北海道遠征初日、千歳空港からレンタカー「ニッサンノート」に乗り、千歳市内でガスカートリッジと食料を調達後、
夕張岳ヒュッテに向かう。
駐車スペースのある登山口から夕張岳ヒュッテまでは登り10分ほど、当初はヒュッテに宿泊する予定だったが、急遽テント泊に変更。
駐車場に止まっている車の台数が多かったので、ヒュッテは混み合っているかもしれないと考えたから…
しかし、到着してみると宿泊者は三名だけ、ちょっぴり気持ちが揺らいだが、せっかくテントを運んだので予定通りヒュッテ脇にテントを張る。
停まっていた車は、これから下山する人や車中泊の車だった。
老朽化したヒュッテの横には、新たに小屋を建てるべく「ユウパリコザクラの会」の方々が活動している。
現在は頑丈な基礎部分が完成し、木材に防虫加工をしているところだった。
ユウパリコザクラの会では、ヒュッテの新築にあたり、寄付金を募っている。
私たちも一口だけだが協力させていただく。「夕張ヒュッテ建て替え寄付金」はこちらから。
管理人さんを始め、小屋を作るため頑張っておられるコザクラの会の方、登山客の方々も気さくで一気に打ち解け、
一緒に食事をしながら楽しいひとときを過ごし、時の経つのを忘れるほど…
アルコール、煮物、漬物、さらに夕張メロンまでもお相伴に預かった ごちそうさまでした。
小屋の裏には薪で沸かす五右衛門風呂があり、私たちも勧めていただいたが、
新たに水を入れ替えて沸かすというので、手間をかけては申し訳ないからとお断りし、
七時ごろにはお開きにしてテントに入った。
【コース】
夕張岳ヒュッテ04:10 → (冷水コース)→ 馬の背合流05:25/30 → 望岳台06:05/10 → ガマ岩06:55 → 蛇紋岩崩壊地07:05/25 → 吹き通し08:05/20 → 神社08:40/45 → 山頂08:50/55 → 蛇紋岩崩壊地09:35 →(ユウバリコザクラを探す) → 蛇紋岩崩壊地10:50 → 馬の背分岐12:05 → (馬の背コース) → 夕張岳ヒュッテ12:50/13:30 → 登山口13:40
3:00起床、4:10に出発。
冷水コース入り口で、関西弁の団体さんに出会う。
「早いですね~」と声をかけると「お互いに…」との返事。
その後、団体さんはとは抜きつ抜かれつしながら進むことになる。
この時期の北海道は夜明けが早く、3時半には空が明るくなるので、涼しいうちに登りはじめることで、
エネルギーの消費を最小限にとどめることができる。
ミヤマハンショウヅル / ツバメオモト
風はないけど、空気はまだひんやりしているので気持ちがいい^^
5:00 冷水の沢 ↓
沢水なのでエキノコックスが少し気になったが、地図にも“要煮沸”の注意書きがないので、
たぶん大丈夫だろうと考え、ありがたく飲む。冷たくて美味しかった~~^^
ムラサキヤシオツツジ
ゴゼンタチバナ
小屋を出て1時間15分で馬の背と合流。コースタイムは2時間20分と書かれているので、快調快調^^
05:25 馬の背との合流 ↓
サンカヨウ / エンレイソウ
05:50 石原平 ↓
石原平のシラネアオイは終了し、ガッカリしたが、少し進むと新鮮な花が残っていた。
シラネアオイ
カラマツソウ / ノウゴウイチゴ
ウコンウツギ
06:05 望岳台 ↓
冷水コースが順調だったので、望岳台は軽いね~~
と、思ったら、そうは問屋が下ろさない、それなりに急いだはずなのにコースタイムを5分もオーバー!!
その後は、デジカメタイムにお任せして時計を見るのはやめた!!
コースタイムを競うのではなく、お花をじっくり見にきたのだから…^^;
望岳台でゆっくり休んでいると、下の方から賑やかな話し声がしてきたので、ヨイショと重い腰を上げた。
エゾノリュウキンカ / エゾウサギギク
06:33 憩いの沢 ↓
憩いの沢は、雪渓の下に隠れていた。
06:40 前沢湿原入口 ↓
チシマヒョウタンボク
ハクサンチドリ / ユウバリアズマギク
エゾグンナイフウロ
ムシトリスミレ
フギレキスミレ / タカネクロスゲ
コガネイチゴ / エゾグンナイフウロ
07:00 蛇紋岩崩壊地付近 ↓
蛇紋岩崩壊地では、ユウバリアズマギク以外のほとんどの花が終わっていた。
この周辺にユウバリコザクラがあるはずと、念入りに探してみたが、結果は…
コザクラは枯れ果てていた(涙)
花後のユウバリコザクラ
開花を待つシロウマアサツキの群落
シロウマアサツキ
キバナノコマノツメ / イワイチョウ
ミヤマリンドウ
シナノキンバイ / ミツバオウレン
シナノキンバイに止まるミヤマシロチョウ
コミヤマキンポウゲ / アイヌタチツボスミレ?
