轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

マツダ CX-60

2023-08-22 18:19:58 | MAZDA
助手 「あのぉ、ちょっと言いづらいんですけど、ここんトコ、クルマの雑誌やニュースから遠ざかってたんですよ。」

所長 「ほぉ、それで。」

助手 「クルマに興味がなくなったってワケじゃないんですけど、忙しくってなかなか見る時間が取れなかったのが原因なんですけどね。」

所長 「ふーん、昔はそんなに時間に余裕があったってコトか。」

助手 「いや、以前も暇だったってワケじゃないんですよ。新しいニュースや話題を仕入れるために何とかやりくりして時間をつくってたって感じですかね。」

所長 「それなら今でも出来るんじゃないか。要はお前の中でクルマの優先順位が昔に比べて下がったってコトなんじゃないのか。」

助手 「・・・そう言われてしまうと言い返せないですね。」

所長 「まぁ、ワシにしてもクルマ関連のニュースを見る機会は確実に減っとるしの。」

助手 「所長もですか。」

所長 「仕方がないじゃろうな。新しいのはなかなか出んし、やれ安全だの、環境だの、あと何年で内燃機関が廃止だの、クルマ好きが飛びつくようなニュースが見当たらんからの。」

助手 「そうなんですよ。そういうコトを言いたかったんですよ。」

所長 「それでも常にアンテナを張って新しい情報をを仕入れるのが助手としての務めなんじゃけどな。」

助手 「・・・・。」

所長 「で、何の話しなんじゃ。」

助手 「え、あ、そうなんですよ。クルマの情報から遠ざかっていたら、いつの間にかマツダからCX-60が発売されてたんですよ。」

所長 「いつの話をしとるんじゃ。マツダのCX-60が出たのって確か去年じゃなかったか。」

助手 「いやそうなんですけど、最近のマツダって発売前に発表やらなんやらいろいろあって、実際にいつから売ってるのかよくわからないんですよね。」

所長 「確かにそういうところはあるのぉ。」

助手 「調べてみたんですけど、2021年の10月にCX-60の導入を発表したあと、まず22年の3月に欧州向けモデルを公開、その後4月に日本仕様を発表、6月に予約が開始されて、ディーゼルモデルを9月から発売し、12月にその他のモデルを発売って流れだったみたいですね。」

所長 「昔みたいに発売前日まで素知らぬ顔でひた隠しにしとって、当日になっていきなりドーンと発表・発売を同時に行うみたいなのとは随分と違うの。」

助手 「それも極端な話ですけどね。今回のCX-60のように結局いつからディーラーに並んでたのか、よくわからないないケースもどうかと思いますけどね。」

所長 「それはお前が興味を持ってなかったからじゃろうが。」

助手 「じゃあ所長は知ってたんですか。」

所長 「うっ、ワシも毎日ディーラーの前を通っとるんじゃが、いつから置いてあるのかよぉわからんかったわ。正直どれがCX-60か見分けがつかんかったしの。」

助手 「そうなんですよね。マツダの統一デザインの欠点でもありますよね。他のメーカーなら見慣れないクルマが置いてあるとすぐに気が付くんですけど。」

所長 「前にも言うたと思うんじゃが、マツダはそれをよしとしとるんじゃ。マツダのクルマかどうかさえわかれば、個々のモデルの違いを強調する必要はないってコトなんじゃろ。」

助手 「いや、わかるんですよ。『ベンツに乗ってる』とか『アウディを買った』っていうのと一緒の感覚でいいってコトですよね。それはわかるんですけど、今度のCX-60に関してはもう少し変えた方がよかったんじゃないですかね。」

所長 「どうしてじゃ。」

助手 「どうしてって、これまでのモデルとは何もかも違いすぎるじゃないですか。『新開発のFRレイアウト、直6エンジン搭載』ってマツダにとっても一大事件じゃないですか。」

所長 「まぁ確かに大きな転機なのは間違いないの。」

助手 「なのにディーラーに置いてある従来のFFベースのクルマと違いがわからないって、どう考えてももったいないでしょ。」

所長 「それは言えとるの。実際、出る前の方が盛り上がってたような気がするの。」

助手 「でしょ。7~8年前から次期アテンザがFRになるんじゃないかって雑誌なんかを賑わしてましたよね。」

所長 「ビジョン・クーペの市販版が出るとか、当時はまたいつもの雑誌の勝手な妄想記事じゃと笑っとったんじゃがな。」

助手 「それが2019年9月の決算報告会でFRレイアウトで直6エンジンを搭載したラージ商品群の展開が発表されて、実際に出るんだってびっくりしましたよね。」

所長 「それから3年、ようやく日の目を見たと考えると、確かにもっと大々的にアピールしてもよかったのかもしれんの。」

助手 「でしょ。」

所長 「けど案外そんなモンなのかもしれんぞ。ほれっ現行のアルファロメオもジュリアでFRへの回帰を果たしたじゃろ。」

助手 「え、はい。」

所長 「フィアットの傘下に入って、アルファ75のあと、フィアットのFFのプラットフォームを供用した155出たとき、FFなんてアルファじゃないって散々言われとったじゃろ。次の156もこのデザインでFRじゃったら言うコトないとか。」

