世界陸上の男子400㍍決勝で30日、新鋭キラニ・ジェームズ(Kirani James、グレナダ)が前回の覇者ラショーン・メリット(米)を抑え44秒60で初優勝した。米の牙城といわれたこの種目。突き崩した18歳のヒーロー(9月1日で19歳、身長180㌢)は、来年のロンドン五輪でも一躍話題の選手となる。
400㍍は短距離の範疇に入る。「ボルト2世」のといわれ、400専門に4年ほど前から頭角を表し、次々と記録を縮めてきた。そして、この日も自己新をマークしての金メダルだ。セパレート・コースでも、直線では互いに差が分かる。ゴール前は2人の争い。じりじりと詰め、最後は差し切って、なだれ込んだ。見事なレースぶりだった。
グレナダはカリブ海に浮かぶ島国。1974年2月7日にイギリスから独立した。公用語は英語。周辺にはスペイン語圏が多い。そのせいか、スペイン語のGranada(ザクロの意味。あのグレナデン・シロップでお馴染み)が国名の由来。人口10万というから、我が池田市とほぼ同じ。恐らく、国中お祭り騒ぎで湧いていることだろう。
世界陸上の男子ハンマー投げで室伏広治が「金」に輝いた。過去、銀・銅は手にしていたが、さすがにうれしそう。04年のアテネ五輪でも優勝している。ただ、この時は後に決まった繰り上がりVだ。日の丸の旗を背にまとって、スタンドに拍手にこたえる。今年のベストスマイル賞にもなるほどの、すばらしい笑顔だった。
記録は3、5投目にマークした81㍍24。本人が「前半からうまく出せたのがよかった」と振り返るように、立て続きの“ビッグスロー”が、ライバルたちにプレッシャーを感じさせたようだ。結果的に「銀」となったクリスチャン・パルシュ(ハンガリー)が6投目で81㍍18まで迫ったが、展開としては完勝といえた。
ハンマーの重さは全体で16ポンド(7.26㌔)。やり投げは“飛ばないヤリ”に規格が改正されたが、ハンマーではそれがない。なのに、世界記録は驚異的な86㍍74。室伏は下の方である。薬物疑惑の真偽はわからない。しかし、今大会では格上に見えた。ロンドン五輪も期待してしまう。36歳。アンチ・エイジングの強靭な体力を誇っている男だ。
“最速男”が、スタート前に失格。フライングである。世界陸上の男子100㍍決勝(28日)で、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)の信じられない「まさか」。9秒58という快記録を持つ大本命が、走ることなく消えた。テレビ中継に世界中が衝撃を受けただろう。優勝は同じジャマイカのヨハン・ブレーク。9秒92のタイムだった。
「On your mark! Set!」(位置について、よーい)の声は英語。注目の一瞬、号砲を待てずに飛び出した選手がいる。「ボルトだ!」と解説者。本人も早々とユニホームを脱ぎ捨てていた。スロービデオでも歴然。調子はずっとよくなかったらしい。が、準決勝までの走りから、出遅れても勝負になると思われていた。記録への期待がプレッシャーとなっていたのか。
ゼロの2つ多い種目・男子10000㍍では、五輪で連続金、世界陸上4連覇中のケネニサ・ベケレ(エチオピア)がこの日のレースで途中棄権し、5連覇は成らなかった。ふくらはぎの故障が尾を引いていて、5000㍍も欠場する。これも驚きだったが、万全な状態でレースに臨めるのも限りがある。話題の男・ボルトの場合は、次にまだ200㍍がある。
韓国・大邱の世界陸上は、東アフリカの国・ケニアが27日の初日から旋風を巻き起こしている。朝の女子マラソンでエドナ・キプラガトが優勝(2時間28分43秒)したのをはじめ金・銀・銅を独占した。夜の女子1万㍍でもビビアン・チェルイヨットがVを飾り(30分48秒98)、4位までが緑のユニホームのケニア勢。圧倒的な強さを発揮した。
マラソンは有力選手の欠場で今年はチャンスでもあった日本だが、出場5選手が総崩れ。赤羽有紀子が粘って5位に入ったのが最高だった。テレビはスタート1時間半前から放送を開始するほどの“入れ込み”よう。30㌔付近までは先団をキープして楽しみを持たせたものの、32.5㌔ではペースアップに日本勢は完全に置かれてしまった。
日本とケニア。男子選手がケニアから高校留学でやってきて、駅伝でも活躍してきた。長距離界ではつながりが深い。北京五輪で優勝したサムエル・ワンジルも“日本育ち”の1人。強烈なケニアのスピードは、男子だけてなく女子マラソンのキャサリン・ヌデレバも有名だが、すでに39歳。それでも後継選手が次々と生まれてくる。日本は?
