ギリギリ探偵白書・188


 ギリギリ探偵白書
  「探偵親子鷹・第2話」


 
 チョーさんが以前勤めていた探偵社の社長の息子を
 当分の間T.I.U.で預かる事になった。
 教育係は、とりあえずという事で田中に決まった。
 そして・・・。




 息子である通称ジュニアは田中と行動を共にする事になった。
 そして、基本的な練習を重ね、調査に参加する事になった。

 調査は浮気調査で、私と田中、それとジュニアで行う事になった。

 そして、調査当日、現地には、チョーさんが現れた。


サザビー 「おいおい、オッサン、なにやってんの?」

チョーさん「やっぱりね、不安で。若のせいで調査失敗になったら
      依頼者さんに申し訳が無いですから」


 無線では、田中の怒鳴り声が聞こえてくる。

 (何か、コッチまで怒られているようで腹が立つ)

 張り込み位置で揉めている様だ。
 その時、向かいのマンションから視線を感じた。
 私が、そちらに目をやると、すっと人影が隠れた。

 (なんじゃ??)

 そして、対象者の尾行を開始した後も
 怪しい人影は我々の後をついて来ていた。

 (・・・・・) 


サザビー 「チョーさん、あれ」


 私は、顎で後ろを指した。


チョーさん「え?・・・あっ!」


 我々の後を尾行けてきていたのは、ジュニアの親父さんだった。

 
サザビー 「チョーさん、注意してきてよ。邪魔だって」

チョーさん「はい」


 チョーさんが注意しに行き、親父さんは渋々帰って行った。

 (まったく、鬱陶しい)
 
 一方、ジュニアは田中に注意されながらも、順調に調査を遂行している。
 対象者は、女性と合流し、公園内を歩いている。
 チョーさんは、ビデオを回し、対象者達の姿を映像に納めている。

 (こりゃ、俺は必要無いんじゃないかい?)


チョーさん「サザビーさん、・・・あれ」


 私は、チョーさんの指差す方に目をやった。
 ブランコの前で、子供が泣いている。
 そして、ブランコには親父さんが乗っていた。

 (また、オヤジぃ!!)


サザビー 「チョーさん」

チョーさん「はい」


 チョーさんの視線に気付いたのか、親父は一足早く逃げ出した。

 その後も、親父は幾度と無く息子の様子を見にきていた。

 そんなドタバタがあったにもかかわらず、
 対象者と女性は、シティーホテルに入り
 田中とジュニアは、それをしっかりと映像に残す事に成功した。

 驚いた事に、田中とジュニアは親父さんにまったく気付いていなかった。




        完



 メールマガジン「ギリギリ探偵白書」の復刻版です。

 ギリギリ探偵白書は、過去に行った調査を本人了承のもと掲載しています。
 尚、調査時期や調査対象者・ご依頼者様の個人情報は本人様の請求以外は開示いたしません。
 また、同作品に登場する人物名は全て仮名です。


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