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ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

疑惑(松本清張)

2021年06月20日 | 国内ミステリー
田村正和追悼のテレビ映画で、「疑惑」を見て、読んでみたくなった。テレビと、小説とでは、若干、設定やストーリーが違っていたが、どちらも楽しめた。 まず、雑誌記者が、テレビでは女性だが、小説では、男性記者になっている。 あとは、それほど変わらない。テレビは、沢口靖子の魅力が全開だったが、小説のイメージとしては、映画の桃井かおりに近いかもしれない。 小説の最後の結末は、ちょっと、衝撃的だ。 . . . 本文を読む

押絵の奇蹟(夢野久作)

2021年05月24日 | 国内ミステリー
読売新聞のお勧めの本紹介を最近、注意しているが、この本も、その中で、興味を持った本だ。 表題作の「押絵の奇蹟」は、江戸川乱歩をして、「グツと惹きつけられてしまった...私は読みながら度々ため息をついた。」と言わしめた。というから興味を持つのも当然だ。 「氷の涯」「押絵の奇蹟」「あやかしの鼓」の短編集なのだが、それぞれが、長さが違うのも不思議だが、どれも、怪しい夢野久作ワールドなのだ。 「あや . . . 本文を読む

警官の血(佐々木譲)

2021年03月09日 | 国内ミステリー
読売新聞の書評欄で薦められていた佐々木譲の「警官の血」を読んだ。 最近、新聞などの書評欄なども気を付けるようになった。 まだ、読んだことのない魅力のある作家が、いかにたくさんいることか。この作品も、中々、面白く読めた。親子三代にわたる警察官の物語だ。ミステリー史に刻む警察小説とも裏表紙に書かれている。 普通、親子三代とかの物語だと、結構、ドラマチックな展開が予想される。しかし、この物語は、ち . . . 本文を読む

無人島に生きる十六人(須川邦彦)

2020年07月18日 | 国内ミステリー
キンドルの無料本の中に、「無人島に生きる十六人」という本があり、読んでみた。 子供の時は、ロビンソンクルーソーとか、十五少年漂流記とかが、大好きだったが、明治31年に実際に漂流して、無人島に一年間、乗組員16人が暮らして、全員無事に日本に帰ってきた実話があったことに驚いた。しかも、その暮らしぶりときたら、まさに実務的というか、まさに、無駄のない、生き生きとした生活なのだ。 更に、全員が、絶望ど . . . 本文を読む

永遠の0(百田尚樹)

2019年06月23日 | 国内ミステリー
百田尚樹の「永遠の0」を読んだ。 最近、ミステリー、山岳もの、時代劇ものを除けば、手に取るのは、百田氏の作品が多い。 それだけ、期待を裏切らない面白さ、読みやすさ、内容があるからだ。 正直言って、特攻隊もの、戦時ものというジャンルのイメージが強く、この作品は、ちょっと、敬遠していたのだが、読み始めて、予想していたのと全く違っているので驚いた。 まず、孫のルーツ探しであるのに非常に驚いた。誰 . . . 本文を読む

輝く夜(百田尚樹)

2019年04月02日 | 国内ミステリー
5話のショートストーリー集だ。 ただのショートストーリーではない。泣けるストーリーだ。 なかなか、書けるものではない。しかもどれもよくできている。百田氏は、突然、クリスマスの短編集を書きたくなったという。「永遠の0」から2作目の小説とのことだ。風貌から判断してはいけないが、ロマンチックな奇蹟の話は、ちょっと、似つかわしくないが、素晴らしいショートストーリーを書ける方は、才能に満ちあふれているよ . . . 本文を読む

海賊とよばれた男(百田尚樹)

2018年12月19日 | 国内ミステリー
しばらく、山関係の本が多かったので違うものが読んでみたくなった。 その中で選んだのが、「海賊とよばれた男」だ。 出光興産の創業者をモデルに書かれたもので、戦後の日本復興に尽力した日本人を描き切っている。 企業のトップを描いた作品はいくつか読んだことがある。たとえば、ソニーや、アイアコッカなどだが、この作品は実名では出ていないし、企業名も架空だ。 それだけに、小説としての面白さが際立っている . . . 本文を読む