28日の新潟競馬の重賞レース「新潟記念」(GⅢ芝外Aハンデ2000㍍)。「夏に強いタイプ」ときゅう舎がいうエオリアンハープが魅力的だ。◎にして応援したい。過去7、8月はいずれも新潟で計4走しているが、成績は①②①①着。距離は1800~2000。今回と同じニ千に限ると2戦2勝のパーフェクトである。前走準オープンを勝ったばかりでも、長い直線で持ち前の鋭い末脚を発揮すれば、このメンバーでもやれる。牝馬ゆえにハンデは53㌔と恵まれた。
◎ | エオリアンハープ |
○ | タッチミーノット |
▲ | セークリッドバレー |
△ | ヤマニンキングリー |
△ | シャイニーブラウン |
× | オペラブラーボ |
× | プティプランセス |
エオリアンハープの夏の新潟の4戦は3歳時から現5歳時にわたる。上がりは32秒6~33秒6とコンスタントな切れ味でゴール前しっかり伸びている。新潟は速い時計が出やすいので、割り引きが必要だが、それにしても、このコースが合っているのは確かだ。今回は中1週と詰めて使うことになった。過去にも2度ほど経験しており、初めてではない。無理使いではなく「いい条件の時に稼いでおこう」いう、きゅう舎の腹づもりではないか。
○タッチミーノット。前走の七夕賞はイタリアンレッドにクビ差届かない惜敗だった。微妙なハンデに泣いた感じだが、今回の56㌔は仕方のないところか。追い切り好走。調子はよさそう。▲セイクレッドバレーは、後方からの追い込みにかける。前走の関屋記念は届かず⑤着。3走前の新潟大賞典を制した時は鮮やかだった。57㌔のハンデは1㌔重いか。
△ヤマニンキングリーは7カ月半ぶりでも、小倉記念④着はさすがだった。叩いた上積みを考慮して。△シャイニーブラウンも前走②着は15カ月ぶりの競馬。両馬とも、2走目で注目。ナリタクリスタルは57.5㌔のトップハンデが気になる。穴はオペラブラーボの差し。軽量50㌔のプティプランセスは格下でも突っ込みが怖い。
代表
民主党の代表選が8月29日に行われる。菅直人・代表の辞任を受けて、後継を決める選挙だが、ここ数日、水面下では激しい動きのよう。代表は「首相」ということになるのだから、普通の代表選とは重みが違う。予想外、諦めたと思われる人も、次々と手をあげてきた。
世界各国にも「民主党」を名乗る政党は多い。単に名称が同じだけで、横のつながりはない。アメリカのオバマ大統領も与党・民主党に支えられ、好スタートを切ったが、人気が続いていない。インドネシアのユドヨノ大統領が率いるのも民主党である。
日本の民主党は1996年9月に結成された旧民主党が、1998年4月に民政党などを吸収して発足した。代表は菅-鳩山-菅-岡田-前原-小沢-鳩山-菅などと馴染みの名前が浮沈を繰り返した。新しい党でもややこしい歴史。2009年政権交代を果たした。敗れた自民党もフル名称は「自由民主党」。名前だけでなく、政党内はややこしい。
昼前、ソファーに気楽なスタイルになって、隣室から流れる「ハワイアン」のCDに耳を傾けていた。「邪魔ですか?」「いや、そのまま切らなくても…。聴いてるから」。相方がフラの練習で音楽に合わせ手のフリを覚えているらしい。
CDはかつてスペインのラテン音楽を主に様々な国の曲をかなり集めた。ハワイアンは、さらに相方が買い足している。ハワイ語の意味が分かるのはほんの一部。だけど、生意気に「音楽は原語バージョンの方がいい」と。むろん、インドネシアのCDも何枚かある。
