たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。

鳳凰山 【南アルプス】 2012年8月19日(日)

2012-08-29 | 南アルプスとその周辺の山

 




タカネビランジとホウオウシャジンを求め、鳳凰山を日帰りで歩いてみたくなりました。
力強い同行者は、いつのも山友も~りさんです。
通常、一泊二日の行程ですが、近頃は日帰りをされる方も多く、ネットでも広く紹介されているので、
へなちょこの私でも歩き通せるか試してみたかったからです。


①夜叉神峠→白鳳峠 ②白鳳峠→夜叉神峠 
 
二つの案をあれこれ考えてみたのですが、①案は、帰りのバスの時刻に間に合うか不安が残るので
第②案に決定!!これならバスの時刻に振り回されることがないので安心です。!!

前夜に夜叉神の森駐車場で仮眠し、朝一番のバスで広河原へ向かいます。

 


    


【メンバー】 も~りさん、fu-co


【コースタイム】
夜叉神の森05:30---(バス)----広河原06:15/25 → 白鳳峠入口06:35 → ゴーロ08:20 → 白鳳峠09:00 → 高嶺10:05/15 → 赤抜沢ノ頭10:50/11:00 → 鳳凰小屋分岐11:55 → 観音岳12:15/35 → 薬師岳12:55 → 薬師小屋13:05 → 南御室小屋13:50/14:00 → 苺平14:30/35 → 杖立峠15:30/35 → 夜叉神峠16:20 → 夜叉神峠駐車場16:55

 


ゲートが開く5時30分前になると、夜叉神の森は芦安から上がってきた乗合タクシーが行列します。
韮崎発の乗合バスを待つ私たちは、空席があるか気が気ではありません。
座れるかどうかではなく、立席も含め満員なら積み残しも発生することがあると聞いていたのでビクビクです。
乗合タクシーに拾ってもらう方法もあるようですが、そのためには、
芦安にて事前の打ち合わせが必要とのことで、今回諦めました。

はたしてバスは…
増発されて二台やってきました。
予想どおり座席はすべて埋まっていましたが、問題なく乗ることができました。

乗車時間約45分で広河原に到着です。

広河原に到着すると、先ほどまで雲に隠れていた北岳がすっきりと姿を現し、私たちに元気を与えてくれました。
幸先が良いです~これから登る稜線からの眺めが楽しみですね



【06:25  北岳】

広河原から北沢峠方面へ10分ほど歩くと白鳳峠の入り口があります。
ここから、さっそく急登の始まりです。


【6:35  白鳳峠入口】

地図には、白鳳峠まで3時間30分と記載されています。
気合いを入れて登ります

マイナーな道だと思っていましたが、けっこう歩かれているらしく登山道はしっかりしています。
傍らにはソバナ、カニコウモリ、オクモミジハグマ、セリバシオガマなどが目立ちます。

       
【オクモミジハグマ  /  ソバナ】

急な斜面には梯子も設置されているので特に危険な箇所はありません。
ただ、前日の雨により、高湿度に加え濡れた岩が滑るので注意しなければなりません。


【7:45  梯子】

 

   
【セリバシオガマ  /  レイジンソウ】

 

 湿っぽい樹林を抜けゴーロに飛び出すと、視界が開け様子が一変します。


【8:20   ゴーロ】

再び樹林に入ると、そこが白鳳峠でした。
意外に早いぞ!!…昭文社のコースタイムを1時間も上回っている…
なんか楽勝かも


【9:00   白鳳峠】

しかし、そうは問屋が卸しません!!

白鳳峠から高嶺への登りのキツイことといったら。。。
おまけにガスが立ち込め、期待した展望は全くナシ!!
ひたすら登ります。

     


【高嶺への登り】

この後もロッククライミング的な大岩が出没したり、なかなか手強いルートです。

そんな時も、癒してくれるのはやっぱり可愛いお花たちです。

 

     
【トウヤクリンドウ  / ミヤマダイモンジソウ】


ヘロヘロの状態で何とか高嶺に到着です。


【10:05  高嶺】

後方に聳えるはずの白根三山は真っ白で何も見えません…ガックシ。。。。暫し休憩。

でも、これからお待ちかねのタカネビランジ、ホウオウシャジンに会えると思うとワクワクします。

 

    
【コバノコゴメグサ / イワインチン】

 

 そして、いよいよ愛らしいタカネビランジにご対面の時がやってきました。

 



【タカネビランジ】


【タカネビランジ】

鳳凰のタカネビランジは、なんと愛らしい色をしているのでしょう!
北岳や赤石岳でも見ていますが、いずれも白色かごく淡いピンク色でした。
今回、鳳凰は三度目になりますが、過去二回は9月だったので、これほどの鮮やかさはありませんでした。

     
【タカネビランジ / ミヤマシャジン】


このミヤマシャジンは、葉が対生ですね?
ミヤマシャジンの葉は互生のものが多いようですが、稀に対生もあるとか。

 

