インドネシア語の小説の中に、オランダ語を“発見”する。「ransel」も、そのひとつ。双方の辞書でも、同じスペルである。意味は「背負いカバン」。もともとは、軍隊で使われていた「背嚢(はいのう)」だった。「独立宣言」をしてから68年経つインドネシアだが、植民地支配の名残かもしれない。言葉への影響は根強いものなのだ。
日本では、この言葉は「ランドセル」と呼ばれている。幕末に輸入された背嚢が、小学生の通学用カバンに変身した。スペルの中に文字「d」がなぜ入ったかは、諸説ある。オランダ語で「rantsel」「randsel」と綴る地方もあったとか。いずれにしても、ランドセルの語源が、オランダ語の「ransel」であるのは間違いないとされている。
20数年前にインドネシアへ家族旅行をした。スーツケースのほかに丈夫な布製の小型リュックを持って行った。小物を入れておけるので、意外に便利だった記憶がある。もっとも、背負わずに片方の肩にひっかけて提げていた。これも「ransel」と言ってよさそう。今は足が弱って、海外旅行にも行けぬようになった。情けない話だ。
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