ノーベル文学賞作家、ウイリアム・ゴールディングの
代表作、「蠅の王」を読んだ。
子供の時、ロビンソン・クルーソーや十五少年漂流記を
歓喜して読んだ記憶がある。
自分の海への憧れは、このころ、形成されたのではないか
と思われる。
今回、読んだ作品には、まったく、違う少年たちの島での
生活が描かれる。
最後の解説で、初稿の時に、書かれていた共産主義圏と、
自由主義圏の間の核戦争勃発によりイギリスの学童が
飛行機で国外へ疎開するシーンは編集者の助言でカット
されている。
だが、さらっとした表現の中から想像できるようになっている。
まるで、現代の世界的な危機的状況でありそうなことなのだ。
しかし、飛行機から落下もしくは不時着した少年たちの
行動がメインに書かれており、そんなことは忘れてしまい
そうになる。
むしろ、主題でもある少年たち、人間に潜む凶暴性について
書かれているからだ。
何かの切っ掛けや、リーダーにより、野蛮人化してしまう
人間など、ロシアのウクライナ侵略を見ていれば明らかである。
それは、誰でも持つものであろうか?
多分、そうであろうが、希望も持ちたい。また、
コントロールも可能であり、コントロールすべく
最善を尽くすべきなのだろう。
人間としての尊厳を保つためにも。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます