Yacht TEMARI blog  ヨットてまりのブログ

2011年スペインを出発、3年かけて地中海を一周。その後カリブ海へ渡り、ヨーロッパに戻って航海中のきままなヨットの旅です

4月29日(月) いよいよ出航!

2013-05-06 | 旅行

4月29日(月) 朝8時20分、半年間お世話になったBrindisiの整備マリーナNaval Balsamoに別れを告げた。目指すは43マイル南に下ったOtranto。天気は快晴で、昨日まで強く吹いていた南寄りの風も収まった海面を快調なエンジン音と共に走り、夕方4時過ぎOtrantoのマリーナに舫いを取る。後半はやや風が出てきて機帆走したが、船はすべて異常なし、まずは順調な滑り出しだ。

 

4月30日(火) 快晴

数日前から日中の気温は30℃近くまで上がり半袖・短パンで過ごせるようになった。午前中Otrantoの町を散策する。 Otrantoの見どころは、15世紀オスマントルコの猛攻で多数の市民が亡くなった悲劇のあとに構築された堅牢な城壁に囲まれた、世界遺産にも登録されている旧市街。狭い路地が走る旧市街は観光客相手の土産物屋やショップ・レストランが立ち並びそぞろ歩きが楽しい。旧市街のシンボル・バジリカ大聖堂には祭壇を取り囲むように、トルコ軍の猛攻で殉教した人たちの骨が飾られている。ちょっと異様な光景だ。

 

 

夕方6時過ぎ、昔のヨット仲間のスルガ君が到着。タイに単身赴任中の彼は、GW休みを利用して日本の家族のもとに戻るよりてまりでの地中海クルーズを選んだのだ。

 

5月1日(水) 晴 OtrantoSanta Maria di Leuca  (25マイル)

午前8時前にOtrantoを出航、今日も穏やかな海を機帆走で走り、昼過ぎにSanta Maria di Leucaのマリーナに舫いを取る。 ブーツ型イタリア半島踵ヒール部分の最南端にあるLeucaの町はお金持ちのリゾートタウン。商店街のようなところは何もないが、マリーナの周辺には豪華な別荘が立ち並び、フェラーリやメルセデスの高級車が走る。丁度メイデイでお休みのため、バールは町の人達で大賑わい。我々もちょっと立ち寄ってアペリティフにスプマンテを一杯楽しむ。

 

 

5月2日(木) 晴時々曇り Santa Maria di LeucaGallipoli  (28マイル)

昨日同様朝8時過ぎに出航。昨日にも増して風は吹かず穏やかな海を終始機走して、午後1時前にGallipoliのマリーナ入港。 

Gallipoliは、Salento半島の突端にある江の島ぐらいの小さな島全体が城塞に囲まれた旧市街だ。ランチは旧市街のタベルナで魚貝の前菜とパスタ&リゾット。夜はマーケットで買った生牡蠣とムール貝のスープなど真理の手料理。今日は昼も夜も美味しいシーフードをたっぷり食べて大満足。明日が早いため早々と就寝。

 

5月3日(金) 曇りのち雨のち晴れ GallipoliCrotone (71マイル)

今日はイタリア半島踵ヒールの先端から前のヒール部分への移動で71マイル(約130㎞)を走らなければならないため、夜明け前の午前5時にGallipoliの港を出航した。薄曇りの空がだんだん黒くなり午前中少し雨が降ったが、昼過ぎには止んで午後はきれいに晴れ渡った。海は相変わらず穏やか。途中10数頭のイルカの群れがてまりに接近。10分ほど船のすぐ近くを横切ったり並走したりして遊んでいった。久しぶりの体験だったが、こんなにたくさんのイルカが長い時間船に寄り添うように遊ぶのははじめてだ。

 

午後5時Crotoneの港に舫いをとる。ヨットハーバーのすぐ近くに鮮魚店が立ち並び、トルコやギリシャとは比較にならないくらい豊富な種類の魚介類が並んでいるのでつい色々と買ってしまう。カレイとタコは生干しにして保存することにした。今晩はマグロの漬け丼にマグロの山かけ、茹でソラマメと焼きナス。久しぶりにいつも日本で食べているゴハンが食べられる。うれしい。

 

イタリア本土の最南端をカバーするカラブリア州のCrotoneはクロトーネ県の県都で、このあたりでは比較的大きな町だ。ここにはクルージング初年度の一昨年、シチリアからギリシャに向かう途中に立ち寄ったことがある。しかしその時はあまり余裕が無くてマリーナ周辺しか出かけなかったが、今回はゆっくりと市内を見て回ることができた。この町の旧市街は珍しくほとんど住宅街で、メインストリートは海岸から500mほど入った新市街にある。週末は、Jazz Festivalや海岸に特設されたコースでモトクロス競技など様々なイベントが開催され沢山の人で賑わっていた。

 

 

5月5日(日) スルガ君が単身赴任中のタイに戻るため、朝の電車でローマへ発った。あまり風に恵まれず、タフなヨットレーサー上がりの彼には物足りなかったかもしれないが、南イタリアの旅を楽しんでもらえたようだ。

てまりは、明日イタリア半島のつま先を辿りシチリアを目指す。

 

てまりクルーズの写真はこちらからご覧いただけます。