峠を越えてもまだ先がある

谷 和也 シニアの挑戦 ゆっくりマイペースで

バリの爆弾テロ事件

2010年11月22日 | インドネシア語
 インドネシアのバリ島で2002年10月12日に起きた爆弾テロ。死者202人、ほぼ同数の傷者を出した衝撃の事件を題材にした映画「LONG ROAD TO HEAVEN」を見た。大阪・北区のビジュアルアーツ専門学校ホールで上映会(11月21日)があり、監督のEnison Sinaro氏も会場に足を運んでいた。2007年1月に劇場公開された作品だが、日本では初公開だった。

 穏やかなバリの風景。ケチャダンスの激しい動き。世界有数の観光地で賑わうディスコが事件の舞台だった。突然、壮絶な爆発・炎上の場面に変わる。映画はその7カ月後にオーストラリアの女性記者が取材をするという設定。タクシードライバーは、実は事件で弟を亡くしており、バリ人の複雑な気持ちを演じていく。捕まった犯人の1人が護送されるのを追いかけ、なぜバリがターゲットになったかなど犯人グループの動きをさかのぼって“再現”し、事件全体を振り返る。(カットは映画のポスターと主役2人の最終に近いシーンのスチール写真から。もう1枚は挨拶するSinaro監督)

 バリでは2005年10月にも死者20人を超す爆弾テロが起きている。住民感情を考慮してバリでの上映は禁止になったが、映画制作に警察は協力してくれたという。「公判記録などに基づき80%はトルー・ストーリー、20%がフィクション」「制作中、特にテロリストらの恐怖は感じなかった」と上映会のあと語るSinaro氏。ジャカルタでは40万~50万人に上る観客だったとか。タイトルは英語だが、ポスターには「MAKNA DIBALIK TRAGEDI」(悲劇の裏側の意味)という副題がついていた。いずれにしても、2時間程度にまとめるには難しいテーマの映画化ではある。

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