岩切天平の甍

親愛なる友へ

ラスベガス

2007年05月09日 | Weblog
 
 コンベンションセンターでの見本市の取材を終えて、ある大メーカーの社長さんと食事を同席する機会に恵まれた。
ラスベガスは砂漠に力づくで作られた、アメリカ主義の象徴の様な、金と女の街だ。
あぶくの富を集めて、近年特に膨張が著しい。もともと砂漠だったこともあって、増加する人口に水の供給が間に合わず、深刻な水争奪戦が繰り広げられているとのこと。
そこから話は資源の未来について広がる。原油、原子力、エタノール…

アメリカは表向き決してそうは言わないけど、内心、もうこれまでのやり方では立ち行かなくなっていることに気付き始めているんじゃないか。そして、その軌道修正の規範を日本に求めているのに、日本が相変わらず壊れかけたアメリカを追いかけているのは奇妙な感じがする。

エネルギーの増産ではなく、意識の変革が求められている。
ネオンを美しいと思うのでなく、醜悪だと感じられる感性が必要だ。

毎年クリスマスが近づくと、ニューヨーク中の街路樹に電飾が巻き付けられる。
人々が口々に「きれい」とため息をつく光景が、僕にはリンチを受けて縛り上げられたかつての黒人たちを思い起こさせる。
その感覚を大切だと思っている。