新田次郎に戻って、「芙蓉の人」を読んでみた。
個人が私費を投じて、富士山に気象観測所を建てたという
事実に、まず、驚いた。
そして、たった一人、気象観測所に一冬、こもって
一日12回(2時間おき)の観測をしようとしたのである。
寝不足で死んでしまうに決まっている。
その中で、妻、千代子が、一人では無理だと思い、あとを追って
富士山頂に登り、夫に変わりに昼間は気象観測をやった物語だ。
明治の女性の強さなのだろうか。周囲に反対されながらも、
信念を通した千代子に感動する。
また、富士山で冬を越す厳しさ、当時は、服や登山用具も
自分で工夫するしかなかった時代を感じることができた。
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