風野真知雄の「八丁堀育ち」全4巻読了した。
この時代劇は、ちょっと変わっている。
まず、主人公が14歳の男女なのだ。
幼馴染で、隣に住む同心の息子、夏之助と与力の3女、早苗の物語だ。
だからといって、少年少女用のミステリー小説かとばかにしては
いけない。大人も十分鑑賞に堪える出来である。
風野の作品には、おふざけすぎている部分があったりするが、
それも、ないとは言えないが、不思議とそれが、謎解きに
使われていて、なんとなく、納得してしまうから不思議だ。
例えば、厠にたびたび落ちてしまう男の話や、虫かごにアブラムシを
飼っている話、同じ場所でいつもころぶ男の話など、それだけ、
聞いていると、おふさざけが過ぎているのだが...
ストーリーとしては、二人の幼馴染が、ちょっとした面白い、不思議な話に
興味を持って、二人で謎を解くうちに、奉行所も手を焼く事件の謎の核心に
迫ってしまうという話だ。
淡々と描かれているせいか、さわやかに感じるから不思議だ。
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