「永遠の武士道」研究所所長 多久善郎ブログ

著書『先哲に学ぶ行動哲学』『永遠の武士道』『維新のこころ』並びに武士道、陽明学、明治維新史、人物論及び最近の論策を紹介。

鏡とすべき簡潔な書籍

2006-08-28 00:33:47 | 良書紹介
4年前に三笠書房から出版された、坂井昌彦訳『佐藤一斎「人の上に立つ人」の勉強 45分で読める「言志四録」+「重職心得箇条」』をアマゾンの古本で購入して読んだ。『言志四録』は西郷さんの手抄言志録を始め、1133篇の本文の一部もかつて読んだが、そのエキス60篇が掲載されているというので改めて読んでみた。『重職心得箇条』は安岡正篤氏の紹介本を4年ほど前に読んでその要点を手帳に記して持ち歩き、折々に自らの鏡としている。今回改めて佐藤一斎の名文に触れ心洗われる思いである。佐藤一斎は『言志録』(246条)を42歳のときから11年かけて執筆、『言志後録』(255条)を57歳から10年かけて完成させ、『言志晩録』(292条)を67歳から12年かけて完成させ、『言志耋録』(340条)を80歳で記している。

『重職心得箇条』の要点
1、 重職は、それにふさわしい威厳が必要である
2、 重職は、自分の好みではない部下こそ尊重して使え
3、 重職は、時に応じて改めるべきことを改めよ
4、 重職は、前例や規則にとらわれてはいけない
5、 重職は、チャンスを逃してはならない
6、 重職は、渦中にのみこまれてはならない
7、 重職は、無理強いや押し付けをしてはならない
8、 重職は、忙しいと言ってはならない
9、 重職は、託された重大な権限は自ら執行せよ
10、 重職は、目先の事にとらわれてはならない
11、 重職は、広く大きな心を持て
12、 重職は、他人の意見にも謙虚に耳を傾けよ
13、 重職は、部下同士の調和に心を配れ
14、 重職は、仕事に手をかけすぎてはいけない
15、 重職は、裏表があってはならない
16、 重職は、公開すべき情報は公開せよ
17、 重職は、部下の気持ちを明るく保たなければならない
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« キャラバン隊の熊本での活動 | トップ | 近畿地区訪問 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

良書紹介」カテゴリの最新記事