古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

骨笛   皆川博子

2017-11-16 15:42:03 | 皆川博子
短編の連作。後半で一気に物語が紡がれていき



全体が浮き上がってくる。幽霊がでてきたり、


ドッペルゲンゲンといってでてきたり、幻想的



なワード、沼猫、骨笛、が面白く感じた。その



世界観は強固でゆるぎない。そして、それでいて



軽やかで不思議である。



なにか少女性みたいなものを強く感じる。処女性



と言ってもいいのかもしれないが。この世界の


根底には汚れてはならないものがある、と言う気



持ちの裏返しとして、中学生で流産して自殺した


泉や妊娠できない体になった母親と言うモチーフが



出てくるのだろう。そこには犯すべかさざる神聖性



さえ感じることとなる……。

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