夕張岳の蛇紋岩地ではアポイタチツボスミレが咲くことは知っていたが、一花だけ見つけたこのスミレは、側弁の毛と白い距に特徴があるのでアポイタチツボかと思ったが、葉はやや大きく、葉の色も淡い。
一月前にアポイ岳で見たものとは雰囲気が違っていたのでアイヌとしたが、アポイかもしれない。
マルバシモツケ / エゾミヤマクワガタ
芦別岳方面
夕張岳といば、その名を冠したユウバリコザクラとユウバリソウが有名ですが、
今年はまだ6月だというのにすでに終盤で花は花穂の先っぽに僅かに残っているだけだった。ガ~~ン
吹き通しに咲くユウバリソウ
ユウバリソウはウルップソウの白花バージョンで、ウルップソウよりやや小さめの夕張岳の固有種。
かろうじて咲き残っていてくれて有り難い!!
ユウバリソウ
ユキバヒゴタイと芦別岳
ユキバヒゴタイ
ユウバリアズマギク
吹き通しには、ユウバリソウのほか、ユキバヒゴタイ、ユウバリアズマギク、チシマキンレイカ、
エゾタカネスミレ、ユウバリキンバイなどが群れ咲く。
ユウバリアズマグキとチシマキンレイカ
ユウバリキンバイ
エゾミヤマクワガタ
エゾタカネスミレとクモマユキノシタ
ナンブイヌナズナ / クモマユキノシタ
期待したシソバキスミレは見つからなかった!!
タカネグンバイ
吹き通しを振り返る(白くザレた砂礫地が吹き通し)
エゾヒメクワガタ
ホソバイワベンケイ
ウコンウツギ
夕張岳神社
抜きつ抜かれつしていた関西のツアーの方々は、すでに登頂をすませ、神社で休憩中でした。
山頂は虫が多いので早々に下ってきたとのこと。
ここで、重要な情報をキャッチ!!
私たちが、あれほど探して見つけることができなかったユウバリコザクラを一株見つけたとのことで、デジカメのモニター
を見せて頂いた。
まさしく“ユウバリコザクラ”である。
親切なガイドさんに山の名前、花情報など色々と教えていただき感謝感謝である。
下山時の楽しみができたところで、いよいよ夕張岳山頂へと足を運ぶ。
イソツツジ
山頂付近にはふんわり真綿を被ったようなキク科の植物が目についた。ほとんどがまだ蕾だが、わずかに黄色い花が見え、、写真に収める。ラムズイヤーを思わせる柔らかそうな葉、もしかして、ミヤマオグルマ…?と思ったけれど確信が持てない。
ミヤマオグルマ
以前、利尻岳で出会ったミヤマオグルマとは少々雰囲気が違って見えたから…
下山後、「北海道の高山植物」で、すぐに確認。
若い咲き始めの頃だから、綿毛に覆われていることが分かった!
ミヤマオグルマ
エゾノハクサンイチゲ / ミヤマダイコンソウ
08:50 夕張岳山頂 ↓
文句なしの晴天 右が明日登る予定の芦別岳。
芦別岳方面 ↓
明日登る予定の芦別岳と 遠くに白い山肌の崕山(キリギシ山)が見える。
山頂より見る前岳、滝ノ沢岳と、直下の夕張岳神社が見える。 ↓
景色は最高だけれど、確かに虫が多くまとわりつくので、私たちも記念撮影後山頂を後に、関西ツアーの皆さんと同じように
神社で休憩することした。
小さな日影をさがして休憩すると、爽やかな風を感じ、山頂と違い、うるさい虫も少なく感じる。
神社周辺はユウバリアズマギクが群生し、エゾノハクサンイチゲなどの高山植物も多い。
再び、吹き通しでたっぷり時間を費やす。
チシマキンレイカ
エゾタカネスミレ
エゾタカネツメクサ
ユウバリソウ / ミヤマオダマキ
クロウスゴ / ハクサンチドリ
イワイチョウ / タカネタンポポ
そして、そして、ようやく咲き残った一株のユウバリコザクラに出会う!!
ユウバリコザクラ
実は、教えて頂いたそれらしき場所を何度か行き来して丹念に探すも見つけることができず、諦めて下山にかかっていた。
しかし、証拠写真も見せて頂いた訳で、少なくとも一株は確実にあるはず「後悔のないように探してみよう!」という、
も~りさんの強い勧めで、本腰を入れて引き返してみた。
その場所は、考えていた場所よりかなり上部だった。が、自力で見つけることができなかったことは少々情けない…
ヒメナツトウダイ
シラネアオイ
シラネアオイ / シロバナシラネアオイ
北海道のシラネアオイは花弁が丸くて愛らしい。
12:05 冷水コース、馬の背分岐点
下りは馬の背にコースをとり約50分で夕張ヒュッテに到着する。
12:50 夕張ヒュッテ到着
強い日射で、私たちのテントもシュラフもカラカラに乾燥していた。
昨夜お世話になった管理人さんたちに下山報告をしてテントを撤収、アイスコーヒーをごちそうになり
13:30にヒュッテを後にする。
登山口までの林道の下りは僅かなのに意外にも急勾配で、疲れた足に堪えた…
平日でも登山客が絶えない人気の夕張岳、今年は例年になく開花が早く、ガイドさんの話によると昨年より1~2週間
は開花が進んでいるとのこと。
期待したユウバリコザクラは残り花を一株だけだったけど、根気よく探したお陰で何とか会うことができた
シソバキスミレは、また次の課題として残ってしまったので、また再訪しよう!