助手 「そうでしたね。」

所長 「それがジュリアで20年振りに待望のFRに回帰したというのに案外静かなモンじゃしな。」

助手 「出たときは話題になりましたけど、今ではBMWの3シリーズのイタリア版的な位置づけな感じですかね。」

所長 「マツダやアルファロメオのようにFFでスポーティーなクルマをつくっとるメーカーにとって、FRは魅力的なキーワードには違いないんじゃ。けど実際にFRのクルマってベンツやBMW、トヨタ、日産なんかはずっとつくっとるワケじゃし、FRというだけで絶対的なアドバンテージを得られるモンでもないんじゃろうな。」

助手 「結局ないモノねだりだったのかもしれませんね。実際に出てしまえば夢ではなくなってしまうのかも。」

所長 「ただそれらはあくまでFRというレイアウトに対する幻想みたいなモンの話で、実際にFRが理に適っとるレイアウトなのは間違いないじゃろ。」

助手 「ですね。」

所長 「何よりもFRのロードスターを長年つくり続けとるマツダがそれを一番わかっとるはずじゃし、その乗り味を求めてマツダのクルマを求めとるお客がいるんじゃったら、マツダがFRレイアウトを採用するのは正常進化なのかもしれん。」

助手 「・・・・。」

所長 「そういうお客にはFR回帰を何も大々的にアピールせんでもちゃんと伝わっとるんじゃないか。」

助手 「そういえば、最近CX-60を意識して見るようになったんですけど、これが案外よく見掛けるんですよ。うちの近所でも買われた方がおられるようですしね。」

所長 「結局、買いもせんワシやお前のようなモンがあーだこーだ好き勝手言うとるだけで、実際に買うモンはだまって動向を見とるってコトなんじゃろ。」

助手 「・・・・。」


参考資料
マツダ CX-60(マツダ株式会社)
マツダ CX-5(轟クルマ文化研究所)

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4 コメント

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Unknown (たかべえ)
2023-08-24 17:26:49
確かにマツダの車は事前情報が流れてくるものの、いつ発売になったかよくわかりませんね。MX-30 R-EVもヨーロッパ向けの量産が開始というリリースはあっても、それが実際に販売されているかはよくわかりません。レンジエクステンダーとしてのロータリーはどうなのかとか、興味がありますが、先行リリースばかりあって、実際の状態が追い付いていないという感じはぬぐえません。この方式は販売に結びついているのでしょうか。スズキみたいにいきなり隠し玉が飛び出したりする方がインパクトがあるような気がします
Unknown (宇垂)
2023-09-01 09:53:58
たかべえさん
>MX-30 R-EVもヨーロッパ向けの量産が開始というリリースはあっても、それが実際に販売されているかはよくわかりません。

ロータリー、ひそかに復活してたんですね。
勉強不足で知りませんでした。
マツダってやってるコトはマニアックでいいと思うんですが、それをいかに一般の人にわかり易く伝えるかが問題なのかなって気がします。
Unknown (High-rookie)
2023-12-01 21:52:26
FRレイアウトは確かに前後重量バランスとか操舵輪に余計なものがついてないとか、オンロードで早く走るには理想的なレイアウトかもしれません。
私も以前はマークIIに乗っていたのでFR直6が1番好きでした。
しかしFFミニバンに乗ると車内を広くレイアウトでき、安定性もあるFFの良さに気が付き、雪道を走るようになってからは4WDにするには前輪に動力の戻しが必要なFRベースよりFFベースの4WDの方が理にかなっていると思うようになりました。
トランスミッションもMTが至高だと思い、ATがまだマシでCVTなんて論外と思ってましたが、いつの間にかAT車、CVT車に乗り換えてました。
(家族がMT運転できないというのもありますが)
今はMTやFRこだわりが無く、目的を果たせる駆動方式とトランスミッションを選んでます。

つまりライフスタイルに合わせて自分の好みが変わっていることに気がついたのです。

そして、利便性や燃費性能、扱いやすさを得れば得るほど車に対する情熱や興味が、失われているように感じます。

古い車に乗った後、今の車に乗るとその快適性に満足し、これがいいやと思ってしまう。

つまり家電やスマホなどとおなじく、機能に重きを置いているとデザイン等はどうでも良くなる。

昔のように手にした時のワクワクしたものが無くなっている。

車の家電化は少し寂しいけれど、車は元々それ以上でもそれ以下でも無いものだったと思えばそうなのかもしれません。

なので最近はどの車に乗っても驚きやどうしても欲しい!というものが無いのも頷けます。

その中でマツダのデザインはワクワクするけど、出来ればアテンザを直6FRで出して欲しい。
CX-60はトレンドのSUVとはいえ、FRを謳うので街乗りなんちゃってSUV感は拭えない。それなら潔くアクセラやアテンザをそのようにした方が魅力的だと思いました。
Unknown (宇垂)
2023-12-07 16:11:05
High-rookieさん

商品として進化・充実すればするほど魅力的な部分がなくなってしまうのかもしれませんね。

>昔のように手にした時のワクワクしたものが無くなっている。

80年代や90年代のクルマが「ネオクラシック」や「ヤングタイマー」と言われ人気があるのも、そういうワクワクしたものを求めてのことなのかもしれませんね。

現代のクルマの中ではマツダはワクワクしたものを感じさせる貴重なメーカーのような気がします。

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