ましログ

日常と好きなものと母の自宅介護の極私的記録

爆発

2014-12-11 00:12:08 | ロンドン 旅行
「ロンドン滞在記08」

最初に言っておきます。

我々は安全を考え、
少しお高めの宿泊費を払って
ハイアット・リージェンシーというホテルに滞在する事を決めたのです。

それがどうしてこうなったのか。。。


ウインザー城の牧歌的な雰囲気と
ロニースコッツの美味しい食事と
素晴らしいJazzに
心底癒され
ロンドン来てよかった感マックスで
タクシーでホテルへ着いたのが
深夜1時半。

ロニースコッツへ向かう際に
背にした景色は一変しておりました。


え?
こ、ここやんな?
うちらが泊まってるホテル…
え?
えええ!?


ホテルの電気は全て消え
周辺を警察、消防、救急の車両が囲み
蛍光色のベストを着けた警官他、作業員の姿多数

ホテルへ向かおうとする我々を警官はキツイ口調で制止します。

「そんなん言うても、ここに泊まってるねんけど」
「向かいのホテルに全員避難しているから、そちらへ」
「何があったん?」
「アイ・ドント・ノー」

この I don't knowが
ハイアットホテルの地下キッチンでガス爆発、従業員17名負傷
とわかるまで朝まで待たなければなりませんでした。


向かいのホテルへ行きたくとも、非常線がはられている為
どこから入ればいいのか、グルグル周りを歩く始末。

やっとこ着いた緊急避難先である向かいのホテルの2階のフロアには
着の身着のままの宿泊客が疲労困憊で、床にうずくまっていました。
下半身が裸の人多数。
バスローブ姿が大半。

我々はええ塩梅でシャンパンと赤ワインで酔っぱらい、
美味しいコースメニューを食らって
オプションまで頼んで
隣のお客さんに「まだ食べるの?」
なんて事を、英語で会話できるようになったじゃないかと
気をよくして間抜けに帰ってきたものですから、
肩身の狭さも半端ない。

不幸中の幸いは
パスポートとクレジットカードが手元にあること。
また服装は外着だったこと。

但し荷物の一切、および予備のカードや現金は部屋にあり。
またワタクシはアレルギーの持病を持っているので、薬が全くない。
どうしよう…

考えてもどうにもできないからと
腹をくくって床に寝転び、
少し寝ようとなったものの
酔いが覚めると共に途方も無い不安が襲います。


火事なのか?
もしかしてテロか?
なら警察の事情聴取もあるし
予定全部吹っ飛ぶのか、、、
もしくは日本に俺たち帰れるのか?


眠れないままタバコを吸いに外に出てみても
一向にアナウンスもなく、状況は謎のまま。
ハイアットホテルのスタッフも「I don't know」を繰り返すばかり。


それを幾度か繰り返した所
何やらホテルのスタッフの前にお客さんの列が数名。

聞けば変わりのホテルを案内中とのこと。

おいおい、それ全員にアナウンスしてくださいよ!

急いで二階の弟を呼びに行き
連れられるままタクシーに乗る際になって
やっと状況を説明するキーワードを教えてもらいました。

「Gas Explosion at Basement. In the Kitchen」

覚えているのはホテルの横を何やら掘削している建設機械。
火事じゃない。
どうやらテロでもないらしい。
キッチンでのガス漏れによる爆発らしい。。。


タクシーに揺られ
着いた先のホテルでは
これまた着の身着のままの方たちが再び列をなしています。

ふと見ると
我々が並んだ列の前に
日本人らしき若いご夫婦が。

お互いの会話を聞いたのか
「日本人ですか?」と尋ねられ
「何が起こったのですか?」と日本語での会話が
非常に心強かった事を覚えています。

この場を借りて、あの時のご夫婦に感謝を。

そのご夫婦は我々と違って
まさに部屋から避難したそうで、
その時の状況を説明して頂きました。


我々がロニースコッツを後にしてホテルに帰ったのが深夜1時半。
その1時間半前
深夜12時頃に爆発音がして、
ホテルの全電源がシャットダウンしたそうです。
皆暗闇の中、アイフォン片手に這這の体で
非常階段を降りて避難したそうです。

お二人が聞いた状況も
キッチンでのガス爆発とのこと。

列が進み
どこに連れてこられたかわからない
一時避難先のホテルの一室に案内されたのが
午前5時頃。


明日以降どうすればいいのかと
クタクタになりながら
仮眠を取りました。


ほんとに俺ら
無事日本に帰れるのか?



つづく




…ちなみに写真は避難先のホテルからの風景。
後日爆発事故のあったハイアットホテルの写真が一枚も無いことに気づきました。
写真など撮ってる場合ではなく、テンパッていた事がよくわかりました。
いやあキツかった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