致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
致知出版社の「人間力メルマガ」
【2011/9/3】 致知出版社編集部 発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールマガジンでは、
人間学を学ぶ月刊誌『致知』より
そのエッセンスの一部をご紹介しています。
* *
平成元年の初版以来、版を重ねて発行部数10万部を突破。
各界のリーダーや多くのビジネスマンたちに読み継がれてきた
森信三氏の『修身教授録』。
http://www.chichi.co.jp/book/6_feature/moriteacher.html
『致知』10月号では、ビジネスの現場で
本書を心の糧としてこられた
小宮コンサルタンツ社長の小宮一慶氏と
伊藤忠経済研究所長の三輪裕範氏に
ご対談をいただいております。
本日はその記事の中から、
小宮氏のお話をご紹介いたします。
────────────────────────────────────
「頭は臆病だけど、手は臆病じゃない」
小宮一慶(小宮コンサルタンツ社長)
『致知』2011年10月号
特集「人物を創る」より
http://www.chichi.co.jp/monthly/201110_pickup.html#pick2
────────────────────────────────────
『修身教授録』では「下坐行」ということも言われていて、
本来は下位の人がやるべきことを指すのですが、
特にいまの時代は常日頃からそれを心掛けておかないと、
口先だけの人間になってしまいかねません。
いま世の中を見ていると、
皆から偉いと言われている人の多くが
「首から上があればできる仕事」しかしていないんですね。
私が日本福祉サービスに勤めていた時に、
四百人ほどの寝たきりの方を
お風呂に入れる仕事を手伝ったんですね。
その時に思い出したのが、鍵山さんに教えてもらった
「頭は臆病だけど、手は臆病じゃない」
という言葉でした。
頭で考えていると、どうしても
できない理由を一杯考えてしまう。
でも実際に手を動かしてみると、
意外と簡単にできることが多いんです。
だからうちの会社では、毎朝九時から
全員で必ず掃除をしているんです。
私がやるのはトイレ掃除。
「なんでそんなことするんですか、小宮さん。
時間がもったいないじゃないですか」
と言う人もおられるんですが、いや、そうじゃないと。
やっぱり手を動かしていないと何も変わらないことを、
体を通して知るのが大事だと思うんです。
* *
私は曹洞宗の最高顧問でいらした
藤本幸邦(こうほう)先生を
人生の師と仰いでいるんですが、
先生は「履き物を揃える」ということを
うるさくおっしゃいました。
先生は概念の遊びを凄く嫌われるんですよ。
永平寺には「脚下照顧」という額が掛かっているそうですが、
これって一つの概念じゃないですか。
一方、「履き物を揃える」というのは、
それを具体的な行動に落とし込んだものじゃないかと。
それを先生は子供たちにもやらせるわけです。
「履き物を揃えると心が揃う」という考え方ですが、
おそらくその延長線上に藤本先生は
脚下照顧を思っておられたのではないかと。
だから実践、行動が何よりも大事なんですね。
…………………………………………………
●『修身教授録』とは……
…………………………………………………
不世出の教育者にして哲学者の森信三氏が、
大阪天王寺師範(現・大阪教育大学)本科で行った
講義をまとめた『修身教授録』(全5巻、昭和14年刊)の中から、
昭和12〜14年までの講義を改めて編集し、復刊したもの。
人生を真剣に模索する若者たちのために説いた
人生講話79編を収録(平成元年刊)。
SBIホールディングスCEO・北尾吉孝氏や
アフラック元会長・松井秀文氏など、
本書を座右の書として掲げる各界のリーダーや
ビジネスマンも数多い。人間学を学ぶ最高峰の書ともいえる。
http://www.chichi.co.jp/book/6_feature/moriteacher.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(転載以上)
“いま世の中を見ていると、
皆から偉いと言われている人の多くが
「首から上があればできる仕事」しかしていないんですね。”
身につまされる言葉です。
いつの間にか自分もそうなっていないか、常にチェックすべきことだと思います。
“「頭は臆病だけど、手は臆病じゃない」”
考えてみると、頭は固定されているけど、手は動きやすいように出来ていますよね。
身体の前にもすぐ出せる。
