マツタケ

　「松茸釜めしの素」。こんなのがあるのか! 中身が分かるよう半分透明にした袋には、ちゃんとマツタケの“姿”が見える。「FD処理なので、香りがとてもよくて人気です」と店の人が言う。“フリーズドライ”という、急速凍結後に真空状態下で乾燥させる製法とか。ご飯を炊くさいに、一緒に入れればいいらしい。

　阪急池田駅近くの昆布屋さんで、相方が買うメドをつけていた商品のひとつだった。新聞の折り込みチラシを見て、事前にチェックしていたようだ。秋の感謝セールで全商品「15%割引」。同じチラシが店内にも張ってある。広告の目玉商品は、店の中央の目立つ場所に置かれている。

　店側の作戦を承知しながら、客側も誘いに乗る。主婦のチエというほど大げさなことでもないが、当たり前の日常生活で、チラシはそこそこ重要な情報源になっている。私たち以外に次々と客が訪れていた。

　近いうちにマツタケご飯が我が家の食卓にも出てくるはずである。