Welcome to TANN'S_blog(中島富男)

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2009年11月20日 朝日新聞朝刊の気になる記事3つ

2009-11-21 00:55:39 | うつ
週末しか新聞を読まないのに、今日に限って三つ気になる記事が。

1.社説『内定率急落 ロスジェネ再び作るな』

2.記者の視点『うつ病対策 人々にも経済にもメリット』

3.科学面『科学予算、かみあわぬ議論 「事業仕分け」、関連の約40施策も対象』

どれも雇用や仕事に関連する記事。 面倒なのでリンク先は探してない。

3が雇用に関わるかと言えば、もろに雇用問題である。 スパコンもスプリング8もちきゅうもGXもHTVももんじゅも多くのエンジニアが関わっている。 エンジニアとしての履歴の全てが関連プロジェクトだったという人も多いに違いない。

国家プロジェクトは過酷である。 予算維持・確保のために多くのエンジニアが徹夜や休出を続け、失敗を失敗と言えず、どんな小さなことでも成果として出し続けなければならない。 世には技術官僚も多い。 図面1枚描いたことの無い若者が50歳過ぎの民間企業の部長を叱りつけたりする。

簡単な計算がある。 一人前のエンジニアの仕事を確保しようとすると、年間2000万円程度が会社の負担になるという(10年近い前の金額だから今はどうか分からないが)。 3の記事で取り上げられた予算削減額を合計すると、およそ833億円(積み方で変わる数値であるのでご注意を)。 とすると、4165人口となる。

4000人の仕事が無くなることを意味する。 計算してみると案外と少ない数字でもある。 トヨタなんかは良いときなら1社で1000人近いエンジニアを採用したりしたりしてたのだから。 

その4000人をどう使う? 日本の頭脳だ。 無駄にしては、それこそ勿体無い。

そして、1の記事につながる。 若者の仕事をつくり続けなければいけない。 

そして、2の記事に。 うつになる原因はさまざまであろうが、過労は大きな理由の一つだ。 

事業仕分けは支持しているが、切るだけが能ではない。 新しい仕事を作らないといけない。 介護や観光や農業は低賃金産業であって、所得税を多く払う人材の集まる産業ではない。

高度な技術と技能を持つ人が仕事にあぶれてはならないし、それをこれから持とうとしている若者も育てなければならない。 あぶれた人を食わせるために、他のプロジェクトの人に負荷がかかっても不幸だ。

ちなみに、高度な技術や技能は残念ながら組織には根付かない。 人に根付く。 人から人に伝承されないと、技術や技能は消えていく。 

世界一高速演算するスーパーコンピューターは必要ないが、世界一をいつでも作れる技術は持っていなければならない。 

自民党政権は無茶苦茶であったから論外として、民主党政権に問いたいのは、一体あなた達はどんな仕事をつくる気なのか? である。

日本人全員でgoogleやAppleに対抗し、ボーイングやGEに対抗できなければならない。 ルイ・ヴィトンやティファニーにも対抗できなければならない。 

さぁ、来年度予算の中身、楽しみにしてるよ。 民主党の皆さん。


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2 コメント

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仕分け人に資質に疑問符 (憂える科学者)
2009-11-21 08:23:27
事業仕分けの問題はその精神にあるのではなく、その杜撰な内容にある。削減・停止の判断基準があまりに低レベルな点である。たとえば、世界トップレベル研究拠点事業であるが、これは10年の歳月をかけて世界に誇れる研究拠点を作るという事業である。その拠点は様々な問題を解決する科学技術や新たなサイエンスを生み出すことのできる研究組織となる。このような拠点は海外にいくつか見られノーベル賞級の研究を次々と生み出す土壌となっている。それに対し、我が国は各大学、各独法が、あるいは研究所、研究室がランダムに乱立し、拠点として成り立っていない。この致命的な欠点を是正し、世界に誇れる研究拠点を育むのがこの事業の趣旨である。大切なことは、この事業の目的が組織作りであり、特定の研究業績をなしえるというものではないことである。すぐれた組織ができれば優れた研究成果が次々と生み出されることになるので、単一の特定テーマの解決事業よりもより意味深く効果的な取り組みとみなせる。

一方、仕分け人の質問の論旨は「具体的に何ができますか?」という的外れなものである。

仕分け人は科学研究に関しては全くの素人で、「研究=何かを具体的に成し遂げること」という単純な知識しかない。このように研究に対してほとんど造詣のない人間が、筋違いの意見を通し、貴重な事業を圧迫している。なんという低レベルで、無意味な議論であろうか?

ただ、仕分け人はこのような場面に慣れており、このような環境で有利な議論を進められるのは、明らかである。議論の正しさではなく、場馴れという要素で議論を押し切る。あさましい姿勢である。

自分の有利な環境を作り、無理解な議論を押し付け、有益な事業を圧迫する・・・なんと無意味で悲しい作業であろうか?

民主党は何故こんな人選のミスチョイスをしたのか?私は、事業仕分けそのものを否定しているのではなく、あまりにも不適切な人間が低レベルな知識で判断を下すよう誘導していることを憂えている。テレビ映りのみを意識したパフォーマンスのために日本は将来(科学)を捨てるのか?諸外国の笑い物となろう。

私はこのような無能な仕分け人を「仕分けしてしまう」ことを提案したい。
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コメントありがとうございます。 (TANN)
2009-11-21 11:52:47
憂える科学者さん

 コメントありがとうございます。

 日本人の大多数が科学とは何か、技術開発とはなにかを理解していません。

 日本人知性の平均値では科学の比率が低いのです。

 それが現れているのが事業仕分け人の資質でしょう。

 無駄な事業と無駄を許す事業。 一見無駄でも、いつ有効になるか分からないのが科学であり技術です。 そこに投資するのは国の責任です。

 日本人のリベラルアーツに科学が含まれて居ない現状を悲しく思います。

 貧相なブログですが、よろしければ、今後もお越し頂ければ幸いです。

ありがとうございました。
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