江戸川乱歩賞ハンドブック

2014年09月06日 | 国内ミステリー
本屋で、無償の8ページのちらし、”江戸川乱歩賞ハンドブック”なるものを見つけて、もってきた。 何と、今年で乱歩賞も第60回を数えることになる。 それじゃ、60作かというとそうでもない。受賞作無しが3回あり、第二回目は、「ハヤカワ・ミステリ」の出版に贈られたり、ダブル受賞も11回もある。 したがって、勘定間違いがなければ、67作品となる。2年ほど前に、江戸川乱歩賞受賞作 . . . 本文を読む

冷血 下(高村薫)

2013年10月17日 | 国内ミステリー
図書館で、4か月待ちで、やっと下巻を読み終えた。 上巻を読み終えた感想として、下巻で何らかのメッセージを期待してしまう。とあったが、どうだったのだろうか。 死というもの。死刑というもの。生というもの。それらについて、いったい、何を言いいたかったのか、残念ながら、よくわからなかった。 ただ、死も生も、それほど大きな違いはなく、一瞬のはかない境でしか区切られてないのかも知れない。 だからこそ、 . . . 本文を読む

冷血 上

2013年06月13日 | 国内ミステリー
ひさびさの高村薫の新作だ。 高村薫は、私がミステリーにはまった作家の一人だ。 ミステリーというジャンルにはめ込むことのできない上質の作品を書く。 今回、図書館で予約したが、100人以上待ちだった。やっと、順番が回ってきたが、延長ができないということで、一気に読みとおした。 しかし、下巻もやっぱし、100人以上待ちなので、いつになるかわからない。それでも、20冊弱が回転しているようなので、実 . . . 本文を読む

2012年私の読んだ和書ミステリートップ5

2012年12月29日 | 国内ミステリー
2012年に読んだ和書のトップ5も選んでおきたい。 今年は、国内、海外ミステリー、時代劇も含めると和書で25~26冊読むことができた。 ①クライマーズ・ハイ(横山秀夫)*横山秀夫が一、二位独占だ。最近読んだのと、長編だったので、こちらが一位になったのかも知れない。素晴らしい作品だ。 ②第三の時効(横山秀夫)*質的には、こちらを一位としても良かったかも知れない。短編なので、比較できない部分があ . . . 本文を読む

破線のマリス(野沢尚)

2012年12月29日 | 国内ミステリー
今年は、お勧めの江戸川乱歩賞受賞作を何冊か読んでみたが、受賞作の一つの「破線のマリス」を読んでみた。 前から、この題名が、ちょっと、かっこ良いと気になっていた作品だ。 テレビのニュースショーの特ダネの映像シーンを編集する女性が主人公の作品だ。そのカットの入れ方で、視聴者を魅了して、視聴率を上げていく。 一方、家庭では、離婚して捨てた子供から、想像力と勇気を持って映像シーンを編集する母を敬愛さ . . . 本文を読む

国内ミステリー等読書記録2012年12月29日

2012年12月29日 | 国内ミステリー
国内の作品で読んだものを作家別ご紹介します。(追加:野沢尚”破線のマリス”)  松本清張     或る「小倉日記」伝               真贋の森            聞かなかった場所            天才画の女   西村京太郎    南神威島                 殺意を呼ぶ列車                 . . . 本文を読む

夢の階段(池波正太郎)

2012年09月26日 | 国内ミステリー
池波正太郎の短編集を読んでみた。 実は、生まれて初めて手に取った。 テレビ映画では、鬼平や剣客商売など、時代劇好きなので、池波正太郎の名前は、よく知っていた。 しかし、テレビで見てしまったものを後から、小説を読む気がしなくて、ここまで来てしまった。 今回読んだのは、時代劇だとばかり思い込んでいたが、9作品のうち、7作品は、現代劇とでもいうのか、戦後の日本を舞台にしていた。 どの作品も、い . . . 本文を読む

ストーリーの迷宮(阿刀田高)

2012年08月15日 | 国内ミステリー
江戸川乱歩賞受賞作も取りあえず、一時停止し、手にとったのは阿刀田高だった。 以前に読んで、リラックスして読めそうだという感覚だったからだが、ちょっと、違った重い印象を持った。 10作品からなるショートストーリー集なのだが、いろいろな雑誌に載せた作品の寄せ集めなのである。 したがって、類似のものを集めたようで、そうでもなかったりするのだ。 ただ、過去の記憶がひとつのキーになっている感じはした . . . 本文を読む