岩切天平の甍

親愛なる友へ

オリンパス・ペン

2007年03月26日 | Weblog

  旅に出るに当たって読む本が無かったので、紀伊国屋で大江健三郎と大岡昇平の“ミンドロ島ふたたび”、それに前から気になっていたけど、買うに至らずに、ほとんど「立ち読み」尽くしていた“土門拳の写真撮影入門”を買った。これらと読みかけの“俘虜記”を代わる代わる読む予定。
 
  小学生の頃、アサヒカメラに出ていた土門拳の古寺巡礼のグラビアを(ついでにヌードのページもちらちらと)何度もめくっては眺めていた。僕にカメラをねだられた親父は、しぶしぶ親戚のおじさん(父の弟)からEEサイズのオリンパスペンを格安で譲り受けてきた。初めてのマイカメラで、家の裏の竹山を撮った。きれいだと思った竹たちはただそのまんま写っていて、母の生涯の笑い草となった。

  篠山紀信のミノルタXEの広告に見とれていた僕は、何故かそのコンパクトカメラのレンズも交換できるものと思い込み、力任せにいじっていると根元からもげてしまった。「あ!」と、押し入れの奥深くに放り込み、何事も無かったような顔をしていた。当然ばれていたと思うのだけど、家にある物を「どうなっているのか見たい。」と言う理由でことごとく解体してしまう子供だったからなのか、その時おこられた覚えは無い。

  到着したダラス・テキサスは雨だった。