午前11時過ぎ、住職どのが法事へ出かけたあと
一本の電話あり
「ご院家さん、もう、出られました?」
「はい、○○さんとこの四十九日に・・・」
「えーーーうちに11時に参ってもらうようにお願いしてありましたが・・・」
「えーーーー」
慌てて予定帳をみると
この電話のお宅の法事は明日の11時になっている・・・
いや、待てよ、と昨年の予定帳の最後のほうの平成19年のところを見てみると・・・
このおうちは本日10日の11時になっている
平静さを装って
「取りあえず、住職に連絡とって、折り返し電話します」
・・・・・・ということで
「ダブルブッキング」
昨年の予定帳から今年の予定帳に写しかえるとき住職どの書き間違えたらしい・・・
四十九日法要のおうちに断りをいれて
住職猛スピードで帰宅
「○○家はおまえが参ってくれ」だけ言って
そりゃ、参れるものなら即参りますが・・・
自慢じゃないが、得度してはいるものの
いまだかつて三部経など参ったことない私・・・
どう頑張ったって・・・・
そりゃ、○○家にも失礼というもの・・・
と、勝手に判断して(だって、相談しようもののご住職どの、すでに××家に向かってしまったもの・・・)
得度以来の黒衣をひっぱリ出して
住職の五條袈裟の長さを調節して
中啓・二連珠・セッタク
経本(お参りの人といっしょにあげるので10冊)
バタバタ準備して、
着くなり、
「すみませんーーーん」の言い訳
「三部経、まだあげたことないんで、
ゆっくり、阿弥陀経あげさせていただきます・・・」
など、普通では通用しないような意味不明な言い訳ばかりして、
阿弥陀経のみ一巻あげさせていただきました。
「この次のご縁までには、きちんと三巻あげられるように
練習しておきます・・・」
「坊守さん、声がいいねぇーー、
これからはご院家さんじゃないで、坊守さんに参ってください!て言われるんじゃないの?」なんて、逆に慰められ・・・。
アタタカイご家族だったので、私の精一杯の一巻で許していただきました。
恐縮して伺った割には・・・
その後のお茶のみの時間にはいろいろな話(もちろんご法義話も)に盛り上がり、
気がつけばお経の時間より長引いたかも・・・
いつの日かは・・・
準備万端華々しいデビューをと夢見ていたのに・・・
心の準備もないままの「法事初デビュー」の巻となりました。