轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

日産 リーフ

2017-09-29 19:05:41 | NISSAN
助手 「新しいリーフが出ましたね。」

所長 「じゃな。」

助手 「新型は結構、カッコよくなりましたね。」

所長 「そうじゃな。これといって悪いトコは見当たらんの。じゃが、その分個性も薄れてしもた気がするんじゃが。」

助手 「言えてますね。決してカッコいいと思えなかった先代ですが、良くも悪くも目立ってましたし、リーフを見掛けるとEVっていうのを意識させられましたよね。」

所長 「言えとるの。日産としてはEVは特別な存在じゃなくって、もはや普通のクルマじゃと言いたいのかの。」

助手 「かもしれませんね。新型のリーフだったら、日産の他の車種と並べても違和感なく溶け込みそうですね。」

所長 「どうなんじゃろうな。ワシはEVならではのカタチにもっとこだわった方がいいと思うんじゃがな。」

助手 「EVならではのカタチって、どんなのですか。」

所長 「いや、よぉわからんが、少なくともエンジンを積んどらんのじゃから、エンジンを積んどるクルマみたいにする必要はないと思うんじゃがな。」

助手 「言われてみれば、これまでの既成概念に囚われすぎなのかもしれませんね。」

所長 「ま、結局このカタチが一番理にかなっとるのかもしれんがの。」

助手 「かもしれませんね。ところで新型のリーフ、結構良さそうじゃないですか。価格も現実味を帯びた感じになってきましたし。」

所長 「一番安いので315万じゃったかの。」

助手 「補助金が40万出るそうですし、それだったらプリウス辺りと比較してリーフを選ぶってヒトも増えそうな気がしますね。」

所長 「先代はなんか毎年のように値下げしとった気がするの。」

助手 「でしたね。当初376万円だったのが、335万円の安いグレードが出来て、それが306万、287万、274万とどんどん下がっていきましたからね。思ったように販売が伸びなかったり、補助金の額が下がったりといろいろ理由はありますけど、やっぱり量産効果で下げられるようになったってコトなんでしょうね。」

所長 「最初に買ったヒトは気の毒じゃけど、こういう新しく出たモンは、どんどん安くなって性能が上がるからの。」

助手 「言えてますね。今度のリーフは航続距離が400キロと不安なく乗れる距離になりましたしね。先代が出たときは200キロでしたし、倍になりましたからね。」

所長 「まぁ、航続距離に関してはバッテリーを40kwhまで容量を増やしたからじゃけどな。」

助手 「でも40kwhに増やしても従来の30kwhよりも値段を抑えてますから、言い換えれば従来の価格以下で40kwhが積めるようになったのは、やっぱりバッテリーの価格がこなれてきたお陰ですよね。」

所長 「ま、それはそうじゃな。」

助手 「もっとも400キロはJC08モードでの計算値で、アメリカでの表示はEPA基準で240キロらしいですね。実際の航続距離もその程度らしいですけど。」

所長 「じゃったら日本もそのEPA基準にした方がいいんじゃないか。燃費にしても景気のいい数字ばっかりで、実際には全然届かんしの。」

助手 「言えてますね。」

所長 「ま、240キロも走れるんじゃったら、使用に関してはまったく問題ないじゃろうけど。」

助手 「ですね。充電設備もリーフが出てから凄い勢いで増えましたしね。全国で2万8,500基もあるそうですよ。そのうち日産のゼロエミッション・サポート・プログラム2で使用できるのが5,530基あって、月2,000円で使い放題だそうですよ。」

所長 「うーん、自宅周辺で充電できるトコが確保できれば燃料代が月2,000円以上掛からんのか。ランニングコストに関してはガソリン車では太刀打ち出来んの。」

助手 「ですよね。ただ手放しで絶賛するワケにもいかないんですよ、これが。」

所長 「バッテリーの劣化の問題じゃな。」

助手 「ですね。日産でもバッテリーの劣化の問題を当然考えていて、8年間16万キロまでバッテリーの容量保証を延ばしてるんですけど、結構基準が厳しいようでなかなか新品に交換とはいかなかったりするみたいなんですよ。自費で交換すると24kwhで60万以上って話ですし、40kwhだったらいくら掛かるかわかったモンじゃないですからね。」

所長 「安い軽なら買えてしまいそうじゃな。」

助手 「ですよね。で、結局乗り替えてしまって、バッテリーの劣化したリーフが中古車市場に出回るコトになるんですよ。リーフの中古車価格が暴落したって話題になってましたよね。」

