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 アニメ―ジュ・ゲーム文庫のゲームブック「ウィザード家の秘宝」(下村家惠子・著)をクリアしました。
 当初思っていたよりもずっと凝った造りになっていて、なかなかプレイのし応えがある作品だったと思います。

 これ以降、若干のネタばれを含んでいます。ご注意ください。

 各フロアの、手書きの白地図です。通路の長さとか部屋のサイズとかは適当なところもありますが、大体こんな感じになっています。


地下1階
B1F

地下2階
B2F

地下3階
B3F


 昨日までのプレイで九分九厘探索していた地下2階が思いのほか広かったので、もう少し苦労するかと思っていたのですが、地下1階はそれほど広くなく、地下3階もそれほど意地悪な造りにはなっていなかったので、割とすんなり進めることができました。

 このゲームは双方向移動が可能になっているのですが、一方通行になっている(通ると後ろで格子戸が降りるとか)箇所も多くなっています。ですので、双方向移動でありながら、全体としてはある程度の一方向性を有していました。フロアがかなり広いので、行動範囲をある程度限定していったのは良かったと思います。
 そのためにアイテムを入手し損ねるといったケースも存在するのですが、クリアするのに絶対に必要となるアイテムの数はそれほど多くはありません。必要アイテムを入手し損ねる可能性はゼロではありませんが、クリア不可となってしまうルートには比較的乗りにくくなっていますので、きちんとマッピングさえすれば、難易度自体はそれほど高くはないでしょう。
 もっとも、クリアに必要ではないアイテムであっても、その未入手はピストルの弾の消費や基本点の消費といった形で跳ね返ってきますので、実際にはしっかりとアイテムを回収する必要はあるんですけどね。

 気になった点も少々。
 一番はやはり、名前だけは出てきて裏で何かやっていることは示されていたものの、最後までモリアーティ教授が出てこなかった点ですね。これが原作どおりなのかもしれませんけれど、ゲームブックの読者はそんなことは知ったこっちゃありません。双方向移動のためにパラグラフを多く消費してしまったこともあるかもしれませんが、ラストでは教授とのやりとりを、何とか差し込んでもらいたかったところです。やっぱり、ホームズ細大のライバルですしね。
 ゲームにしやすかったからというのが最大の理由だと思うのですが、エピソードの選択もどうだったでしょうか。ゲームは迷宮探索に終始しましたが、それならばわざわざホームズをもってこなくてもやれたはずです。推理物は難しいかもしれませんが、ホームズならではという冒険を用意してもらいたかったですね。
 それから、原作アニメの雰囲気はよく再現されていると思いますが、全体的になんとなく同人臭が漂っているのも少し引っかかりました。途中で死んだときに、クイズに正解すれば復活できるという箇所があるのもどうかと思います。ユーモアはいいのですが、少し興ざめでした。

 まとめますと、アニメ―ジュ文庫ということでちょっと甘く見ていたところがあったのですが、それなりにしっかりと造られた佳作だったと思います。アニメにあったと思しき仕掛けも登場していて、原作を消化しつつ、うまくまとめてあったのではないでしょうか。マッピングの楽しさも堪能できます。多少古臭さも感じますが、良くも悪くも80年代のアニメ界の空気を感じさせる作品と言えるのではないでしょうか。



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