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中国産輸入食品の食品衛生法違反が続発 最多は「煎ったピーナッツ」から発がん性カビ毒検出
中国産輸入食品が依然としてハイリスクである実態が明らかになった。厚労省が公開する「輸入食品等の食品衛生法違反事例」の最新版(今年4月5日から10月6日までの統計)によると、97件の中国産輸入食品が食品衛生法に違反していた。
背景にあるのが食の中国依存だ。2021年の日本の農林水産物の輸入相手国は中国が2位(1位は米国)で、輸入金額は1兆3000億円を超えた。冷凍野菜や鶏肉調製品、大豆油粕、生鮮野菜が主な輸入品目となる。消費者問題研究所代表で食品問題評論家の垣田達哉氏が指摘する。
「近年は中国の衛生意識が高まったとはいえ、広大な中国では生産者の管理が追いつかない。そのため輸入する大量の中国産食品から、農薬や添加物、細菌といった日本の食品衛生法違反となる成分が検出されるのです」
2008年、殺虫剤の成分「メタミドホス」が混在した冷凍ギョーザを食べた日本人10人が食中毒になった「中国製毒ギョーザ事件」が起きた。しかし、毒物混入の禍根はいまもなお残っている。現在、中国から輸入される食品にどんな違反事例があるのか。全件のうち、最多の検出事例23件を占めるのは化学物質「アフラトキシン」だ。
「アフラトキシンは“天然物最強“と称される強い発がん性を有したカビ毒で、世界的に規制対象になっていますが、厄介なことに加熱しても毒性が消えません。中国からの輸入食品では、煎ったピーナッツや揚げピーナッツに含まれることが多い」
アフラトキシンの発がん性は、国際がん研究機関のリスク評価で最も危険性が高いグループに分類される。2019年8月、中国・杭州で生活する40代夫婦を食中毒が襲った。妻が突然倒れ、救急搬送されるも死亡。夫が「落花生を食べたことが原因かもしれない」と語ると、病院はアフラトキシンによる食中毒の可能性を指摘した。
生鮮タマネギからは、成分規格に適合しない農薬「チアメトキサム」が検出されている。
「タマネギは現地の加工工場で皮を剥かれています。十分な処理がされていないために殺虫剤の成分であるチアメトキサムが検出されてしまう。中国の食品は生産地を把握すらできないので、違反食品の追跡・対策が難しいのです」
中国産冷凍食品は“前科“があるだけにいっそう心配だ。今回は冷凍の蒲焼あなごや焼き鳥、ばれいしょなどから成分規格に適合しない大腸菌群が検出された。また、冷凍のキハダまぐろカツレツや白身魚天ぷらから、糞便系大腸菌グループの総称である「E.coli(イーコリ)」が検出されている。
「強い毒性で知られるO-157もE.coliに含まれます。E.coliは摂取す
ると下痢や激しい腹痛、血便などを催し、重篤化すると、溶血性尿毒症症候群などの合併症を引き起こす毒性の強い菌です」
その他にも、スティックチキンや火鍋用の調味料から特定の成分と混じると発がん性物質となる食品添加物「ソルビン酸カリウム」が検出。また、生鮮食品などから基準値を超える農薬「クロルピリホス」や「ハロキシホップ」が検出された。垣田氏によれば、改善された部分もあるという。
「例年は中国から輸入する貝類やウナギなどの海産物から違反成分が検出されていますが、今回はほとんど見られません。海産物は産地が特定されやすいから管理体制が改善されたのか、たまたま輸入量が少ないのかは不明ですが」
家庭の食卓だけでなく、外食でも遭遇する機会の多い中国産。懸念はこの先中国からやって来る食品が増えるのか否かだ。
「中国はゼロコロナ政策を展開していますが、コロナの収束と共に人員確保や輸送体制が回復し、日本への流通が本格的に再開すると見込まれます。
一方で日本の検疫体制は、年間の食品輸入件数約245万件に対し、検疫を行なう食品衛生監視員は全国400人と圧倒的な人員不足。輸入食品の一部のみ検査するモニタリング検査では、約245万件のうちおよそ20万件しか検査できていません。この検疫体制では、危険な中国産食品の上陸拡大に歯止めをかけられるとは思えません」
コロナ明けも、うかうかできない。
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