所長 「新車価格の1割とかって聞いた気がするのぉ。」

助手 「長く乗ってランニングコストの安さで元を取ろうと思っても、バッテリーを変えるコトを考えると結局高くつきそうですし、やっぱり手が出しにくいって言うのが正直な感想ですね。」

所長 「ま、日産としても今の状況は見過ごせんじゃろうし、バッテリーの性能の維持や交換の費用、ネックとなりそうなトコはどんどん潰してくるじゃろ。それもこれもEVの進化の過程じゃと思うしの。」

助手 「ですね。」

所長 「それもわかった上で、進化の過程にあるEVを楽しむのもアリじゃと思うんじゃがな。」

助手 「そうですかね。」

所長 「もちろん、ワシとかお前のような貧乏人にはちと荷が重いんじゃが、世の中には生活に余裕のあるモンもいっぱいおるじゃろ。」

助手 「はぁ。」

所長 「例えば外車に乗るつもりでリーフを買うんじゃったら、結構リーズナブルな買いモンじゃと思うんじゃ。さっき言ってたようにランニングコストは安くつくし、下取りが悪いのも趣味性の高い外車じゃったらよくある話じゃしな。」

助手 「わからなくはないですけど、趣味性が高い外車って思い入れで乗るモンでしょ。」

所長 「リーフにはそれだけの面白さがあるんじゃないか。内燃機関では味わうコトのできん乗りモンじゃしな。」

助手 「それはそうですけど。」

所長 「モーター特有の豪快な加速や、ワンペダルドライブなんかも奥が深そうじゃし、外車の味付けの違いやエンジンの音色なんかよりも、よっぽど違いが感じれて面白そうじゃけどな。」

助手 「それはそうかもしれませんね。」

所長 「それにいくら普通に使えるようになったと言っても、旅先で充電できるトコを探したり、充電するのに30分も待たんといかんかったりと、せこせこ動きまわる庶民に合っとるとは思えんのじゃ。こういうクルマは生活にゆとりのあるモンこそが相応しいと思うんじゃがな。」

助手 「確かに今のEVはある程度、金銭的、時間的余裕がないと乗りこなせないって言うのが実情かもしれませんね。」

所長 「ま、そういうモンがEVを育てて、もっとハードルが低くなったら、あるところでガッと市場が広がるモンなんじゃないかのぉ。ハイブリッドにしても、最初から売れたワケじゃないしの。」

助手 「そういうモノかもしれませんね。」

所長 「ところで今回のモデルチェンジで思ったんじゃが、マイナーチェンジじゃダメじゃったのかのぉ。」

助手 「えっ、どういうコトですか。」

所長 「いや、そのまんまじゃ。初代のボディのままでバッテリーやモーターを換えて、装備を充実させてもよかった気がするんじゃ。バッテリーの容積は変わっとらんそうじゃし、そのまま積めるんじゃないのかの。」

助手 「でもリーフって出て7年も経ってますし、タイミング的にはフルモデルチェンジでしょ。」

所長 「普通じゃったらな。普通のクルマじゃないんじゃし、合わせる必要もないじゃろ。だいたいそんなに多く出回っとるクルマじゃないし、見飽きたってコトもないしの。むしろようやくリーフが街中を走っとるのに馴染んできたってトコじゃろ。」

助手 「まぁ、言われてみれば、そうかもしれませんね。」

所長 「で、従来の24kwhと30kwhに40kwhが追加されて400キロ走れるっていうのでも、十分販売面んで期待できる気がするんじゃ。従来の24kwhももっと安くできるじゃろうし。」

助手 「でもフルモデルチェンジの方がもっと期待できるでしょ。日産も2倍から3倍は目論んでるそうですし。マイナーチェンジだったら、そうはいかないでしょ。」

所長 「そうかのぉ、フルモデルチェンジの目新しさで期待しとるんじゃないじゃろ。航続距離や価格のハードルが下がったから期待できるんじゃないのか。」

助手 「まぁ、それはそうですけど。でも先代のままだったら、同じカタチをした安い中古車が並んでますし、それを横目で見ながら高いお金を払わないといけないじゃないですか。」

