「奇妙な味の小説」所収。
「親鸞」で出鱈目を書いて(いるように僕には
思えた)いるより、ずっと筆がイキイキとして
いるようだった。
新宿が舞台で、60年代だと思うが、それとも
ちょっと違う異次元の世界で、SFチックでもある。
その不思議な世界で、30歳の女が、10年前の
過去を振り返り、ロリータという15歳の女の
美人局をして、組長代理におカネをせびりに行く
話が描かれている。すごくキラキラ輝く文章が
散見されて、ぼくはこの短編がこの本の中で一番
好きだった。とてもおかしくて、風変わりでいて、
生きよう、ということをしようとしていることが
描かれていた。
(読了日 2024年9・15(日)22:15)
(鶴岡 卓哉)
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