体調は少しずつ良くなって来ているがまだ本格的ではない。
磐田市敷地地区を通り森町に入ると昔藁葺き屋根の上に金属板で
覆った昔ながらの藁葺き屋根の家が見える。
私の胸に懐かしい感情が込み上げてなぜか安心した思いに浸れるのである。
水田の中の向こうに土壁の納屋が見え、藁葺き屋根の母屋が林に囲まれている景色が
太古から私の体の中に流れる遺伝子を刺激するような感覚である。
やがて車は山中を走り古いお寺の大洞院へ向かっていた。
梅は咲いているが今度の冷え込みで春の匂いは無く寂しい寺に
参詣客はちらほらであった。
あれ！、森の石松だ。
そういえば次郎長一家の子分の森の石松の墓があることを思い出した。
これはなんだ？鉄格子の中の墓石が森の石松の墓なのである。
全国から勝負事を愛する人達が勝負運を欲しくて墓石を削って持って帰ってしまうのだ。
この石碑を見て思ったのだが、親分の次郎長よりも石松の方が削られている。
最近は博徒は暴力団であり映画にも取り上げられないので若い人達は知らない人が多くなった。
そう言えば私の住む蒲郡市には鼠小僧次郎吉の墓がある、
私的には石松より鼠小僧次郎吉の方が好きなのだが、あまり有名でない。
大洞院を後にして、物作り観光体験施設［アクテイ森］を訪ねた、
大合併をしないで町の独自性を保つために地元が一丸となって頑張っている森町に
もの作り作家の私はこの町に敬意を表したいと思った。
アクテイ森ほど大きくはないが、竹島クラフトセンターも市民と観光客に
蒲郡の物作りの魅力を感じて楽しんでいただける施設にしなければと思い、
帰途についたのである。
