町田そのこのデビュー作である『カメルーンの青い魚』
を含む5編の連作短編集を読んだ。
「女による女のためのR-18文学賞」という聞きなれない
賞の大賞受賞作なのだが、その選考委員から絶賛された
のがうなづける。
素晴らしい才能に満ちあふれた作品群だった。
ひさしぶりに文句なしの素晴らしい短編集に出会えた
満足感に浸っている。
個々にどうこういう必要はないだろう。5編が、どう連作に
なっているかも面白いし、どんでん返しのような意外性が
ある作品もあるし、遠藤周作の『私の愛した..』を思い起こす
人間愛を感じる作品もある。
あえて一つを選ぶとすると『波間に浮かぶイエロー』の
どんでん返しと、奇妙な関係が不思議に気に入った。
間違いなく別の作品も読んでみたい作家である。
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