何気無く大切な一日が、かけがえ無く今日も過ぎてゆく 高橋忠史・多系統萎縮症と生きる・唄い屋。

難病の多系統萎縮症に侵されても音楽を諦めない男のライヴ報告や日々の思い・命のメッセージ

509日目 勝坂・灯籠流し

2005年08月18日 07時28分02秒 | Weblog
8月16日

 今夜は、勝坂の灯篭流しの日だ。朝から、激しく雨が降っていた。川の水かさはそれほどでもないが、果たしてできるのだろうかと不安だったが、午後3時ごろから雨はやみ、うっすらお日様も見えたりしていた。

 灯篭流しは7時から、6時に小学校に集まるということだったので、濡れてもいい服装に変えて小学校に出かけた。みーちゃんが、鐘をたたきながらみんなが集まってくるのを待っていた。川原には初盆のあった親族が喪服を着て集まっていた。
 灯篭のそば、橋の入り口、出口、各家の前、道のところどころで松明がたかれている。暗くなってくるとこれが幻想的な世界をかもし出すのだ。

 7時15分ほど前、集まった僕を含めた若衆(果たして若衆と呼べる年齢なのか、でもここ勝坂では若衆なのだ)みんなで川原に降りる。初盆の衆から缶ビールをいただいて飲み干す。しばらくして、急に雨が降り出してきた。かなりの雨脚だ。7時前だったが急遽灯篭を流すことになった。畳一畳ほどの灯篭を川に引っ張り出す、縄のロープは3本、右前と左前の舵取り用、そして、後ろに一本はブレーキ用、見張りの人も含めて6人がかりで川の中に引き込み、灯油をかけて火をつける。あたりは暗くなってきた。僕は右の舵取り。川底の石はごろごろと大きく、コケがはえているのでつるつるすべる。足元を気にしながら、道沿いを歩くちょうちんを先頭にした喪服の衆に合わせて灯篭を流してゆく。雨が激しく、頭から落ちてくる雨水が目に入って痛い。それをTシャツのすそで拭きながら足元を気にしてゆっくり進む。やがて川幅が狭くなってきた。流れの勢いが増してくる。足をとられ始める、懸命にがんばったが、大きな石の上に足がのったとたん、コケのぬめりに滑ってしまった。そのまま、川の中に横倒しに倒れた。灯篭は流れてゆく、それにあわせながらこけながらも舵を取る。二度三度と川の中に倒れこむ、やっと立ち上がったとき、めがねが無くなったことに気がついたが、後の祭り。暗闇の中では探しようもない。そのまま、舵を取りながら、所定の位置まで灯篭を流し、川原に引き上げた。

 みんなで、川の水をかけ消火して灯篭流しは終わった。雨と川に倒れこんだことで全身がずぶぬれになっていた。

 小学校に戻り、雨の中、車から着替えを出して。外で素っ裸になって着替えをすませた。この後は、若連のお疲れ様焼肉会。小学校の屋根のある炊事場のところで火を起こして始まった。勝坂の衆が8人ほど集まっていたので、ここでまだ聞いてもらっていない「勝坂賛歌」を披露した。皆さん大喜びで拍手喝さいしてくれた。よかった。ここ勝坂に住み続けて、自分をこんなに誇らしげに思ったことはない。

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