みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

水無月

2017年06月01日 | 俳句日記

水無月の初日から雨になった。
文字通り走り梅雨である。旧暦では今日
の日付は5月7日となる。
皐月の語源に田植の月だから、古代語の
耕作を意味する「さ」をあてて「さ月」
とした、という説がある。
つまりは、水が最も豊富な時期が五月で
あつて、稲作に適した時期だから皐月と
なったと言われている。

「五月雨を あつめて速し 最上川」の句
は、芭蕉が舟で最上川を下ろうと旧暦の
5月28日から30日まで、山形県の大石田
というところで、日和を待って川を下っ
たときに詠んだ句だが、この五月雨は梅
雨の雨なのである。

では水無月の語源はというと、旧暦の六
月は梅雨明けから盛夏にあたり、旱天の
時期であるから水が無いのである。
以前書いたことがあるが、日本には旧暦
が良く似合う。

写真の早苗に吹く風を、青田風と呼ぶも
、皐月風と呼ぶも、豊葦原の瑞穂の国に
は似つかわしのである。

〈実る日の 姿を揺する 五月風〉放浪子

6月1日〔木〕雨
終日の雨、梅雨の走りの感深し。
軒を打つ雨だれに、ショパンを想う。