確かに手は臆病じゃない。
“頭で考えていると、どうしても
できない理由を一杯考えてしまう。
でも実際に手を動かしてみると、
意外と簡単にできることが多いんです。”
手を最初に動かすことによって、動きずらい頭も引っ張っていってくれる。
頭もその気にさせる、ということ、とてもシンプル、しかし素晴らしい発見だと思います。
“「履き物を揃える」というのは、
それを具体的な行動に落とし込んだものじゃないかと。”
まず動いてみるということ、
そして、その体験の中から、「脚下照顧」ということも自分の身体で会得していくのですね。
致知出版社、「偉人たちの一日一言」よりです。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「偉人たちの一日一言」
〜致知出版社が贈る人生を養う言葉〜
発行 (株)致知出版社
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
今日の言葉 2011年9月3日(土)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【一遍一念】
この世は
一遍きり
だから
一念を
貫いてゆこう
『坂村真民一日一言』より
●好評の「致知一日一言シリーズ」15冊はコチラ
⇒ http://shop.chichi.co.jp/item_list.command?category_cd=ITINITIITIGEN
====================================================================
◆◇ 『致知』創刊33周年スペシャル企画 ◇◆
記念小冊子「喜怒哀楽の人間学」をプレゼント中
【9月1日(木)〜9月30日(金)まで】
====================================================================
おかげさまで月刊誌『致知』は創刊33周年を迎えます。
ご縁をいただいた皆さまに感謝の思いを込めて、
弊社の書籍を致知オンラインショップで
ご購入いただいたお客様全員にもれなく、
記念小冊子「喜怒哀楽の人間学」をプレゼントしております!
この機会にぜひご利用ください。
⇒ http://shop.chichi.co.jp/item_list.command?category_cd=SHOSEKI
●お待たせいたしました
シリーズ『心に響く小さな5つの物語』
待望の第2弾がいよいよ発売となりました。
『心に響く小さな5つの物語 2』(藤尾秀昭・文/片岡鶴太郎・画)
→ http://www.chichi.co.jp/book/5stories2.html
本書に収録された厳選された5つの物語には
「偉人たちの一日一言」メルマガでおなじみの
東井義雄(とうい・よしお)さんのお話しも
収録されています。
***
第一話「心願に生きる」
東井義雄さんは明治四十五年、兵庫県の但東町に生まれた。
昭和七年、姫路師範学校卒業。故郷の小学校に勤務。
以来、その生涯を小中学生の教育に捧げた人である。
その東井さんの講演録をまとめた著書が、
弊社から刊行された。
題して『自分を育てるのは自分』。
東井さんの教育にかける祈るような思い、
深い心願が
熱く伝わってくる一冊である。
東井さんは語る。
人間は五千通りの可能性を持って生まれてくる。
死刑囚になる可能性も泥棒になる可能性もある。
その五千通りの可能性から、
どんな自分を取り出していくか。
「世界でただ一人の私を、どんな自分に仕上げていくか。
その責任者が私であり、皆さん一人ひとりです」
「バカにはなるまい」
講演の中で東井さんはそう繰り返し、
一人の知的障害を持った中学生の詩を紹介している。
私は一本のローソクです
もえつきてしまうまでに
なにか一ついいことがしたい
人の心に
よろこびの灯をともしてから死にたい
彼は勉強はできないが、
何か一ついいことをしたいと頑張っている。
これが賢い生徒。
ところが、少し勉強ができてもバカがいる。
***
月刊『致知』2008年12月号【初出】
〜続きは『心に響く小さな5つの物語2』にてお楽しみください〜
―――――――――――――――――――――――――――――――――――(転載以上)
“この世は
一遍きり
だから
一念を
貫いてゆこう”
なんとも味のある言葉ですね。
“一遍きり”、“一念を貫く”、美しく深い音を持つ言葉だと思います。
“私は一本のローソクです
もえつきてしまうまでに
なにか一ついいことがしたい
人の心に
よろこびの灯をともしてから死にたい”
飾り気のない、素朴な言葉の奥に秘められた魂の叫びに、胸が熱くなります。