の異様さに食われたサイドの凡庸さは破綻しており、
ただただ違和感しか感じません。

まぁここんところのトヨタ車はみんなそんな感じですけど…
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Re:デザイン (宇垂)
2017-06-19 17:26:36
ミスター某さん

ノートe-POWER、ホントよく売れてますよね。
ひとり勝ち状態のトヨタの牙城を切り崩したのは、痛快の一言ですね。

ノートのデザインですが、ボクもごちゃごちゃしててあんまり好きではありません。
ヴィッツと比べると、・・・うーん、どっちもどっちってトコですかね。
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