三笠市の桂沢湖から美唄富良野線を通り、芦別岳の麓「山部太陽の里」に向かう。
翌日の芦別岳はこちらから
おっしゃるように私たちは、名古屋ナンバーのハイエースで寝泊まりしていた者です。
私たちは、30分くらい後の出発だが、鈍足なのでドンドンと離れたのだと思います。写真を見ると、釣鐘岩の看板を通過したのが9時26分なので、この辺りですれ違ったのだと思います。
北海道滞在の簡単な紀行文は日記形式で書き、ブログアップしてあります。おひまの折に、ご笑読してやってください。
お返事が遅くなって申し訳ありません。
同じ日に夕張岳に登られたのですね~
もしかしたら、、前日の駐車場でベット付きの素敵な車内を見せてくださったご夫婦でしょうか?
三代夫さんご夫妻も、たった一株のユウバリコザクラに出会うことができたのですね!
私たちは何度も諦め、とにかく必死でしたので(^^;余計に嬉しさがこみ上げてきました。
それにしても、北海道二ヶ月の旅とは豪勢ですね!
羨ましいです。
北海道ではたくさんの山に登られたことでしょうね!
昨年、6月から8月にかけての60日間、北海道を回って花の写真を撮りました。
6月28日に夕張岳に尾根コースから登り、谷コースをおりました。途中、どこかでお会いしたかもしれず、懐かしくなってコメントしました。
ただ今、写真を整理しているが、まだ夕張岳をやっているので、1ヶ月以上が残っております。それだけ、花の収穫が多かったということで、喜ばねばならないはずだが、あまりにも膨大なので、少し嫌気がさしているところです。
私たちが北海道入りした前日から異常な暑さとなり参りました。
そして高山植物は、ガイドさん(…らしき方)も、ありえない早さだと驚いていました。
髭さんがおっしゃるように、例年なら一番良い花の時季とのことでした。
少し残念でしたが、パノラマを満喫できたので嬉しい初日でした!
夕張岳は、4年前に林道の入り口まで行きながら、雨で断念したいわく付きの山だったので、登ることができただけでも良かったと思っています。
とても素敵な山だったので是非再訪したいです。
普通ならユウバリソウが綺麗な頃ですし
シラネアオイも満開の頃なのですが
少し残念でしたね。
でも、晴天に恵まれて北海道の初日は
好スタートだったのですね。
芦別岳も期待しています。
先週ならニペソツ山頂に咲くエゾルリソウがちょうど見頃だったのではないでしょうか?
私の時は咲き始めで、二部咲き位でした。
大雪ではたくさんの花たちに会えたのですね!
ヨコヤマリンドウは未見なので羨ましいです。
レブンサイコは芦別岳で見ることができましたよ!もちろん初見でした。
今年の北海道は季節の進み具合が早いですね!
次回は6月中旬が狙い目ですね!
でも、そんな時に限って雪解けが遅かったりしてね^^;
なかなかうまくいきません
シソバキスミレは7月の方が確実なのでしょうかね~?
崩壊地や吹き通しでも念入りに探したのですが、見つかりませんでした。
登山道から離れた場所ならあったかもしれないので、双眼鏡なら見ることができたかもしれませんね!
ガイドさんは双眼鏡持参でした^^
この日は、天気が良すぎて暑くて参りました。
でも、雨よりはマシですね^^;
私も実は先週末に大雪山とニペソツに
行ってきました~
ニペソツの天気が悪かった場合には
夕張岳も考えていたのですが、fu-coさんの
ときに既にユウパリコザクラ(一株だけ)も
シソバキスミレも咲いていなかったのですね。
以前に7月20日くらいに夕張岳に行って、
吹き通しではクモマユキノシタくらいしか
咲いていなくて愕然としたことが
あります。やっぱり、ゲートが開くか
開かないかくらいの、6月中旬くらいに
行くべきなんでしょうかね。
大雪山では、イワツツジ、エゾイチゲ、
ジンヨウキスミレ、キバナシオガマ、
エゾタカネスミレ、レブンサイコ、
ヤマハナソウ、ヨコヤマリンドウ(たぶん)
など、いろいろ初めて見ることができました。
ました!リシリリンドウも、もう咲いて
いましたよ。
1-2週間早い割にはまだシソバキスミレ咲いてないのですね。
シラネアオイ何とか間に合ったようですね。
でも群生地は終わってましたか・・・。