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 いつの話題だよって感じもありますが、ついに「おジャ魔女どれみ ナ・イ・ショ」も最終話。人気のテレビシリーズを受けての新シリーズということで期待と不安がごちゃまぜったのですが、蓋を開けてみればシリーズを通して高クオリティの作品が多かったと思います。中でもこの第13話は、「ナ・イ・ショ」だけでなく、おジャ魔女どれみ全シリーズの最後を飾るにふさわしい大傑作だったと思います。

 第13話は「時を越えたおひなさま ~どれみのないしょ~」。春風家に伝わるひな祭りの物語。って、どれみは「コレ、春風流」って言ってたけど、はるかさんの家系から伝わったものだから春風家じゃないのかな? っていうか、どれみの代で春風家じゃなくなってるような気もするし……。

 とにかく注目すべきはふぁみのキャラクターです。ドジなところ、ステーキが好きなところ、ちょっとシャイなところ、やさしいところ、とにかくどれみそっくりです。それはもちろん血が繋がっているからということもあるんでしょうけど、やっぱりおばあちゃん子だったからというところが大きいんでしょうね。

 ギャグの多かった、そして必要以上にどれみが虐げられていた前半の学校のシーンから一転して、後半の春風家のシーンは家族が織りなす強く暖かい家族模様でした。特に印象深かったのは、はるかさんを見たときのふぁみの表情です。おそらく未来でも曾祖母であるはるかさんには会ったことは無かったと思うのですが、思いがけない出会いだっただけに、いまいち実感がわかないような、それでいて少し照れくさいような、微妙な態度を取っています。ふぁみにとって、未来のどれみの死によって失ってしまったような気がした『家族』という絆。それをふぁみはひな祭りを通して、どれみとふぁみの関係だけではなく、はるかさんと渓介とぽっぷ(ぽっぷとはちょっと薄かったけど)まで含めて、確かに存在しているということを実感できたのではないでしょうか。
 この後半部分は、過去、現在、未来と、各時代の1コマ1コマが何層にも折り重なって関わりあって、一つの巨大なオブジェクトのように、家族の、すなわち人間の歴史を形成しているのだということを感じさせてくれました。

 そしてED曲の『ステキ∞』。これでおしまい。でも、明日、明後日、明々後日、それからずーっと未来まで続いていくよという13話のテーマによく合った曲でした。エピソードのラスト、「おジャ魔女どれみナ・イ・ショ」のラスト、そして「おジャ魔女どれみ」シリーズのラストとして、この曲の『またあした』というメッセージはとてもふさわしかったと思います。

 時系列で見れば「おジャ魔女どれみ ドッカ~ン!」の51話が最後ということになります。「ドッカ~ン!」は、成長したどれみが誰かにラブレターを渡すシーンで終わります。それは好きな人に告白したいから魔女になりたかったどれみが、魔法に頼らなくても告白できたという成長の証なわけです。どれみの物語、おジャ魔女としてのどれみの物語の締めとして、あれはふさわしいものだったと思います。
 それに対して「ナ・イ・ショ」13話では、未来におけるどれみの死が示唆されているわけですが、その思いというか存在というか、どれみに限らず人の生きた証のようなものは、子、孫、曾孫、あるいは関わった人たちみんなに、ずっと受け継がれていくんだよということを示しています。それは話を締めたというよりも、全部ばっと広げてしまったような印象です。これは、考え方によっては「どれみは終わらない」とも取れますが、私は「どれみの物語は終わるけど、その思いはずっと受け継がれていく」と解釈しています。
 「ないしょのナイショ」などを読めばわかりますけど、スタッフにはあまり続編を作ろうという気は無いようです。ここから先は、どれみという作品を受け取った視聴者が、その受け取った物をそれぞれまた別な誰かに伝えていき、どれみの残した物として浸透させていくべきなのではないでしょうか。

 冒頭にも書きましたけど、はじめはちょっと不安もあった「ナ・イ・ショ」でしたが、それらは全て杞憂に終わりました。蛇足どころか、やり残したことの穴埋めと今までの総まとめとして、申し分の無いシリーズになったと思います。ステキな作品を作ってくださったスタッフの皆様に感謝します。

 さて、これで「ナ・イ・ショ」もひと段落つきましたので、「♯」までで止まっていたテレビシリーズのDVDでの再視聴を再開したいと思います。4月に購入したDVD-BOXを、やっと開けますよ。



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