コンサルタントのネタモト帳+(プラス)

ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

読みたい本:『民事訴訟実務と制度の焦点』

2007-01-10 | 読書机
go2cさんのブログ「一寸の虫に五寸釘」に紹介されていた書籍に食指が動きました。その本とはこちら。

民事訴訟実務と制度の焦点―実務家、研究者、法科大学院生と市民のために
(瀬木比呂志著、判例タイムズ社)


著者の瀬木比呂志氏は現役の裁判官とのこと。一般向けではなく「法律実務家(弁護士・裁判官など)」に向けた書籍とのことで、もともとは「判例タイムズ」での連載をまとめられた書籍とのことです。

普段はこうした「法律実務書」までは流石に手が出せないのですが、go2cさんがブログで紹介していたリードの文章に強く引きつつけるものがありました。

まず、よい依頼者を選択する能力、依頼者の言葉の真偽ないし真実の蓋然性を的確に判定する能力は、弁護士の能力の中では非常に重要なものの一つであることを強調しておきたい。弁護士の中には、主張立証は必ずしもそれほど緻密ではないけれども事件の選別にかけては抜群というタイプの方がある。このような人は筋のよい事件をうまく選別するので、訴訟活動は若い弁護士におおむねお任せでも、なお勝訴率が高い。反対に、緻密な訴訟活動を行うけれども右のような見通しについてはあまり感覚がよくなく、時として到底勝てない事案で強硬な主張をされる弁護士もいる。もちろんいずれも極端な例ということになる(つまり、各種の知的能力はいずれかといえば連動することが多いから、前記のような偏りがみられるのは比較的珍しいということである。なお、きまじめで思い込みの強いタイプの方は後者のような形で見通しを誤りやすい傾向があるとはいえるかもしれない)が、こうした側面をみると、弁護士の能力というのは非常に幅広い範囲にわたっているものだとあらためて考えさせられるのである。
(P.33 第2章 訴えの提起まで 一.受任にふさわしい事件の選別)

「個別労働紛争解決手続代理業務」が始まる特定社会保険労務士にとっては、この文章での「弁護士」を「特定社会保険労務士」と置き換えれば全く同じような話しが成り立ちそうです。そればかりか、対行政であっても時に「依頼者側に立ったバトル」を求められる各士業にとって、この一段落からだけでも「一読の価値」は十分に感じられます。

ということで、早速Amazonで購入し、読んでみたいと思います。ただ、全750ページとかなりの大作とのこと。じっくり腰をすえていただかなければなりませんね(^^;;


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご紹介いただきありがとうございます (go2c)
2007-01-10 21:58:06
章が細かく分かれているので関心のある部分をピックアップして読んでも面白いと思います。
特に裁判官からみてどういう主張が説得力があるのか、とか、裁判官や弁護士の「心がけ」風なところは参考になるのでは、と思います。

一番の問題は、持ち運びに不便なので、座れるとしても通勤電車には向かないことです(立って読むとしたらトレーニング効果の方が大きくなってしまいますw)
返信する
Re:ご紹介いただきありがとうございます (Swind)
2007-01-10 22:24:30
go2c様>
こちらこそ、良い本を紹介していただきまして誠にありがとうございました。早速アマゾンに発注しましたので、近日中には届くかと思います。

750Pとなると、通常のビジネス書の4冊分はありますよね。「メタボリ解消」を狙ってみるのも一興かな?とつい考えてしまいましたが、その前に肩を壊しそうですねw)

またブログのほうへもお邪魔させていただきたいと思いますm(_ _)m

返信する