      
【タイツリオウギの豆果 / タイツリオウギの花】   

 

       
【キオン  /   セリバシオガマ】

登山口近くからずっと楽しませてくれたセリバシオガマ、一旦途切れたものの再び稜線の草地でも見ることができました。
2500mを超す高地にも咲くとは驚きです。

 

 アカヌケ沢の頭に近づいた時、一瞬ですがオベリスクがガスの切れ間から顔を出しました。
その後は再び雲の中に隠れてしまい、二度と現れれてはくれませんでした。

 


【地蔵岳】

アカヌケ沢の頭から地蔵岳(オベリスク下)までは20分ほどで往復できるのですが、すでに気力は萎え、
さらに、この先のことを考え、体力の温存に務めるべきと地蔵岳はパスしました。


青空が見えてきたけど雲が切れそうで切れない…

結局、最後まで白根三山をはじめ甲斐駒など周辺の山並みを見ることはできませんでした。


【北岳かな…?】


【白砂の上を歩く】

 砂礫の上では至る所で、タカネビランジが咲き乱れています。
ただし、近づくと花びらは千切れていたりうなだれたりしています。昨日の雨に打たれて傷んでしまったのでしょうか?
花はやや終盤はいった感じでした。

      


【鳳凰小屋分岐】

 


【12:15    観音岳】


そして、もうひとつの主役「ホウオウシャジン」は、ずっと探しながら歩いているのですが、見つかりません。
“早すぎたかも…”と、半ば諦めかけていた時、「あったよ~~!!」とも~りさんの声が…

岩の割れ目からホウオウシャジンの若い株がこんもりと垂れ下がっているのでした。


二花しか開花してないけれど蕾はどっさり!!一週間後が見頃のようです。

 

その後も数株見つけましたが、どれも開花準備中でした。 



少し早過ぎでしたが、新鮮なホウオウシャジンに出会えて感激でした




薬師岳通過…この周辺も探せばきっと色んな花が咲いているのでしょうね~


【12:55  薬師岳】

 


薬師小屋は、以前と何かが違うと思ったら、トイレが新しくなっていました。


【13:05  薬師小屋】

 

薬師岳から見えた小高い岩山を越えたら、南御室小屋まではひたすら下ります。
薬師小屋から45分で南御室小屋に到着です。

 
【13:50   南御室小屋】

小屋前のベンチで大休止、苺平までの登りをクリアすれば、あとは下るだけです。
冷たい湧き水をたっぷり飲んで、さぁ、もうひと頑張り!!


【ホソバトリカブト?】



   
【コバノイチヤクソウ  /   コフタバラン】


【14:30  苺平】

苺平から先はダラダラと長い長い下りです。


【15:30  杖立峠】


【16:20   夜叉神峠】

    
【フシグロセンノウ  /  キバナアキギリ】


【シデシャジン】


【16:55  夜叉神峠登山口】

 
行動時間は10時間40分、地蔵岳はパスしたけど、日が暮れる前に登山口に戻ってくることができました。
正直苦しかったけど、やり遂げた充足感に浸ることができました…
このあと、芦安の温泉で汗を流して中央道に乗ったら、お決まりの渋滞にガッツリはまりました。

いやはや、ハンドルを持つも~りさん、いつもいつもご苦労をお掛けしますデス!!


 

この日出会ったタカネビランジをズラッと並べてみました^^; 



傷んでいるものも有りましたが、探せば状態の良い株も多く、そのたびに足が止まり、なかなか先に進めません。
岩陰のものが比較的綺麗な状態で残っていました。

 

 

 


【シロバナタカネビランジ】 



色の濃淡が様々な鳳凰のタカネビランジ、本当に美しくて惚れ惚れでした。

次回は、ガスのない時に歩いてみたいですね^^

  

 

 

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12 コメント

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タカネビランジ♪ (はなねこ)
2012-08-30 16:46:37
こんもりと咲く ピンク色のタカネビランジが可愛いですね。
すっとした ホウオウシャジンもきれいです。
そういえば、ホウオウシャジンはまだ見たことないんでした。
    
でも、なんという体力脚力なんでしょうね。
白鳳峠から夜叉神峠まで一日で歩いちゃうだけでもびっくりなのに
行き帰りの運転もあるんですよね。
恐れ入りました・・・。
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鳳凰三山(^_^)/ ()
2012-08-30 22:07:27
ここのタカネビランジは色が濃くて綺麗ですよね~♪
私も日曜日に同じルートを日帰りする予定でしたが、計画してくれた方が都合悪くなり中止。
ホウオウシャジンはオベリスクの下に沢山あった記憶がありますよ~。

