水無月の初日から雨になった。
文字通り走り梅雨である。旧暦では今日
の日付は5月7日となる。
皐月の語源に田植の月だから、古代語の
耕作を意味する「さ」をあてて「さ月」
とした、という説がある。
つまりは、水が最も豊富な時期が五月で
あつて、稲作に適した時期だから皐月と
なったと言われている。
「五月雨を あつめて速し 最上川」の句
は、芭蕉が舟で最上川を下ろうと旧暦の
5月28日から30日まで、山形県の大石田
というところで、日和を待って川を下っ
たときに詠んだ句だが、この五月雨は梅
雨の雨なのである。
では水無月の語源はというと、旧暦の六
月は梅雨明けから盛夏にあたり、旱天の
時期であるから水が無いのである。
以前書いたことがあるが、日本には旧暦
が良く似合う。
写真の早苗に吹く風を、青田風と呼ぶも
、皐月風と呼ぶも、豊葦原の瑞穂の国に
は似つかわしのである。
〈実る日の 姿を揺する 五月風〉放浪子
6月1日〔木〕雨
終日の雨、梅雨の走りの感深し。
軒を打つ雨だれに、ショパンを想う。