台風一過。
久しぶりに海に行ってきた。
何年ぶりだろう。
いつだって、海へと向かって砂地になってきた足元をじょりじょりと一歩ずつ進み、ついに海が見える瞬間は子どもみたいにドキドキするね♪
連休の最終日。
台風一過のため、快晴だが風は強く、海には白波が立っている。
それでも、水面に日差しが反射してなんと美しいこと。
潮の香。
かもめが何羽か連なって飛んでいく。
少し落ち着ける場所を探して、砂浜を歩く。
小さな砂丘があるので、その麓に持ってきた手ぬぐいを敷いて座る。
その砂丘の頂上には若い男性が1人座っていて、どこぞの国の太鼓を叩いている。
ん~。
まぁ。
なんだかんだ言って、ちょっと傷心だったのさ。
そういう時でないと、海へ来ようってあんまり思わんのよね。
最後に来たのはいつだっけか?
覚えていないな。
ボンゴボンゴとかき鳴らす太鼓を聞きながら、海を眺める。
綺麗ね。
寄せては返す。
家族連れもそこそこ来て、おチビさんたちが波打ち際ではしゃいでいる。
のどかで、優しい風景。
とは言え、台風の影響で波は高いから、お父さんが幼い子を一人波打ち際に残して、自分は奥さんの座っている砂丘のレジャーシートを敷いているところまで戻ってきてしまって、少しも海へ目をやっていないのには閉口した。
危ないよ。そうして目を離している一瞬のすきに、子どもが波にさらわれたりしちゃうんだから。
とりあえず、お父さんが波打ち際に戻るまで、ついつい見守ってしまった。
迂闊な人たちだなぁ。怖ろしい。
そもそも、台風開けの海になんて小さな子を連れてくるべきじゃないと思うけどねー。
小一時間、ぼーっと波を眺めていたかなぁ。
海はいいねぇ。
寂しいけど、気持ちが穏やかになる。
見上げれば、雲一つない青空。
しばらくしてから、アテクシも靴を脱いで波打ち際で遊んでみた。
何年ぶりだろう?
海に入るの。
足の指の間にね、なんか小さな虫がやってくる~~~。
なに~~?これ~~?
きもいよ~~~。
この間、なんかオーストラリアかどっかで、冷たい海にぼーっと足を浸けていた少年が、腐肉を食べるような海の小さな甲殻類に足を食われて、血みどろになっていたってニュースあったよねー?あれっぽい。
あれっぽい、虫。
しぇ~~っ。
食べないで~~~っ。
指の間に入ってくるの、やめて~~~~~っ!
幸せってこういうことなのかなぁと思わせられるような風景。
どこか一つ、道が違っていたら。
あるいはアテクシもこうなれていたのかなぁと。
少し寂しい気持ちで眺める。
海は怖ろしく。
やがて、優しい。