ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

夢の階段(池波正太郎)

2012年09月26日 | 国内ミステリー

池波正太郎の短編集を読んでみた。

実は、生まれて初めて手に取った。

テレビ映画では、鬼平や剣客商売など、時代劇
好きなので、池波正太郎の名前は、よく知っていた。

しかし、テレビで見てしまったものを後から、小説を
読む気がしなくて、ここまで来てしまった。

今回読んだのは、時代劇だとばかり思い込んでいたが、
9作品のうち、7作品は、現代劇とでもいうのか、戦後の
日本を舞台にしていた。

どの作品も、いままで読んだことのないような不思議な
世界を描いていたので新鮮に感じた。

しかし、感動を覚えたり、目を見張るような作品ではない
のだ。すごいとか、がーんというのとはちょっと違う。

形容が難しいのだが、淡々としていて、でも、こだわっていて
弱い立場の人間への愛情も感じるのだが、べっとりではなく、
あっさりとでもいうのか、女性の怖さを描いていても、なるほど
なというくらいで終わってしまうのだ。

ひとつ、作品を選ぶとすれば、禿頭記が面白く感じた。
ストレスからか、円形脱毛症か、若はげに悩む青年の物語だ。

戦後間もないころでは、これらの病気になると、今とは比較に
ならないほど落ち込むのだろうなと感じた。

また、時代劇の夢の階段も、なかなか、面白く感じた。
どくどくの世界があるようだ。また、読んでみたくなった。

 

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