コンサルタントのネタモト帳+(プラス)

ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

期限切れのポイントカード

2005-08-17 | マーケティング
今年のお盆は、土日が絡んでしまって”長期連休”という感じではありませんでした。私は仕事の関係で普通にカレンダーどおり仕事しておりました。とはいっても、お盆ですので、土・日ぐらいはしっかり休みを頂きました。

日本のお盆といえば「親族の集まり」です。私も相方の家の集まり(とはいっても、相方家族+相方のお姉さん一家の二家族ですけれども・・・)にお呼ばれし、一緒に食事を頂くことになりました。最近は、大勢集まるときには近くの回転寿司屋さんから「持ち帰りのお寿司」を頼むのが定番となっていましたので、今回もそれに習って、いつものように注文しました。(今はFAX注文できるので便利ですね。)

さて、当日、お寿司を取りに行ったとき、おすし屋さんの入り口にある張り紙がありました。梁が美奈はこれまで行ってきたポイントカードサービスを終了すること、また、これに伴って、ポイントカードは満点になっていなくても点数に応じて割引してくれることの案内がありました。この回転寿司屋さんは普段から時々行くお店だったので、そういえばポイントカードがあったな・・・と確認してみると、4分の1ほど溜まったカードに加え、満タンにポイントが溜まったカードが1枚出てきました。ただ、この満タンカード、期限が切れてしまっていたのです。

普通なら、「せっかく集まった」のに残念だなぁとあきらめます。ただ、この日都合10人分(実際には20人前近く)のまとまった量を頼んでいました。そこで、「どうせダメなら・・・」と店員さんに「これ、使えないですか?」と期限切れの満タンカードを見せてみました。

店員さんは見るからにアルバイトです。普通なら「できません」と断ると思いますし、実際、最初は「ごめんなさい、使えません」との返事がありました。私も普段ならここであきらめるのですが、なんとなくその日は、「たくさん買っているし,なんとかならない?」と無理を承知でちょっと押してみました。すると、その店員さん、なんと「分かりました」と応じてくれたのです!これには頼んだ私の方が非常にびっくりしてしまい、思わず、「え、本当にいいの?」と確認してしまいました。すると、その店員さんは「今日だけ特別ですよ~。」と軽く受けてくれたのです。おかげで、私たちは実質1割引でおいしいお寿司を頂くことができました。

お客であるこちら側は「多分無理だろうな・・・」と引け目を感じています。そんなとき、お店がその「無理」を通してあげられれば、それはお客様への「サプライズ」となります。すると、お客様は非常に感激し、ある種の「負い目」のような感覚を感じます。これが、このお店や店員さんへの「感謝」の気持ちとなり、お客様の中で「また来なきゃ」という原動力になるのです。

この店員さんはレジを任せられていることから、このお店ではある程度の経験を持った人だったのでしょう。お店のマネジメントの面から本来であれば、店長に話しを通して判断を仰ぐことも必要だという考え方も可能です。しかし、その場ですぐに”サプライズな”判断をしたことが、お客様から「ありがとう」につながり、お店の「ファン=NextOneのお客様」を獲得することができたのです。

たとえ期限が切れていたとしても、お客様が持って来たポイントカードは「今までお店に通ってくれたお客様」の証であることに変わりはありません。期限切れのポイントカードを「期限切れ」と断るとは簡単なことですが、「今までお店に通ってくれた大切なお客様」に対してどのように接し応えていくのか、真正面から考えるだけの価値がのあるシチュエーションであると、私は考えます。

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