ギリギリ探偵白書・190



 ギリギリ探偵白書
 「寸借詐欺・第2話」


 
 早朝から相談の電話で起こされた私は、睡眠を諦め
 少し早めに出勤をすることにした。
 事務所では、前日の不審者の話で盛り上がっていた。
 そして、その日の夕方、田中がモヤシ男をとっ捕まえてきた。



田中    「代表ぅ!!朝、話していた逃げたって奴。捕まえましたよ」

阿部    「・・・・」

田中    「これから、取り調べますので、相談室いいですか?」

阿部    「だめ。これから面談。依頼者さんがくるんだよ」

捕まった男 「僕です」

田中    「勝手にしゃべんな!!こちら、代表の阿部さんだぞ!」

捕まった男 「・・・・・」

阿部    「もしかして、○○先生のお知り合いの?」

捕まった男 「・・・はい・・・」

田中    「お客さん?」

捕まった男 「そうです・・。」

田中    「・・・・え?・・・代表、どうしましょう」

阿部    「謝りなさい」

田中    「ごめんなさい」

捕まった男 「別にいいですよ。・・・痛かったけど・・・」

田中    「あのっ、ふがしとかチェリオとか、うまい棒とか好きですか?」

捕まった男 「別にいいですよ。でも、すももってありますか?」

田中    「ありますよ。他にも懐かしのビックリマンチョコって」

捕まった男 「・・・マジですか!!うわっ、ほんとだ!!」


(妙に馴染んでるな・・・。大丈夫なのだろうか・・・)


早速、面談、契約となるはずであったが、なぜか私と田中と
依頼者さんの3人で駄菓子を食べながら、契約となった。

次の日、まずは、問題の探偵社が騙し取ったような形の調査料金を返還させる。
実は、これは簡単にできるのだ。

私は専用の書面を依頼者さんに渡し、
名前と住所を書き込んでもらった。
後は郵便局で出すだけである。

その名も「必殺!!悪徳探偵社用内容証明郵便」

実は文面に秘密がある。
数時間後、悪徳探偵社から依頼者さんに電話があった。

彼らは調査料金の3分の2を返還すると言ってきたという。


依頼者さん 「やっぱり全額ですよね」

阿部    「いや、それで承諾した方がいいでしょう」

依頼者さん 「なぜですか!!返すって事は認めたって事ですよね」

阿部    「とにかく、指示に従って下さい」

依頼者さん 「・・・わかりましたよ」




        続く



 メールマガジン「ギリギリ探偵白書」の復刻版です。

 ギリギリ探偵白書は、過去に行った調査を本人了承のもと掲載しています。
 尚、調査時期や調査対象者・ご依頼者様の個人情報は本人様の請求以外は開示いたしません。
 また、同作品に登場する人物名は全て仮名です。


 ギリギリ探偵白書の登録はコチラ 
 http://www.mag2.com/m/0000121372.html 

 T.I.U.総合探偵社 

 ランキングです。
 応援お願いします。  → 人気blogランキング
              → にほんブログ村
              → ブログランキングranQ
              → FC2 Blog Ranking
              → ブログの殿堂
             
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )