古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ジャニーヌ殺害事件   遠藤周作

2021-12-06 06:55:18 | 小説の紹介

第二怪奇小説集所収   1959年

 

仏蘭西のリヨンという街の大学に通っていた頃の

 

話。この街では黒ミサやら悪魔絡みの事件が多発

 

し、それは霧深いことに関係しているのではないか

 

と周作氏は推理する。その街で人気のないパン屋で

 

パンを買うが、そこに小さな子供、ジャニーヌがいた。

 

その娘の母親が問題の女だ。その女が男と連れ立って

 

歩いているところを見たような気がした周作氏だが、

 

女のやつれた顔を見ると、男ができたようには見えない。

 

しばらくして、その街を離れて、ある朝、朝刊を読むと

 

八歳の娘を殺した男の写真がでかでかと出ていた。

 

しかし、このまま事件は終わらない。裁判所で、

 

「ノン、ノン、ノン」という悲鳴に近い声がした。それは

 

母親だった。「ノン、ノン、ノンーこの人じゃない、殺した

 

のはこの人じゃない」そうだ、母親がジャニーヌを寝かしつけ

 

ガス栓をひねり、その間にトラック運転手の愛撫を受けて

 

いたのだ!

 

 


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