イビザ島最後の夜に美食を堪能
9月2日(日)イビザ島を離れる前日の夜、Sant Antonのマリーナレストランでプチ贅沢なディナーを楽しんだ。8月いっぱいバカ高いイビザ島のマリーナ料金を節約するためアンカリングで過ごしたご褒美だ。沈む夕日を眺めながらCAVAを飲みロブスターを食べて1か月半の島めぐりの旅を締めくくった。
オートパイロットのトラブルが発生
9月3日(月)本土まで56マイルというロングディスタンスのため、早朝7時半に出航。出航直後流していたトローリングで30cmほどのカツオが釣れた。その後は穏やかな海を機帆走でのんびりと走っていたが、あと20マイルほどで目的地と言うあたりで突然オートパイロットが効かなくなった。色々とセッティングを調整してみたが直らない。仕方なく交代で舵を取りながら残りの3時間ほどをしのぎ、午後5時前Puerto de Javeaのマリーナ入港。
9月4日(火)オートパイロットのチェックや修理の手配などで時間を取られ、Javeaの町に出かけたのは夕方になってからだった。人工的に造られたと思われる数百メーターのビーチの向こうにマリーナが見える。町は意外に大きく、スーパーが4軒もある。そのうちのひとつに入って肉売り場を見ると、”WAGYU”と書かれた牛肉があった。他の国のスーパーでも見かけたこともあるが、もちろん本物の和牛ではないし日本の肉ですらない。ご存知の通り、日本でも「和牛」と呼べるものは厳しい基準がある。どこかの会社が”WAGYU”を商標登録してしまったのだろうか? 和牛神話が世界に浸透してきているという証なのかもしれない。
オートパイロット修理のため、予定を早めてAlicanteへ
9月5日(水)、喫緊の問題はオートパイロットの修理。メーカーのスペイン代理店にコンタクトし、Alicanteのディーラーを紹介してもらった。そこが修理の対応可能という返事をもらい、予定を早めてAlicanteまで足を延ばすことにした。午前7時40分出航、穏やかな風の中、午後3時半Alicanteのランドマーク、独特の形をした岩山Santa Barbara城が見えてきた。午後4時過ぎAlicanteのマリーナに入港する。
セレブ御用達の豪華なマリーナ
受付ポンツーンに船を舫いマリーナオフィスに行くと、そこはまるで豪華ホテルのレセプションのような雰囲気だった。巨大なマリーナにはメガヨットが何隻も停泊できる専用ポンツーンがあり、隣にあるヨットクラブと合わせると2000隻近いヨットが係留されている。
Alicante県の県都であり、スペインでも重要な港湾都市Alicanteは観光スポットとしてもにぎわっていた。すでに9月半ば近いのにマリーナに隣接するビーチは人で一杯だ。
9月6日(木)午前中、メールで連絡をしてあった修理業者がスペインでは珍しくほぼ時間通りに来てオートパイロットの修理をしてくれた。幸い、心配していたような重大な故障ではなかったためホッとする。
夕方、標高166mのSanta Barbara城にエレベーターで昇ってみた。山の上から見るとマリーナの広さとそのロケーションが良くわかる。この町の行政はヨットに力を入れているようで、世界一過酷なヨットレースとして知られる、VOLVO OCEAN CUPレースのスタート地点としてこのレースを前々回からサポートしている。マリーナのそばにはVOLVO OCEAN CUPのミュージアムまである。Alicanteにとって、ヨットで来るビジターは重要な顧客のようだ。
マーケットで極上マグロをゲット
9月7日(金)オートパイロットの修理が予想外に早く終わり、その後2度ほどマリーナを出てテストしてみたが問題が無さそうだ。時間ができたので早速マーケットに買い出しに出かけた。2フロアーある公設市場には魚・肉・野菜など沢山の店が並んでおり覗いて歩くだけでも楽しい。一軒の魚屋で美味しそうなマグロの切り身を見つけた。値段はキロ56€(約7,000円)と良い値段だったが、思い切って800gほど購入。早速夕食で少し食べてみたが、最高のオオトロだった。
弟夫妻が来訪
9月10日(月)夕方、真理の弟夫妻が到着した。ここからCartagenaまで乗船する。
翌日30マイルほど先のCabo Raigを目指して朝8時半過ぎに出航。予報では北東の強風が終日続くとなっていたが、出航時は南の微風だった。30分ほどして上空を見ると、エアポートから北東に向いて飛び立った飛行機が見えた。そろそろ来るかなと思っていると予報通りの北東風が入り始め30分も経たないうちに平均25ノット以上の強風になった。目的地は西南西の方向のため風は追い風だ。ジブセール一枚で8ノット近いスピードで走る。サルディニアに渡って以降微風続きだったため、久しぶりに大時化の航海となり、5時間ほどでCabo Raigのマリーナに到着。マリーナ入口で船が動かなくなり、水深計を見ると2.4mを示していた。キールが砂にめり込んだようだ。あわててキールを上げて脱出、無事マリーナ入港。
マリーナは日本の標準的な規模の本当に小さなマリーナで、停泊している船はほとんどがパワーボート、ヨットではてまりが一番大きい。やはりこの水深では大型のヨットは入れないようだ。
スペイン海軍基地のある港湾都市Cartagena
9月12日(水)雨がぱらつく曇り空の中、Cabo Raigを午前8時半過ぎに出航。昨日の強風の名残でうねりは残るが風は穏やかな海を走り午後2時半、Cartagenaのマリーナに舫いを取る。
紀元前にさかのぼるというこの町の歴史は多彩だ。1900年代に発生したスペインの内戦で、海軍基地があったため町はかなり破壊されたようだが、町を歩いてみるときれいに修復され町中にその面影は残っていない。今もスペイン海軍の重要な拠点となっている港湾都市だ。
今日は9月13日、てまりのクルージングも残すところ1週間となった。9月20日には2011年に出航した母港Almerimarに戻って8年間のクルーズを終了する予定。