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日本の食は「平和」の上に成り立っている。いかに戦争をしないかを考えないと簡単に飢える。

2016-03-29 15:08:52 | 税金・納税者

2015年夏〜秋に大騒ぎになった「平和安全法制」なるものが,2016年3月29日から施行される。

 

大騒ぎして成立を見せかけた法律であるが,その日本の実情となると,とても戦争遂行能力なんてあるようには思えない。

 

平和安全法制には幾つもの不思議な点があるが,その際たるものは,「存立危機事態」なるもの認定三要件である。

それらは,以下のようなものだ。

<存立危機事態認定の三要件>
(1)存立危機事態の定義:我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう。

(2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を 守るために他に適当な手段がないこと。

(3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。

最も疑問を禁じえないのが,(3)の「必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。」という要件である。

戦争(War)と呼ぼうが戦闘(Battle)と呼ぼうが,戦いになったら,敵を圧倒しなければならない。だから,敵に対して,自分たちの戦闘能力は上まったものにしなければ,「負ける」。

負ければ,戦闘は長引く。だから,事前に,「必要最小限度の実力行使にとどまる」などという制約はつけるべきではない。だからであろうが,国は,戦闘機(F35)やオスプレイや護衛艦を増やそうとしている。しかし,いくら武器が揃ったとことで,日本にまともな戦闘能力は望めない。

なぜなら,食料自給率と備蓄量が少な過ぎるためだ。日本人はほとんどの食料品をお店で買っている。そして,国全体も食糧を買っている。

平成27年3月付けの農水省「麦の需給に関する見通し(URL: http://www.maff.go.jp/j/seisan/boueki/mugi_zyukyuu/pdf/27_mitoosi.pdf )によれば,日本人のカロリーベースの食料自給率は以下のようになる。

米以外の食糧自給率は惨憺たるものだ。

小麦はカロリーベースにおいて13.6%であるが,そのうち88%が輸入ある。

少し古い数字であるが農水省の資料からデータを示す(2014年5月農水省予測 :URL http://www.maff.go.jp/j/seisan/boueki/mugi_zyukyuu/pdf/27_toukei2.pdf )。

まず,世界の小麦生産・国内消費・輸出についてである。

世界の小麦輸入国は以下のようになっている。

日本の小麦は,アメリカ,カナダ,および,オーストラリアからの輸入がほとんどである。特に,パン用小麦粉は,カナダとアメリカに依存している。

そして,困ったことに,日本の米と小麦の備蓄量は,平成27年産主食用米生産量744万トンに対して,備蓄米は25万トンしかない。農水省は平成28年6月(端境期)から平成29年6月に対して,民間在庫が207万トンから180万トンになると予想している(URL http://www.maff.go.jp/j/seisan/kikaku/pdf/0324_meguji.pdf )。

すなわち,日本には,ほぼ自給できている米でさえ,端境期には,3.2か月程度の米しか残っていない。備蓄米を合わせても4か月程度である。

一方,輸入小麦はほとんどが国が輸入しているが,その在庫は,2.3か月分に過ぎない。

米と小麦だけでこれだけ危うい備蓄量である。一度,世界的な不作や大戦争が起きたら,日本の食糧は困窮する。

食糧を蓄えない国は,いくら武器があろうとも,戦うことなんてできない。戦う意志され見せることは危険だ。

日本の安全保障政策は「安保法制」による軍事ではなく,「食糧自給・備蓄」において破綻している。

日本は,「恒久の平和を念願」するために活動するべきなのである。

そして,その良し悪しはともかく,アメリカやカナダやオーストラリアとはかなり長い期間にわたって友好関係を継続しなければならない。しかし,それは,軍事ではないであろうと思う。



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