ハワイは3度行ったが、島めぐりはしていない。オアフ島が中心。音楽を聴いてイメージするのは、ヤシの木のある海岸か。インドネシアのビーチは、ワイキキほどではないが、一見、似た雰囲気の風景もある(写真は友人が撮ったジャカルタの北海岸)。やはり、どちらも南の国だ。
8月27日の土曜日から「世界陸上」が、お隣の韓国・大邱で始まる。初日には女子マラソンもある。男子のマラソンは最終日の9月4日だ。時差がなく、テレビ観戦する時間帯も比較的に楽である。どの競技・種目も自分では全くやれなくても、自らを選手と重ね合わせて、まるで競っている気になれる。
勝手な空想は自由である。だが、それにしても実際の我が身は、ずっと情けない状況のまま。スポーツジムでも「ランニングマシン」は控え、走る機械はせいぜい「自転車こぎ」。膝に痛みはないけれど、まだスムーズな動きに戻っていない。近い内にいつか、きっと…。その思いで、続けている。
往復の坂道を歩くのも、うつむき加減になっている。足元の安全を図るクセがついてしまったからか。「こりゃ、いかん」。“ひた向き”に歩くどころか“下向き”なのだ。前から来る自転車にぶつかりそうになって、その都度、反省する。坂本九ちゃんではないが“上を向いて歩こう”。あの歌はいい。
日テレ系の番組『24時間テレビ』(8月20日~21日)で、今年のチャリティーマラソンのランナーは徳光和夫アナが務めた。“主役”への挑戦だった。70歳での走者は番組史上の最高齢。しかも、心筋梗塞で入院した経験(01年6月)を持つ。これまでの総合司会の役割は羽鳥慎一さんに引き継いだ。
距離は過去最短の63.2㌔であった。事後に明かされたが、とにかく無事、時間内に完走できた。ただ「完歩」と揶揄する声もある。事実、画面はいつ見ても歩いているようなスピードで、休憩がやたら多かった。体の手当て、マッサージ、お灸、尿検査まで。至れり尽くせりのサポーターがいなければ、余裕のゴールはなかった。本人が述懐している。
それでも、任務はやり遂げた。4月16日以降、練習は延べ63時間、距離は258㌔に及んだ。これが自信の拠り所になったという。複数の医師に診断を受け、心拍計を付ける用心も。スタート時、憧れの人・長嶋茂雄さんからは御守りを手渡されていた。将棋の「歩」の文字。一歩ずつ進み最後“成り金”に、という励ましだった。徳さんならずとも、いいお守りだと思う。
韓国の時代劇ドラマをテレビで見ていて、ずっと奇妙に思っていた“言葉の問題”。例えば、唐も高句麗の将軍も韓国語(朝鮮語)でセリフをしゃべるのだ。でも最近、中国側は自国の中国語(字幕付き)で話す時代劇映画に出会った。ということは、便宜上、韓国制作だから、多くは朝鮮語に統一していたのだろうか。
朝鮮で高句麗・新羅・百済の三国時代は、中国では漢から隋・唐である。長い争いの歴史が繰り返され、映画の大半は戦争で、あるいはその時代で活躍した人物、ヒーロー・ヒロインにスポットを当てている。漢字は漢の時代に伝来し、三国で使用された。映画のシーンで出てくる文書は全て漢字(漢文)だが、話し言葉は朝鮮古来のものがあり、違うはず(と思う)。
日本でも遣隋使・遣唐使は、大陸の文化を学んだが、言葉の壁で苦労したと思われる。日本の時代劇映画は江戸期が中心。それよりもはるか前の時代である。朝鮮語も古かっただろう。それを現代の韓国人、いや日本人にも理解しやすいように、しかも史実にない女性もうまく登場させて長編に仕上げる。これも韓国文化のひとつと言えるだろう。