その日はyamyamさんと北岳に登ることになったのですが、
前回一株しか見られなかったタカネマンテマですが、
花は終わっていましたが30株以上見ることが出来て安心しました(^_^)/
返信する
はなねこさん (fu-co)
2012-08-30 23:06:32
はなねこさん、鳳凰のタカネビランジは本当に可愛いですね!
同じ南アルプスの中でも、他の山域と色合いが異なるのも面白いです。
ホウオウシャジンはタイミング良く見るのは難しいですね~
やはり9月に入ったころがベストかもしれません。
まさにこれからが見頃ですね!
はなねこさんはまだ未見とのことですから、是非ご覧になってください。
私も、満開のホウオウシャジンに出会っていないので、来年にでもまた狙ってみます。

日帰り縦走は老骨に鞭打って頑張りましたよ^^;
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彩さん (fu-co)
2012-08-30 23:20:20
彩さん、またまた北岳日帰りですかぁ!
相変わらずすごいなぁ~~
そして、タカネマンテマが30株とは夢の様な貴重な情報アリガトです♪

>ホウオウシャジンはオベリスクの下に沢山あった記憶がありますよ~。
やはりそうでしたか~?
前回(6年前の9月中旬)は、きれいな株は残っていませんでしたが、オベリスクの岩場でけっこう見かけたことを思い出しました。
この日はヘロヘロで余裕がなかったのですが、頑張って空身でピストンしてくればよかったと激しく後悔しています。
相方のも~りさんは「行こうよ!」と誘ってくれたのに、私がヘタレで情けないです^^;;
でも、次回のお楽しみということで、また課題ができて良かったかも…アハハ
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はじめまして (やたっぺ)
2012-09-03 22:51:46
いつもブログをそっと拝見させていただいておりました。特にスミレの、なんと豊富なこと!参考にさせていただいております。
 たまたま苺平ですれ違った様で…?奇遇にびっくり~わかっていればお声をかけたのに~~
 私たちは夜叉神からしかも2泊3日で亀さんなんですよ。同じ花を見て感激して、ハシゴ、ゴーロに苦労したかと思うと思わず投稿してしまいました。20日は良いお天気でオベリスクの裾に手をかけました。ロープはくたびれているようで手には取れません。それにしても同じ行程を一日で行ってしまうなんて。。。
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やたっぺさん (fu-co)
2012-09-04 13:52:08
やたっぺさん、はじめまして^^

あの日、苺平で休んでいた私たちに「ここが苺平ですか?」と声をかけて下さった方でしょうか?
やたっぺさん一行は、南御室小屋に宿泊し、翌20日は美しいタカネビランジ、ホウオウシャジンとともに大展望までゲッットできて何とも羨ましい限りです。
高嶺からの下りは、急坂の連続なので、登りより大変だったかもしれませんね?膝にきますからね…

>同じ行程を一日で行ってしまうなんて。。。
いえいえ、もうヘロヘロでしたよ

私のつたないHPとブログをご覧下さっているとのことで、ありがとうございます。とても嬉しいです^^;
またお立ち寄りくださいね!!



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可愛いですね (てばまる)
2012-09-05 14:50:48
先日買った新井和也さんの図鑑に北岳のバットレスで撮ったタカネビランジがあって見てみたいけど北岳は遠いなあと思ってたら鳳凰山にもあるのですね、日帰りで行けるなら見に行ってみたいです。
あ、でも出来たらテントか山小屋泊でゆっくりしたいです。
8月お盆以降は尾瀬だとすごく空いてるのですけどアルプスはまだまだ人気なんですね・・・。

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てばまるさん (fu-co)
2012-09-05 21:55:59
てばまるさん、北岳のタカネビランジは八本歯付近にもありますが、鳳凰は桁違いに多く、ピンクの可愛い花がそこらじゅうに咲き乱れています。
>あ、でも出来たらテントか山小屋泊でゆっくりしたいです。
ですよね~日帰りもいいけど、山頂で迎えるご来光も素敵ですよね!!
6年前は私も南小室小屋でテント泊でした。
南小室のテントサイトは広くて平ら、水も豊富でとても快適ですよ!!

>アルプスはまだまだ人気なんですね・・・。
今頃の鳳凰は、ホウオウシャジンを目当てに登る方も多いと思います^^
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健脚!! (てばまる)
2012-09-11 16:47:39
 改めて昭文社の地図を見て記載の時間で換算したら休憩や食事時間を入れたら12時間は有にかかる行程を10時間強で歩きとおすとは凄い健脚ですね!! 僕なんかあまりバタバタあるくのは好きではないのでこの日帰りはだめだわ(^^;) やっぱり稜線1泊です。 春先からあちこち山歩きしている賜物ですね。

ちなみにその時間歩けるなら北岳日帰りも余裕ですよ~!
鳳凰三山ってけっこう大変なルートだというのが判りました。


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(*^.^*) (アライグマ)
2012-09-11 20:51:06
σ(^_^)が歩くと「鳳凰三山」
「ほーーー、散々」な山になりそう。
直ぐに膝が~~~~~ってなりそう。

とう事でσ(^_^)は下でゆっくり来るまで行かれる所をまわり
fu-coさんのレポートを楽しむことにしよう。
ヘ(‥ヘ )ふふふっ
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