所長 「ま、それが一番大きいんじゃろうな。言わば日産は初代を見限ったってコトなんじゃろうな。あれとは違うクルマって言いたいんじゃろ。」

助手 「乱暴に言えばそういうコトでしょうね。」

所長 「短期的には効果はあるんじゃろうけど、長い目で見たら決していいと思えないんじゃがな。」

助手 「どうしてですか。」

所長 「結局、初代のリーフで問題になっとるコトは何にも解決しとらんじゃろ。このままでは早かれ遅かれ2代目も安い中古車が並ぶコトになるんじゃないかのぉ。」

助手 「まぁ、その可能性は否定できませんけど。」

所長 「じゃったら初代のままで引っ張って、解決できた段階で2代目にバトンを渡した方がいいんじゃないかのぉ。」

助手 「ま、その方がいいのはわかりますけど。そう簡単に解決できますかね。」

所長 「今のところ、日本ではリーフの独占市場に近いんじゃが、他社から出てきたら、どっかが安価でバッテリーを交換できる仕組みをつくると思うんじゃ。そうなれば各社右へならえにならざるを得んじゃろ。日産がやるのが一番いいんじゃが。」

助手 「そうなると一気に普及が進むかもしれませんね。」

所長 「じゃろ。販売にしても落ちてきとるワケじゃないし、フルモデルチェンジはあと数年伸ばした方が得策じゃと思うんじゃ。デザインにしてももっと煮詰める時間ができるしの。」


参考資料
日産リーフ(日産自動車株式会社)
日産リーフ(轟クルマ文化研究所)

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なかなかスタイリッシュ (ミスター某)
2017-10-01 00:44:25
こんばんは。

個人的には、先代よりも好きなデザインですが、個性は若干薄まった感がありますね。
先代は一種異様なまでの個性を発揮しておりました(笑)

ただ、一目で日産車と分かるので、問題はないのかも知れませんが。
返信する
見てきました (元鏡屋)
2017-10-01 13:27:58
義理親のブルバードシルフィが半年点検だったので、ついでに見てきました。

セールスさん曰くウィンドウまわりが一部ら先代と同一そうです。

現車はなかなかかっこいいですが、このサイズ感とデザインならいっそのことeパワーでも搭載されていたほうが数が出そうだなと思った次第です。

100%電気自動車の意義は難しいですね。
返信する
Re:なかなかスタイリッシュ (宇垂)
2017-10-02 19:25:15
ミスター某さん

>個人的には、先代よりも好きなデザインですが、個性は若干薄まった感がありますね。
>先代は一種異様なまでの個性を発揮しておりました(笑)

先代は世界中のどのクルマにも似ていない個性がありましたね。

>ただ、一目で日産車と分かるので、問題はないのかも知れませんが。

確かに。
返信する
Re:見てきました (宇垂)
2017-10-02 19:26:05
元鏡屋さん

>セールスさん曰くウィンドウまわりが一部ら先代と同一そうです。

やっぱり。似てると思ってました。

>現車はなかなかかっこいいですが、このサイズ感とデザインならいっそのことeパワーでも搭載されていたほうが数が出そうだなと思った次第です。

>100%電気自動車の意義は難しいですね。

eパワーなら、ハードルがグッと低くなりますね。
100%電気自動車って言えるのがリーフの値打ちなんでしょうけど。
返信する
Unknown (llll)
2017-10-07 18:49:48
なんかテールランプがボルボっぽい様な。
私は先代は悪い外観だとは思わなかったんですが、ネットでは散々な言われようでしたね。
私は外観よりも航続距離、充電時間の問題が販売不振の理由だと思っていますけど。
返信する
Unknown (宇垂)
2017-10-10 18:33:48
llllさん

>なんかテールランプがボルボっぽい様な。

言われてみれば、L字型のテールとブラックアウトしたリアパネルが確かにボルボっぽいですね。

>私は先代は悪い外観だとは思わなかったんですが、ネットでは散々な言われようでしたね。
>私は外観よりも航続距離、充電時間の問題が販売不振の理由だと思っていますけど。

販売不振の理由は後続距離や充電時間の問題は大きいでしょうね。ただもっとカッコよければ、販売台数も多少影響したようにも思います。
返信する
Unknown (ねこ丸)
2017-10-14 00:31:46
欧州で作ってるマイクラと内外装ほとんど同じですよねこれ。。。
要は、欧州向けマイクラが日本向けにはEVを積んで
リーフで売るってだけですよね。

デザインは良いと思うけど、おっしゃる通り色々ゆとりがある人しか厳しいですね、現状。。。
返信する
Unknown (宇垂)
2017-10-16 18:13:42
ねこ丸さん

>欧州で作ってるマイクラと内外装ほとんど同じですよねこれ。。。
>要は、欧州向けマイクラが日本向けにはEVを積んで
>リーフで売るってだけですよね。

新型リーフと欧州向けマイクラ、
どちらも日産の最新のデザインをまとってるんで、よく似てますが、サイズがかなり違います。
(マイクラの方がずっとカッコいいですが)

マツダのアクセラとデミオみたいな感じですね。
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